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紙の本
幻想の中にある日常
2015/09/17 15:14
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
エスニカ学園「もっと学園生活を豊かにする善男善女の会(=も女会)」部は、理事長の孫である千種エスニカが部長を務める、青春を謳歌するための部活だ。しかし部員たちは、青春を謳歌できるほど友達がいない。実験厨の大洞繭、引きこもりストーカーの丸瀬市雛子、金的女王の須唐座有理、見た目が女子の花輪廻、そして口の悪い美人の十和田愛、いずれをとっても一筋縄ではいかない人々であり、その迷惑ぶりに、生徒たちはも女会を敬遠している。
今回、ちだね先輩がぶちあげるのは卒業イベント。とはいえ、卒業する三年生に協力してくれる知り合いはいないので、ちだねを仮想卒業生として、他のメンバーが送りだすという趣向だ。
そのイベントはそれなりに楽しく幕が下りることになるのだが、夕方から荒れ狂う吹雪が学校を孤立させ、何故か人生の幕が下りる恐怖イベントが発生することになる。
アッパーグラスの存在により引き起こされる、またしても不適切な日常。なぜ死んだはずの愛が部員として存在しているのか、誰が過去を改変し様としているのか、その謎は女子部員たちを恐怖のどん底に落とし込んでいき、リンネに選択と贖罪を迫ることになる。
思ったよりもラブコメよりファンタジーの割合が多めで構成されて来た。しかしそのファンタジーの根底にあるのは、妄執とも呼ぶべき人の想念であり、そこまで含めれば、ラブサイコとも言うべきジャンルなのかもしれない。
相手がルールを抑えているという意味で、圧倒的に不利な状況で勝負に勝ち目を見出さなければならないリンネの、弱さを知る者の特権を利用した最後の反撃に期待しつつ、素直に生きられない不器用さ示す少女の姿を愛でてほしい。
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