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リーマンショック、そして東日本大震災。これらのショッキングな出来事が、今までまったく当たり前だと思っていた日常を、根底から見直そうというきっかけになった人も多いのではないだろうか。本書の著者、㈱博報堂デザイン・代表取締役の永井一史(かずふみ)氏もその一人である。
電力不足が問題となった2011年5月、社内の若手デザイナーたちとともに、ワークショップを立ち上げた。テーマは「エネルギー50%社会の実現に、デザインはどう貢献できるのか?」
この本は、この「エネルギー消費の削減」という社会的な課題を、「デザイン」という方法論で解決していく発想のプロセスやアイデアを1冊にまとめたものである。
「つい電気を消したくなるスイッチ」とか「エコカーをエコひいきする駐車場」など、紙幅の大半を占める30人のデザイナーたちのアイデアは、見ているだけでも楽しい。しかしデザインということで、とかくビジュアル表現だけに目を向けがちだが、その前提となるバックグラウンドの整理、問題解決方法の組み立て方などはとても参考になる。<「低エネルギー社会」をデザインするための基礎知識>と題した第2章の「日本のエネルギーの現状」「低エネルギー社会実現への6つのアプローチ」は、簡潔でポイントを押さえたまとめ方の好例だ。クリエイター諸氏や企画立案や提案的な仕事に携わる方々には一読をお奨めしたい。
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低エネルギーを実現していくためのデザイン、アイデア30種。
「つい電気を消したくなるスイッチ」、「ルートECO」、「エコカーをエコひいきするデザイン」は実現しやすいし、みていて気持ち良いものなのでいいなと思った。
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昨年もさることながら今年の夏にも「節電」、どころか「計画停電」が施行される恐れがあるため、自然エネルギーや節電のビジネスは今後拡大傾向となるだろう。
そのエネルギー問題に効果のあるデザインについて本書では30人のデザイナーたちを紹介しつつ書かれている。
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<引用文>
最近では、エネルギー問題の専門家の話を聞く機会も増えてきたが、時として、生活者には難しいと感じる内容もある。それを、心地よく、違和感なく、理屈っぽくなく整理して伝えるのがデザイナーの役割だ。
<引用終わり>
↑がこの本の意味を端的に表した文章だと思う。デザインを通して、みんながエコを「楽しめる」時代が来ればいいな。
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今日本が直面している、避けて通れないエネルギーの問題。
「デザイン」にできることは何か。
少し前に読んだグリーンズの「ソーシャルデザイン」同様、社会の問題を人のアイディアやデザインで解決していこう、そんな挑戦をした永井一史氏と30人の若手デザイナーたちである。
エネルギー問題を解決すべく、発想を転換し様々に絞ったアイディアの本、という体裁をとってはいるが、自分たちがいろいろにアイディアを出すことで、見ている我々に、文句を言うだけでなく自分でできることを見つけ、まずそれをやってみよう、そんなふうに思えるきっかけを与えたいという試みでもあるのだ。
実際、30ある提案は、すぐに実現できそうなものから、技術的に可能かどうか怪しいものまでいろいろだ。
だけど、それでいい。
人任せにしない、自分で考えてみる、それが第一歩だから。
彼らの思惑は、「まえがき」に集約されている。
「変化を生みだす当事者になってみること、そこから少しでも良い未来が紡がれていくだろう」
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「ちょっとめんどうだな」ってことが、
ポジティブに転換できるのが、
デザインの力だと思います。
押し付けがましくないけど生活者に受け入れられる、
それが今一番必要な分野が、
エネルギー・環境分野だと思います。
「この本は、一言でいうとエネルギー消費の削減という社会課題をデザインという方法論で解決していく発想のプロセスやアイデアを提示する本である」
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「日本を元気にしよう!」という活動はいろいろある。
本書では、デザイナーたちがデザインという視点からエネルギー問題を考え、一石を投じている。ワークショップから生まれた様々なアイデアたち。エアコンの設定温度28℃で色が涼しげなブルーになる壁紙にすると、見た目トリックで体感温度は26℃。冬はイエローになって暖かく感じられる。他にも押すと次第に地球の姿が浮かび上がるスイッチなどなど、どれも「へぇ~面白い」と思った。アイデア次第、見方次第、明るい日本へ一歩近づける元気になれる一冊。
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2回目読了。いくつかの面白そうな案をアレンジし、自分も何かやってみようと計画。見事失敗。も少し検討まじめにやらねばと・・・。公園で遊ぶこどものパワーを電力化するというのはありそうだが、おもしろい。以前、TV番組のスタジオに集う女子高生のパワーをなんとか電力化できないか?と考える番組があったが、そんなのりで良いかも。あまり生真面目にエネルギー問題、と構えることはなく、本書のような感覚(これはこれでまじめではあるが)でやるのが、結構良いのでは?アイデアは結構でるもので、それの実施、検証がはまる・・・。
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エネルギー問題を題材に、デザイナーの視点や思考プロセスを楽しめる一冊。あらゆるテーマにおいて、デザインの視点は大切で有効だと感じた。