紙の本
PSYCHE
2016/04/20 04:04
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投稿者:o - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作者の作品は何というか、心地よい気持ち悪さがあります。
何が現実で、何が夢なのか。自分に見えている世界は他人に見えている世界と同じなのか。
そういった不安と曖昧さでできているのにどこか落ち着いた文章です。
人を選ぶ作風だと思いますが、陰鬱な酩酊感に浸りたい人にはお勧めです。
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ドッペルゲンガーの恋人から、2冊目。
ドッペルで、ちょっと文体に対して苦手意識があったのですが、それを乗り越えるぐらい面白い。
あと、混濁していく描写がとにかくうまくて、つらい、
鬱々言われてなかったので、もしかしたらもしかしたらと思いながら読んで、ざっくりやられました、、つらぁつらぁ、、、
意識の混濁や、自我と世界の境界線、自分のあり方、なんだか中二病っぽいラインナップですが、それについて考える事は非常に有意義であると思うので、良かったです。
まぁ、うつ小説、ちょっと読む時期を選ぶべきかもしれません。
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現代版ドグラ・マグラって感じです。
後半ぐっと複雑になっていく、胡蝶の夢。
イマジナリーフレンド。
本当は誰が生きていて、誰が死んでいるのか。
どこからが夢で、どこまでが現実なのか。
じっくり読み返せば分かるのかな?とも思うんのだけど、
うーん…。
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主人公のナオには、死んでしまった家族が見えた。それは幽霊なのかもしれないし、もしかしたら彼の妄想かも知れない。しかし、彼はそれに臆したり、怯えたりせず、ただ受け入れる。そうして家族と、従姉妹のアイと、絵を描きながら日々を過ごしていく。淡々とした語り口で、全て達観したように、物事を受け止めている。でも本当は辛かったのかもしれないと思う。死んでしまったはずなのに、家族が見える。それは彼が家族を愛していたからではないか? 死んでしまったことを受け入れることが出来ずに、自分でそれを作り出してしまったのではないだろうか。彼は小さい頃、死ぬことが怖くて、空想の友達を作り上げた。それと同じで、家族を甦らせてしまったのだと僕は考える。彼は世界の内側へ内側へどんどん沈んでいく。それが美しくて、儚い。奇麗で、脆い。それはまるで、蝶のよう。
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色んな人が”意見は分かれる作品”としているように、私もかなり分かれると思います。
私はダメでした。
気持ち悪いです。
というか蝶がそもそも苦手というところに問題がありますね。
麻薬のような、それこそ夢のような。
作品自体が良いか悪いかは別として、私には合わない作品でした。
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夢の世界、妄想の世界だと自覚できる理性は備わっている。
では、今生きる現実は本当に現実なのだろうか。
虚実入り乱れたというか、その境界線など最早無いのだと感じた。
夢に傾倒しつつも、心の輪郭をキャンバスに描こうとする矛盾に、主人公が抱える恐怖が見て取れた。
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唐辺葉介の衝撃デビュー作、待望の文庫化。
普通の人には“見えないもの”が見える「僕」は、死んでしまった家族(幽霊)と従姉妹(いとこ)の少女・アイとの生活のなか、失われる思い出をかたちに残すためキャンバスに向かい、絵筆を手にとる。夢と現実の狭間を彷徨いながら、「僕」は次第に「彼ら」に近づいていく……。
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【メモ】
これに中学で出会った時の衝撃が忘れられない。
「今私が見ているものは何だろう?」
よりも先に、読み終えた時に出てきた感想は、「なぜこんな本が中学に……?」だったけれど。
文庫化とは聞いていた。あの頃を思い出しながら書店をうろうろしていると、偶然見つかった。隅で、目立たない場所で、ひっそりと、だけど私にはほかの本より一際存在感が大きく見える。これが駿兄の言っていたコアなのかな。
私にかなり影響を与えた本。
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前々から気になる作者だったので購入。心象や景色の美しさ,鬱屈さを巧みに描ける作者の文章力あっての内容だと思います。
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友人から借りて読んだ一冊
乙一と西尾維新を8:2で混ぜ合わせた感じの作風
章が進むにつれて主人公が現実を見ているのか夢幻を見ているのか分からなくなってくる。
主人公と一緒に現実に戻ってこれなくなるんじゃないかと思うほど引き込まれる作品だった。
「で、オチは?」って聞くのはおそらくとても無粋なんだろうけどこれは結局どこに落ちたの?
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夢と現が混ざったような幻想的かつグロテスクな光景が狂気的で美しくて、幻覚みたい。
話の筋という筋があまりなくて淡々としている感じが好き。
結局どうなったのかよく分からないところが、少し怖い。
蝶って遠くから見る分には綺麗なのに、近くで見ると気持ち悪いと感じてしまう。
自分は鱗粉がダメ。でも綺麗で好き。
さすがに羽をちぎって食べるのは無理。
どこからが本物の記憶でどこからが虚構なのか分からない感じは嫌いじゃない。
個人的には表紙のロイヤルブルー?みたいな色合いが好み。
さすがに幽霊優先の生活は辛い。 でも、家族と一緒なら寂しくなさそうだと思った。