紙の本
登場人物が魅力的
2016/01/24 22:01
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投稿者:hiro - この投稿者のレビュー一覧を見る
ベースはホームズものの謎解きですが、絵巻物のように当時の東京の風景を丁寧に描写し、それぞれの人物も個性豊かで魅力的ですね。
人の優しさに触れる、いい作品集です。
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明治が舞台の『帝都探偵絵図』シリーズ第二作。作品のイメージと表紙絵が見事に一致しているので、表紙買いしてもOKな作品です。
美しくて清廉、人情味が溢れるミステリというより、もはや群像劇。
今回は高広の養父の過去話が出てきたり、前作のあのキャラが主役になったりと、『帝都探偵絵図』シリーズの世界が一回り広がっていった感じです。
明治の、あの雑然としていて近代化されつつ古い時代の空気も残っている雰囲気が大好きなので、このシリーズお気に入りです。
ミステリのトリックの奇抜さではなく、物語としての美しさやキャラ萌えで読ませる作品集です。
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シリーズ2作目。
今回のテーマは親子の恩讐という感じか。
文庫化で追加された5話以外は親子関係が物語りに深く根ざしている。
『世界記憶コンクール』
一目見ただけで文章を覚えることが出来る質屋の息子。
父に勧められ、新聞広告の求人に応募し記憶力を鍛える訓練を受けるが、その内容がいかにも怪しく雑誌記者の高広に相談を持ちかける。
ホームズの『赤毛商会』を下敷きにしている。
2組の親子を通して子を思う親の心も表現されていて味のある話である。
ミステリとしてはうまくいきすぎか。
今回は1巻と時系列が逆転している2話が収録されていて
『氷のような女』は高広の義父基博の話、
『生人形の涙』は高広と礼の出会い。
『氷のような女』
製氷とその販売が行われるようになった明治初期、安全基準に満たない悪水氷流通の黒幕を高広の義父基博が探る。
基博は高広よりも一枚も二枚も上手なひとである。
ほのかに恋愛要素もあり。
『生人形の涙』
かつて日本に滞在していたイギリス貴族が若かりし頃遭遇した”動く人形”の謎と、
30年後の(この本で言う)現在、貴族の勲章を盗んだ相手を見つけ出し、在り処を探り出すという2つの事件を高広が解決する話。
動く人形の謎は切ない展開。
ハッピーエンドかは微妙なところ…。
現在の話はこれまたホームズの『ボヘミアの醜聞』に着想を得ている。
動く人形のトリックを使って隠された勲章を探すという繋がりはおみごと。
相変わらずうまくいきすぎだけど。
『黄金の日々』は第1作で出てきた少年が主人公となり謎解きをする変り種。
違った視点で面白かったものの、犯人を疑った理由がちょっと切ない。彼はいつか報われるのだろうか。
『月と竹の物語』
白昼堂々小間物屋のディスプレイから金塊を盗んだ犯人を探す。
文庫化で追加されたエピソードで短いお話。高広の礼への愛を垣間見る回。
礼はかぐや姫ですか、そうですか。
確かに美しく、高広に謎解きとホームズの新作の翻訳をねだる姿はかぐや姫でございます。
今回礼の影はかなり薄い。
シリーズ全体としての動きは緩やかである。
ミステリとしては平凡だけれど物語としてはよい。
今回から各話に表紙がついたのがよかった。
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静謐で、それこそ竹のようにすっと背筋を伸ばして
凛と冷えた空気が流れ
小説って作者による音楽がずっと奏でられているものだけれど
このシリーズでは音のない音楽があって
登場人物の動作による音しかきこえない。
あと風景の音と。
風であったり舗装されていない土の上をゆく足音や
大八車、紙に鉛筆を走らせる音、
ため息や白菜の芽が顔を出す音。
気持ち良い男たちによる清々しい物語。
やっぱ好きだなあ、このお話たち。
そう、意外に礼ってかわいいらしいんだ。
聞き耳たててたんだね。
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高広と礼の出会いの話とか高広の義父の話など時系列的には前作よりも前の話が入っていたり、恵の話は時系列的には前作よりも後のものなど入っていたりと、時系列は飛びますが、あまり気になりませんでした。
特に高広の義父の話や恵の話は殆ど高広は出てこなかったりするのですが、私は高広や恵が出てこない事にイライラする事なく、楽しく読めました。
二人の出会いの話はさりげなくて、あとがき読んで気がつきました。そう思って読むと、確かに、出会いです。そう思うと、ちょっと変な感じのした場面がキラキラするので不思議です。
『人形遣いの影盗み』も読みたいのですが、なかなか見つからない…店頭じゃなくて、ネットで探した方が良いのかなぁ?
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てっきり主人公固定と思いきや前作と違い主人公と時系列が1話毎に変わるので、また違った面白さがありました。巻末の解説にもありましたが、里見&有村シリーズではなく帝都探偵絵図だから帝都の人ならだれでも主人公になりうるって感じなんですかね
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前作のぎこちない感じが抜けて、いろんな視点からの帝都ミステリー。
あんまり深刻にならないのは良さかな。とっても人情的。
前のを読んだときは現代ミステリ寄りだと思ったんだけど、古い用語を使い倒した回りくどさが時代小説っぽい。でもまだ次作も読みたい。
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主人公周辺の登場人物が魅力的。
優しさの感じられるストーリーも良いが、舞台となる時代の描写に浸るのが心地良い。
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感想はブログにて。
http://croco.blog14.fc2.com/blog-entry-108.html
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「人魚は空に還る」続編でもあり、前編ともいえる話も収録されている、贅沢な短編集。
里見司法大臣が出て来るとなぜか嬉しい。
白菜って明治の頃に日本に入ってきたんですね。知らなかった。
恵くんが苦労性なところやホームズ好き仲間が増えていくのも楽しいですね。安定感のある作家さんです。「人形遣いの影盗み」も早く文庫になってほしい。
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話は相変わらず面白いし、雰囲気も好きなんですけどやっぱり文章がちょっと読みづらいなあというのが残念です。
でも登場人物は皆魅力的で、好きです。
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恵と、その友人幸生の物語が一番好きかな。
全体的に、優しい風がふいているような物語群。
でも、この人の文章・・・私、時々見失いそうになるんだけど、
私の読解力が低すぎるのかな?
よく、遡って読みかえしている^^;
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1作目から続けて読了。
義父上のお話はよかったなぁ。あと生き人形。
美の巨人たちを好きでよく見ているので、美術や古美術関連は楽しみな題材。
それから単に好みに合わないだけかもしれないけれど、表紙や中表紙の耽美なイラストは蛇足というか狙いすぎというかあざといと言うか(絵が嫌いなわけではないですよ。
文章だけで十分想像をかき立てる美しいものだけに、イラストで固定しちゃうのはちょっともったいないかなぁという印象を持ちました。
今回は人物だけじゃなく、礼の絵までイラストレーターさんが描いていたのでひっかかったのかも。
そこは読む側の想像力に任せてよ的な。
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前巻よりも更に面白かったです。主人公・高広の義父・基博や、前巻「人魚は空に還る」に登場した事件の当事者・恵が主人公の話を今回加えることでシリーズの奥行と彩を出しているのに成功してると思います。その分、美貌のおいしいキャラ・礼の登場が僅かだったり、怪盗ロータスは今回登場なしだったりでしたが、その楽しみは次巻に持ち越しという事で3巻目期待してます。高広のパパ、いいわぁ。
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前作に続いて読了。読んでいて気持ちのいいきれいな文章とお話は相変わらずで楽しく読みました。最後の人形のお話が切なく優しくでちょっと泣けた。