収録作品全て既読で、自分の持っている他の本で読めることもありこれまで買っていなかったけれど、やっぱり欲しくなり、「眉村卓コレクション異世界篇 I ぬばたまの・・・」を遅ればせながら買った。
「ぬばたまの・・・」は、講談社文庫版で読んだ時は、終わり方がどうもすっきりしない感じがしていたけれど、今回読み返してみると、主人公が主体的に生きるという変容から、こんな終わり方もありかなと思うようになった。
「名残りの雪」は、私がもっとも好きな眉村作品の1つです。パラレルワールドものの最高傑作だと思っています。私は中高生の頃、受験勉強の合間に角川文庫版を何度も読み返していました。収録作品雑記にありますように、2012年もしくは現在に、眉村さんが改めて作品の中で現在の日本を描写し直すとしたら、どんな表現になっていたのだろうと思う。すでにそれは、もう不可能なのですが。