投稿元:
レビューを見る
一冊で3つの味が楽しめる本。
まず研究者の「フィーリング」が面白い。本書は、若手研究者の研究内容を「社会とのつながり」という点からまとめてみようと企画されたものだとのこと。「社会とのつながり」と言っても表面的な「産学協同」といったものではない。研究者自らが「社会における自分の立ち位置」を確かめつつ、自らの研究内容を語るその語り方が面白い。
また「社会とのつながり」で例示される事実に新発見があるのも面白い。サンゴの北上や漁場の変化。そうした話は「温暖化」の中で多く語られている内容ながら、研究者の述べるディテイルから「再発見」することも多くあり、読者の好奇心を刺激する。
さらの著者の理解も面白い。例えば坂上氏の研究に触れつつ、数学の「抽象化」の話をする。坂上氏からでたきっかけを著者の大熊氏が自分の理解の中から読者に向けて描く。数学の「抽象化」の話など誰もが口にする話ながら、そこに研究者がいる迫力、そしてそれを伝えようとする作者の努力、そしてできあがった文章で、バランス良く(そして迫力ももって)伝わってくる。
実は著者とは友人関係で、公にする以上悪口は書かない(笑)。でも本当に読むことができて幸せに感じる本だった(出版後2ヵ月もしてからの購入でしたけどね)。
ちなみに、星が4つなのは「もっと読みたいよ」ということ。もっといろんなティテイルがあるのだろうとか、他にも面白い研究があるはずだとか、あるいはついでに他の大学版も出しちゃえば、などという前向きの不満(?)によるものとご理解いただきたく。
投稿元:
レビューを見る
なるほど、こういう柔軟な思考ができる研究者がいるのか、と思うだけで、結構ワクワクする。「研究者=世界が狭い」というイメージを変えてくれる7人のサムライのお話。
投稿元:
レビューを見る
北海道大学の若い研究者たちの、研究内容と思いが書かれています。
学生に対する思いが語られている箇所がいくつかあり、そこが心に響きました。