紙の本
ちょっと
2014/05/27 16:49
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投稿者:weruboy - この投稿者のレビュー一覧を見る
違うんじゃないか?と思った本。この人は、縮原発派の人だろうと思う。でも、エネルギー問題には詳しくない状態で、経済と結びつけて書いたんじゃないか?
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(2012/5/6読了)
・2007年までが異常な円安だっただけで、今の為替レートは特に円高なわけではなく、適正レートに戻っただけ
・製造業の輸出のために円安誘導、というのはもはや間違った政策。そもそも製造業主体の輸出立国モデルと決別すべき時
・脱工業化なしの脱原発はあり得ない
・原発も止まって(止めて)石油やガスを大量に輸入するんだから、むしろ円高でないと燃料代がシャレにならない
・そもそも産業構造を変革すべき時期であり、TPPに参加したところで今更アメリカ向けの輸出は増えない
・(p215)『日本は産業構造改革という手術をせずに、円安という麻薬を飲んでごまかしてきた。それがついにごまかしきれなくなった。20年間対処を怠ったことが、震災による経済条件の悪化で、待ったなしになったのだ』
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題目は過激ですが、内容は至極一般的な日本の今後の金融政策について語っています。今はネットで本を買う時代なんで、題目がショッキングでないと売れないんでしょうね。
途中で著者がいうとおり、製造業は日本だけで大規模大量生産する時代は終わったと思う今日のこのごろです。
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野口さんは、一橋大学時代から信頼してよく本を読んでいる。安心感ある。アマゾンのレビューで星一つだったのでそんなに評価低いのかなとおもったが、そんなことなかった。あえていうと、タイトルが過激だったかな。
(1)日本の財界が製造業が中心で輸出しにくいから円高是正を図るが、この流れは市場で決まって政策的に左右できない。貿易赤字国で、特に、火力発電の原料輸入で苦労している今は、ありがたいと思った方がいい。
(2)製造業もどんどん実は海外に展開している。浜松を担当している銀行員の弟が工場ががらがらだといっていた。実は、円高を避け、また、低賃金を求めて、アジア各国に展開している。その国でもうけてもらえばいい。
(3)若者は、製造業のようなトップの頭の固い企業などに就職せず、手に能力をもって起業しよう。世界一の技術をもてば、世界中から人が集まってくる。そういう夢をもってほしいな。
製造業が日本を滅ぼすではなくて、製造業の日本立地を無理に補助金でやったりしていると、日本が滅びるという意味です。別に製造業を責めているわけではないが、政治力を使って、エコポイントとかやて需要の前倒しで自分の足を食うのはやめてほしい。もっと大切なことに税金は使って欲しい。
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日本の強みと今後の発展は「製造業がキーである」と思っていた私にとっては、この本のタイトルは衝撃的でした。
恐らくすべての製造業ではなく、ある分野でトップにたつことのできない大半の製造業を対象をしていると信じたいのですが、円安・輸出頼みを捨ててサービス業等を中心とした新たな成長モデルを確立せよ、という野口氏の主張は正しいのかもしれませんが、少し寂しい気持ちもしました。
但し、英国や米国が、世界の工場と言われていた時代から、新たな産業を確立していったように、日本も産業構造を変えていく時期に来ているのかもしれませんね。
以下は気になったポイントです。
・イギリスやシリコンバレーの経験では、外国人の流入によってパイ(労働市場)の大きさが拡大することを意味していて、職場を失われているのではない(pはじめに、7、p163)
・日本の貿易収支が回復しない理由は、1)アメリカ消費ブーム終焉による乗用車輸出の減少、2)円高、3)電力制約、4)生産拠点の海外移転(p11)
・自動車輸出額と鉱物性燃料の輸入額は2002年頃まではバランスしていたが、現在は乖離している、日本の工業製品の価格競争力が落ちていることを意味する(p21)
・貿易収支が赤字で輸出入の価格弾力性が低い場合には、円安になると企業利益が減ることになる(p25)
・2009年から2011年まで原油価格が4倍近くに上昇したが、輸入単価は2倍程度、これは円高の影響が大きい(p26)
・今後の日本は金融をはじめとする高度のサービス業で生きていくべき(p28)
・農業は効率の関税による輸入制限と補助金で生きながらえてきたが、自動車もエコカー補助を受けている、自動車産業の農業化(p39)
・中国に対する輸出品で品目によっては著しい増加を示すものがあるが、これは元建て価格を引き上げているから、ベアリング、バストラック、医薬品等(p66)
・円高だから売上が伸びない、利益が減少する、というのは価格が引き上げられない、つまり製品がコモディティ化したことの告白、または国内生産設備に見切りがつけられないことによる(p68)
・貿易に影響を与えるのは、名目レートではなく実質レートである(p76)
・2003年の介入は単独であったが効果はあった、当時は日米金利差が十分大きかったので、介入が円キャリー取引を引き起こしたから(p86)
・電気を間接的に外国から購入することはできる、外国で電気を使ってつくられた製品を輸入すること(p107)
・電力会社の問題の根源は、地域独占と総括原価方式である(p113)
・再生エネルギーの主たる供給地は人口の少ない地方であるのに対し、電力の最大需要地は都市地域、したがって電力会社間の取引が必要になるが、現行の地域独占下では円滑にできない(p146)
・アジアの富裕層は、世帯年間可処分所得が3.5万ドル以上、中間層を占める7.5億人の可処分所得は、1500ドル未満(p169)
・垂直統合でPCを生産していたアップルも、iPadから水平分業に転���して、新興国の安い賃金を使った部品生産で高い利益を実現するようになった(p172)
・日本の電機業界(ソニー、シャープ)が負けたのは、液晶テレビの生産モデルが、巨大EMSの成長で本質的に変わったにもかかわらず、垂直統合モデルを維持して量でサムスンと競ったことが誤り(p173)
・日本で影響があったのは、人工減少ではなく、年齢構成の変化で若年層の人口が減少して、住宅や自動車などの従来型の需要が減少したこと(p176)
・トヨタは営業利益の大部分は、金融からもたらされている(p192)
・日本経済の問題は、デフレというよりも、所得が下がったことにある、下落しているのは工業品価格であり、多くのサービス価格は上昇している(p209)
・TPPの考え方(保護関税)は、いま出てきたのではなく原型は1930年代に行われたブロック経済(p222)
・アメリカは日中FTAを許さないだろう、なぜならTPPとは、アメリカの対中国太平洋戦略の一環であり、中国を排除することが目的なので(p232)
・仮に中国がEUとのFTAを締結すれば、中国に対する中間財の供給はドイツに独占されて、日本はきわめて深刻な打撃を受けるだろう(p235)
・韓国の輸出が伸びているのは、それは韓国がFTAに積極的だからではなく、顕著なウォン安が進んでいるから(p240)
・日本企業は、すでに生産拠点の海外移転によって、他国が締結したFTAの利益を享受できる、トヨタ自動車は、米韓FTAを利用して、アメリカで生産したカムリを2012.1から韓国に輸出している(p242)
・日本の名目金利が低いのは、物価上昇率が低いことの反映であり、リスクが低いからではない。(p284)
2012年6月24日作成
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震災後に輸出が大きく落ち込んだのは自動車。
電子製品の輸出が減ったのは、国際市場でアジアNIESに押されただけでなく、日本企業が積極的に生産を海外に依存するようになったから。
日本が目指すべきは、海洋国家。そのモデルはイギリス。イギリスは今ではEUに入っているが、長らくEECやECとは離れた立場を維持した。ユーロは導入していない。そのためユーロの混乱に巻き込まれていないで済んでいる。世界のどの国とも等しく付き合うことが海に囲まれた国家の歩むべき道である。
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日本経済の復活を図るために今までの成功法則から脱皮して新しい道を選ばなければならないという主張が興味深かった。円高や国債などの現状に関しての鋭い分析と未来への方向性に関しては共感したが、具体的な提案がなく、問題の診断に止まってしまったのは残念に思う。やはり、連載記事を本にまとめたものの限界が鮮明なのだ。挑発的なタイトルを付けたならば相応する責任を果たさなければいけないと思う。
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今の体制のまま製造業に依存していては行き詰まるという内容。必ずしも製造業が悪ではない。タイトルが正しく無い。狙って付けたのだろうか
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週刊ダイヤモンド、東洋経済のコラムを読んで著者のファンになった。
おもしろい。
量的金融緩和が今の日本の正しい経済政策と考えている人は、読んでみると違った視点が得られると思う。
と同時にこの本を読んで次の自民党政権の経済政策に不安を感じた。
経済政策を行うにあたってはもっとひろく専門家の意見を聞いてほしい。
「製造業優先の経済政策が日本を滅ぼす」とか「製造業中心の産業構造が日本を滅ぼす」というのがタイトルとしては妥当だろう。
個人的に最も興味深かったのは、TPPについての件。
TPPを仲良し通商クラブ(時代遅れの経済協定)と断じ、
日本、米国、中国、EU(ドイツ)の関係から、TTPは日本(特に製造業)に利のない経済協定との意見はさすがと思わされた。
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製造業の収縮と海外移転は更に進む。雇用喪失への対応は、産業構造の基本を変えるしかない
現実を見ていると思います
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データの使い方が勉強になった。
製造業が儲からなくなるっていうのは、感覚としてあってるかな。だって、物が溢れすぎてるもん。
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製造業に依存した産業構造こそが問題で、金融政策では問題解決できないといった主張。
経済のグローバル化などと併せて考えると、とても納得のいく内容だった。個人的な意見としても、日本は製造業だのみから脱却すべきだと思う。為替レートばかりを気にして、一喜一憂するような経済は健全じゃないと思うんだが。
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はじめに
第1章 日本の輸出立国は大震災で終わった
第2章 日本の貿易構造は変化している
第3章 円高について通念を変えるべきとき
第4章 電力問題に制約される日本経済
第5章 縮原発は不可能ではない
第6章 製造業の事業モデルを変える
第7章 海外移転で減少する国内雇用をどうするか
第8章 TPPで本当に議論すべきは何か?
第9章 欧州ソブリン危機は日本に波及するか?
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タイトルに惹かれて借りてみた。”製造業が日本に残ると海外から買う高い電力(火力・LNG)を使用することにより競争力が落ち、環境にも悪影響を及ぼす”と言う、モノの見方は興味深かった。また、TPPに関して、どこの国との取引が多いかで考えるという見方も参考になった。改めて、物事は多角的にみないと本質が理解できないことを考えさせられた。
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東日本大震災後の2012年4月に出版された書籍。ダイヤモンド社の連載などを基に書かれる。
東日本大震災を契機に、日本の電力コストが上昇する中で今度のあるべき産業構造を考察している。輸出立国を中心とした産業構造から、高い生産性を持つサービス業へのシフトの必要性を説く。
また、電力のみならず、TPPやFTAなど、当時進行していた他国との協定がもたらす「ブロック経済圏」がもたらす効果が低いことからも、既得権益に囚われず広く門戸を開く「海洋国家」を目指すべきと説く。
2012年当時と現在の2021年では状況が変わってしまっている部分もあるが、主張の大筋はきちんとしたデータに基づくものであり、現在においても有効な提言だと思われる内容である。