電子書籍
受け攻めともにキャラがたってる作品
2016/02/28 17:12
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:沢田 - この投稿者のレビュー一覧を見る
バツイチ政治部新聞記者×ひっそり系国会速記者。
一穂さんの書く職種の豊かさにも驚きますが、発言をそのまま切り取る速記者と言葉には現れない受けの感情が、
良い感じに相反してストーリーに絡んでて、かなり楽しく読めました。
前作がリアルに即した文学小説なら、こっちは起承転結がはっきりしたBL小説で、
ハッピーエンドも明確でとても好みでした。とはいってもやっぱり一穂ミチ、文章構成や言葉の表現にうぉぉ!素敵!って感動します。
新聞社で一番好きです。
紙の本
職業物BLの金字塔
2015/09/12 15:00
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hike - この投稿者のレビュー一覧を見る
素晴らしいの一言に尽きる。ページを繰る手間も惜しいほど続きが気になり、読み応えがあった。劇中に登場する老人は、物語の鍵になるだろうとにらんでいたが、案の定。後半で主人公が面会する女性が格好良かった。職業物BLの金字塔である。ほとんど知られていない国会速記者という職業が分かりやすく描かれ、己の愚かさを自覚した新聞記者という人物も説得力がある。ずっと手元に置いておきたい一冊。
紙の本
仕事と恋と
2022/03/25 05:47
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり
新聞社シリーズの3
作者さんの作品読みたいと思った時に
最初の方で目についた作品。
シリーズものの一部とは知らなかったのですが
実はシリーズの1・2より先にこれが気になってました。
(その後シリーズと知って順番に読みましたが)
国会速記者の碧と
新聞記者の西口
西口はoff you goにちらりと出てきて印象的だったですが
こうして流れてくるのねって感じです。
佐伯と静も登場して。
(佐伯はこのくらいの登場だと毒もいい感じかと)
最初に自分の糸に引っかかってきただけあって
3作の中で一番しっくりとする二人でした。
誤解から始まる強固な嘘に嵌まってしまいながら
二人がお互いに引き寄せられている具合のしっとりさ加減が好きです。
その中で碧の祖父母のこととか
大磯のご隠居のこととか絶妙に描かれていました。
そして、わりと心を抉ってきたのは女性陣
西口の元妻もすみれさんも
男社会で仕事をしていくこと
恋をすること
自分の中に色々とぐっとくるものがあって
こういう女性たちがこういう作品にいることも
この作品の厚みになっているのだと思います。
☆4.5
電子書籍
何度も読んでしまう本
2021/04/08 14:42
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:KoLe - この投稿者のレビュー一覧を見る
一昔前の作品ですが色褪せることなく、読むたびに好きになるる作品です。速記者という仕事はもうないのかもしれませんが、小さい頃の雑誌で速記の通信講座の広告とかあったなあと思い出しました。
速記者と新聞記者の年の差カプでお互いノンケからのスタートです。成り行きもとりまく舞台も興味津々だし、一穂先生のさすがな言葉の使い方が沁みます。いつの間にかすんなりくっついていて、引っ掛かるところがなかったです。
脇で出てくる佐伯と静の話も既読なので余計楽しめました。新聞社シリーズはテレビ局シリーズ(?)に比べるととても地味なんだけどものすごく好きです。おすすめです。
電子書籍
非常に読み応えのあるBL
2023/01/31 18:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:どうしても積んでる - この投稿者のレビュー一覧を見る
BL小説の読書歴が浅いので、失礼ながら「こんなにも読み応えのあるBLがあるんだ!」と読みながら驚きました。
とにかく碧と西口のキャラクター造形がしっかりしています。
速記者や記者という仕事も上手く彼らの性格や関係性に絡んでいて、夢中で読みました。
歳が大分離れた二人だけど、性格が正反対だからこそ惹かれ合ったのだろうな。
個人的には碧の性格に共感できる部分が多く、BLとは関係なく線を引きたくなる箇所がたくさんありました。
一穂ミチ先生が書く文章のファンになりそうです。
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なんでこうも一穂さんのお話は私のストライクゾーンど真ん中をくるんだろう、というくらい読んでいて大好き!となるくらい良かったです。
メインの2人だけではなくて、途中に挟まれるその他の人物の生き方というか、その人の人生に関わるお話が私はぐっときました。
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国会速記者の碧(へき)の仕事は、耳をそばだて議員の発言を一字一句逃さずに書き留めること。自分の気配を消し、耳と目と手と頭だけを働かせる。
そんな碧が書き留めたいと思う声の持ち主がいる。
明光新聞社政治部記者の西口だ。
美声ではないけど、滑舌がよく、センテンスの区切りが明瞭。がさつな印象だが、不思議と下品ではない。後輩にも慕われ、よく下世話な話に興じている。最初に気になったのは声だけだけれど、次第にその人となりに興味を持つようになる。
ちょっとしたきっかけで言葉を交わすようになったふたり。
碧と同様に、西口の方でも
物静かで地味だけど、楚々とした碧に好奇心を抱いていた。
そのまっとう過ぎるほどまっとうで、何事もスルーしない性格。聞き上手で、情が深く、知らぬ間にスルッと入ってしまうような懐の深さ。
いつしか惹かれあうようになる。
このふたり、静と動というか、われ鍋にとじ蓋というか、お互いにないものを補えるようないい関係だと思う。18才もの年齢差を全然感じさせない。碧が老成してて…ww
西口は、碧が最初に思っていたよりも、ずっとナイーブでプライドが高くて、でも少し臆病で、ズルくて、大人って面倒くさいなって思う。
プライドとか矜持とかしがらみとか未練とか。色々あるんだなって。
大人だから、愛とか恋とかばっかり言ってられない。
でも、大人だって、やっぱり恋をするんだ。ただネズミ花火みたいにクルクル跳ね回れないだけで。
キラキラした高校生カップルみたいな、目がつぶれそうな眩しさはないけど、静かに胸をキュッと捕まれるような、そんな恋もいいかも。
一穂さん作品の中でも、これが大好きとは言わないけど、『Off you go』の空気を踏襲するような大人の難しさみたいのは悪くなかった。
でも、萌えとかトキメキとかキュンはなかった気もする。
ところどころ、小技はきかせていたのだと思うけど、攻も受も個人的にいまいちストライクゾーンじゃないので、心に響かなかったのかな。
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『off you go』のスピンオフ。政治記者×国会速記者。
男性には痛いだろうと思う。ぐさぐさーっと。西口ののりは傷つきやすさの裏返し。
ほとんど仕事の話なのに面白い。会話のリズム!
色々とタイムリーで…生々しい政局や黒子…自らを黒子だと碧が言うから ほんとに 黒子っちで読んだ。大人しいのに言うことは言う。
同期の佐伯と静と対称的な女性二人と面白いご隠居さん。登場人物が生きていて…ちょっと生々しい。佐伯の毒舌 絶好調!
萌えどころは…?… 面白いからいいでしょう。
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久しぶりに一穂ミチを読んだ。やっぱり上手いと思う。また、恋愛小説としてすごく上手いと思う。以前は何かしゃちほこばった所が気になって、読後に手放しで愉しめた感がなかったのだが、これは愉しかった。この1年分位の作品を読んでいないので、空白を埋めたくなった。
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ちょっと設定に背伸びを感じたかな~、と思った。
一穂さん、ここんところ、キャラクターの設定に幅を持たせるためか、色んな職業のひとが出てくるな~と思っている。そして、それを書くためにすごく取材とかもされてるんだな~とは思うのですが。
そんなにキャラ設定、凝り過ぎなくても、同じような話が書けちゃうんじゃないかな、というのが正直なところ。ここ数作で感じてしまう。
それだったら、もっともっと、ごく普通でいい。
……と、国会の速記に知り合いを持つ身としては思ってしまった。
まあ、目立たない、目立ってはいけない、みたいなのはおもしろいとは思いますけどね。そういうキャラの話なわけですし。だけど、なんか…違うんだよな。
もっと、はじめから一穂さんに近い設定の話の方が、確実におもしろいのでそう思いました。
でも、最後までちゃんと読ませる。それは一穂先生の力だと思います。なんだかんだいっても、ちゃんと好きです。
でも、もっとねちっこいのが読みたいですよ~、先生!ちょっとここんところ爽やかすぎますw
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久々にBLを。初めて読んだ作家さん。速記者と新聞社記者という組み合わせが面白い。一応エロいシーンはあるけどあまりエロありきという感じではない。でもドキドキした。仕事ぶりや人間関係の描写に意外なほどのめり込んでしまった。
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西口、佐伯、良時の三人の会話が楽しかった。人の悪い佐伯が特に。
この話で速記ってすごいなぁ、と勉強になりました。
出でくる人物、全てに意味があるんだなぁと楽しかったです。
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政治部新聞記者×国会速記者
特殊な文字を用いて、十分間に4000字というスピードで、ほとんど正確に国会の答弁を表記する。何より速記者という職業に萌えました。
速記、あるいはそれを仕事にする人がいることは知っていたけど、恥ずかしながらその速記者の手法までは知らなかったので、国会で黒子に徹する碧がとにかくかっこよく見えた。そしてそんな速記者の碧が書き留めたいと思う声がある。最序盤だけどこのあたりの、ただ耳を澄まして西口の声を聴く碧の描写にときめきました。たとえその西口の話す内容がAVのことであれ。
一穂さんは初めて読んだけど、文章が上手かったので他の作品も読んでみようかなという気になった。西口と碧が距離を縮めていくさまも丁寧でとても良かったと思う。ただ、最後の最後でエロシーンがどうしても唐突な感じがしてちょっと笑ってしまった。枚数上限に無理矢理エロぶっこみました感が。これだったらエロないほうがいいなって思うくらい。もしくはもうちょっとページ数増やして、無理のない展開でエロにもっていくとかしてほしかったなあ。ていうか最近BLにエロ無くてもいいやって思ってるので個人的にそう思うだけかもしれません。
これだけ文章の巧みな作家さんなので、国会を舞台にした比較的特殊な職業モノではなく、学生とか普通のリーマンとかもっとド直球のものが読んでみたい。
あ、それからサブカプと呼んでいいのかわからないけど城崎誠士郎と杣友弘之の二人が気になった。「……その時から人生は狂った」だの、一人で行かせたことを後悔している、だの。当時の二人のことが知りたくなったし杣友さんのその後も気になってしまった。
オースターの『ムーン・パレス』は是非読みたい。
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ここまで一穂さんの作品読み続けてきて、漸くビビっと感発動。
相変わらずの特殊職業設定に辟易したものの、もうこの蘊蓄は
読み流してしまおう、と思ったら内容に集中できました。
40過ぎのバツイチ草臥れたオッサンと地味青年の淡い恋
という感じです。青石さんの温度感低めなイラストが絶妙に
マッチしており、何より私の好みの『一重受け』
美形や美人の象徴である二重設定よりも、この涼しげな一重が
大好物の私としましては、それだけで高ポイント。
内容としましても淡々とした中に暖かさがあって、なによりも
受の祖父母のエピソードに涙腺刺激される……。
恋愛面は相変わらず唐突ななだれ込み桃色で、その辺について
だけはガッカリ感が半端無いですが、あのシーンは桃色じゃなくて
ちゃんとごはんを食べて欲しかったです。萎えました。
正直一穂さんの桃色ってBL小説の中ではちょっと……という
感じなので、いっそ朝チュンでいいのに、と思ってしまいます。
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とても好き。あまりない職業で、話も感情の流れも自然だった。その上でキュンとする部分あり。文章力もあり、綺麗で安心。