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閉ざされた医療現場に新風を
2020/07/05 23:50
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
自らをチェスの「騎士」に例える天城雪彦が、大学病院という名の盤上を跳び跳ねています。患者の命さえもルーレットに任せてしまう不敵さと、公開手術で披露する天才的なメスさばきが魅力的です。
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ドラマからバブル3部作
2018/09/18 23:53
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投稿者:ランディ・B/M - この投稿者のレビュー一覧を見る
海堂尊のバティスタシリーズはずっと好きですべて読んでいた。今回はドラマからバブル3部作を読んだが、ドラマにこの要素も入っていたとは思うが、天城でドラマも見てみたい。大変面白かった。
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日本の医療を変えるための爆弾
2018/05/14 02:21
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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルからも分かるように、前作『ブラックペアン 1988』から2年後という設定です。外部研修を終えて東城大に戻された世良雅史は佐伯病院長から与えられたミッションを果たすべく、ニースの国際学会へ行きますが、目当ての天才外科医・天城雪彦が学会講演をドタキャンしたため、彼がいるモナコ公国モンテカルロに向かいます。心臓のバイパス手術の更なる進化型、閉塞した血管自体を切除して代替血管に置換する「ダイレクト・アナストモーシス(直接吻合法)」を確立し、世界でただ一人それを実行できる天城は、モナコのモンテカルロハートセンター部長であるものの、手術はカジノで全財産の半分をかける「シャンス・サンプル(赤か黒の二者択一)」に勝った患者のみに施術するという常識を相当逸脱しています。世良雅史のミッションは天城に佐伯病院長からの手紙を手渡すことでしたが、天城は受け取っても読む義理はないし、いらぬ選択を迫られるのが嫌だから受け取りたくないとだたをこね、一見簡単そうな世良のミッションが急遽難題に代わってしまうというスリルが面白いです。
天城は世良になにがしか感じるものがあったらしく、日本行きに同意し、こうして規格外の天城爆弾が東城大附属病院で炸裂することになります。第2弾は天城が日本初の公開手術を成功させ、桜宮でスリジエハートセンターを設立する構想をぶち上げるところで「次巻に続く」となっています。『ブラックペアン』はそれ単独でも完結した作品と言えますが、『ブレイズメス 1990』は完結編の『スリジエセンター 1991』とセットです。とはいえ、天城というトンデモ外科医がモナコから佐伯病院長の差し金で桜宮に来たことと、公開手術を成功させたことを了解していれば、細かいことを忘れていても完結編の理解には困りません。
再読して初めて気が付いたのですが、公開手術終了直後の学会会場でかのチーム・バチスタの外科医・桐生恭一が学生として天城に質問しに来て、天城にアメリカ留学を進められた上に、アメリカの心臓疾患専門病院の部長に直接紹介されるエピソードがあります。『チーム・バチスタ』に繋がる因縁がこんなところにちょろっと隠れているとは!
このように作品同士の関連性を見つけるのも海堂作品を読む楽しさの一つですね。
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こんな医者が増えると、医学界も変わる
2012/06/02 21:26
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投稿者:破魔ちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
モンテカルロで活躍する天才心臓外科天城雪彦を東城大学の佐伯教授の命を受けて招へいする研修医世良雅志。白い巨塔の枠を超えて、医者のリスクと可能性をどう考えるか。異端児とされる天城先生がサンデル教授になったかのような命と金の問題に医者の本音は何かが面白い。本音と建前のうごめく中ではたして桜宮市にハートセンターは設立できるのか・・・。
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前作「ブラックペアン1988」では研修医1年生で、高階と渡海に散々振り回された世良が、今回もインパクトのある新キャラクター天城によって振り回されるハメに。。。
その異端性の強い天城を核にエンターテイメント性のあるストーリーを展開しながら、その中に金と医療、そして建前と現実といった恒久的な問題をうまく絡ませた作品として仕上がっている。こういった問題提議の仕方は他作品でも見られるが、テンポの良い作品性とのバランス感にはつくづく感心してしまう。。
しかし、今回のこの天城は強烈だった!ここまで見事に医師として天才的な腕を持ちつつ、更には資金調達から行政へのアプローチまでこなす経営手腕と行動力を有するキャラクターは反則じゃないだろうか…
こんなのをぶつけられたんじゃ、流石の高階もキツくて当然かと。。。。
…まぁ、その位の経験を経たからこそ、今の「高階院長」が存在するのだろうが。。。
経験値と言えば、「極北クレイマー」で感じた世良への違和感も、その変化の背景に天城の存在があった事が分かって少し納得できてきた。
桜宮サーガ的な観点から興味をそそられたのは、これだけインパクトのある天城の姿がその後のシリーズでは未だに描かれていないところだろう。
少なくとも、現代の物語である「白鳥・田口シリーズ」等での桜宮市には心臓外科専門医療機関なるものの存在は触れられていない。
つまり、天城が進めるスリジエ・ハートセンターの設立を含め、その道筋が思惑通りにはいかないことを暗示している訳で、天城が唱える医療機関の有り方に対して何が立ちはだかるのだろうか?
そして、その時に高階と天城との直接対決はあるのだろうか??
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2012/5/15 Amazonより届く。
2021/9/21〜9/25
ブラックペアンに次ぐシリーズ第2作。天才的な心臓外科医天城雪彦が東城大学医学部附属病院をひっかき回す。招聘した佐伯教授の心意は如何に?両者の間で戸惑う世良。シリーズ第3作スリジエセンターが今から楽しみ。
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寝ぼけ眼で夜中に読んだから細部をあまり理解できてないのかもしれないけれど…。
一読しての印象は「で、どうなったの?」でした。
まぁ、前作やその他作品に出てきていた登場人物がパラパラ出てきたので、出てくるたびにニヤリとしたものですが。
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面白くない訳じゃないのだけど、何か違う気がする進み方でそれが解消されなかったなぁ
冒頭も入り難かったし、世良が最期まで迷っているのをみるとこの巻は完結してないんだと強く思って不満足感が残る
今回はミステリーではない
桜宮サーガの一部分であることは、確かな彩りがあったので良しとして次を楽しみにしよう
ブラックペアンが星4なのでこれは3で
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その題名から"ブライトメス・高階"の物語かと思ったら、違いました。
キーとなるのは"聖なる守銭奴・天城医師"、その名の示すとおりに"カネ"を優先させる人物。
個人的には、"医龍"の鬼頭と朝田の癖のあるところを足して二で割ったような印象です。
どちらも"須磨先生"の系譜に連なると思えば、それもまた納得ですが、、閑話休題。
さてその天城医師、手段は違えど目指すところは高階先生や佐伯教授と同じ。
されどその違いに、どこか破局の香りを纏わせながら、それでも闊達に駆けていきます。
そのテンポ、ロジックの流れの快適さ相変わらずに、引きこまれました。
- 新たなるステージに導いた破境者と名づけたい
著者海堂さんの思いは文中にも出てくる「破境者」との言葉に集約されているかと、
旧い体制を壊しながら"新しいコト"を始めることが、如何に大変なことか。
ん、次の物語にて、"サクラ"の苗木は桜宮の大地に立てるのかどうか、
救急という名の萌芽をも包んでいるだけに、結実の内容が楽しみです。
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待ちに待った久しぶりの海堂作品文庫化。
壮大な「桜宮サーガ」の一端がまたひとつ語られ、次はどこに繋がるのだろうと期待が高まる。
『ブラックペアン』でデビューし、『極北クレイマー』で再登場(文庫では)するまでに、世良は天城雪彦という重要な人物に出会い、影響を受ける。
このあと、世良がどのような経緯で、病院を再生させるのか(させないのか?)、早く『極北ラプソディ』を読みたい。
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世良シリーズ。久々の。新たな医師天城の存在でこれから世良がどう変わってくのか。なんであんなにドライに変わっていったのか、きっかけを感じる内容やった。
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海堂さんのシリーズ、やはり楽しく読めた。医療用語は分からないけど、いろんな展開があって、先を読みたいと思わせる構成になってます。
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スピード感が素晴らしく、一日で一気読みした。海堂尊の医療モノはやっぱりめちゃくちゃにおもしろい。完璧で崇高な論理が素晴らしいし、その上で破滅的な天城というキャラクターがこの上なく魅力的。痛快なのに寂しい。もう一度バチスタから読み返したくなった。
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ブラックペアン1988もそうだったけど、何気にゲーム業界に通づるものがある気がするんだよなぁ...。
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前作より登場人物が濃い。
相変わらず作者の主張は明確だが、その象徴としての主人公はどんどん濃いキャラクターになっていく。
初期から登場しているキャラクターは、そのうち普通の人になってしまうのでは!?
まあ、期待通り面白かったんで、シリーズの次作を楽しみに待ちます。