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詩人・アーサー・ビナード氏に聞く。
Q:昆虫少年を育てる試みや活動についてどう思いますか。
A:世界中の生物の中で、昆虫が一番すごい力をひめているんだよね。人間は自分たちが世界を支配しているつもりでいるんだけど、本当に偉いのは、最も多様性に富んでいる、昆虫だ。地球のことをいろいろ教えてくれるし、こっちが環境を壊さない生活をしようと思ったら、昆虫との付き合い方がとても大事になる。昆虫少年と昆虫少女を多く育てることは、持続可能な農業や産業につながっていく可能性もある。だから、昆虫採集を単純に楽しむのはもちろんいいけど、それだけじゃなく、より高い次元での「昆虫教育」が大事になると思うね。
Q:国難に直面した日本で、昆虫少年の存在意義はありますか?
A:昆虫少年の存在意義がこれからの日本では大きく変わってくる。放射能汚染という最も手ごわい問題に立ち向かう時は、昆虫の力を借りることが必要になる。昆虫を観察することで、この狭い列島でどう生きていけるか、その知恵が見えてくる。昆虫はうるさい存在だと思っている人も少なからずいるけど、これからはもっと生き物同士の協力体制を築くことが重要になるはず。昆虫嫌いな人もちょっとばかり我慢して協力してほしい。ミツバチが全滅したら大変でしょう。必死になって守らなければならない生き物がまだまだたくさんいる。日本の将来は昆虫少年と昆虫少女の双肩にかかっているといっても過言でないと、ぼくは本気でそう思っているんだよ。