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丸山真男の「日本の思想」(1961年発刊)を元に、当時の状況、または制度を海外から輸入した概念を使って、日本の現代の問題について言及した本である。
元々は、紀伊国屋で行ったトークセッションを書籍化したもので、丸山眞男の日本の思想とは書いてあるが、周辺の哲学・思想を使って、現代の問題の裏にある思想などを紹介している面が強い。
著者が書いている、現代の問題を教養で再定義し、理解しようとする面が強い。個人的には、丸山眞男の思想と教養主義の復権という印象をもった。
6回の講義で、6つのテーマによって書かれている。それぞれの有名な思想は書いてあるが、それらを簡単に理解し、本書を読むと現実問題の応用編的に読めるのではないかと思う。実際のトークセッションの雰囲気を生かすために文章も会話調であるので、わかりやすいとは思った。
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社会環境的にも仕事上的にも、日本の思想を読み直すかなあ、と思っていたところで、たまたま書店で見つけた一冊。正月休みに頑張って読みました。
著者の方は存じ上げなかったのですが、解説本としては、素晴らしいレベルなのではないかと思います。とても理解しやすかった!久しぶりにアンダーラインを引きながら読みました(^^)
また、改めて丸山真男さんの論旨の切れと文章の明晰さに感動しました。
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読み直したさ:★★☆
分かりやすい。『日本の思想』を読み返すときに分からない箇所があれば再び参照したい。
小坂井『責任という虚構』,キャス・サンスティンあたりが気になる。
〈感想〉
仲正さんの本を幾らか読んできたおかげか,分かりやすく,容易に読み通せた。最近の自分の学習は悪い意味で「日本の思想」的であるな,と感じた。気を付けたいが,この点に気を配ると厖大な勉強が必要になりそうだ。歯を食いしばってやるしかないのだろう……。
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著者が6回にわたっておこなった講義をまとめた本です。
丸山眞男の『日本の思想』(岩波新書)を中心に、丸山の日本論について解説をおこなうとともに、現代の日本で無責任な言説をふりまいている左派の文化人たちや、著者自身がたびたび迷惑をこうむっているというネット論壇に巣くう者たちの生態についても、皮肉をまじえながら丸山の見ようとしていた問題とからめて議論がなされています。
サブタイトルになっている「ネット時代に丸山眞男を熟読する」ということばが、本書の特色をよく示しているように思います。著者自身「前書き」で「丸山を文字通り真面目に学びたい人には、あまり面白くないかもしれない」と述べているように、著者の余談めいた議論に興味がない読者にとっては期待外れに終わるかもしれません。ただ、丸山の『日本の思想』を現代のアクチュアルな問題と過去の思想史との結節点としてとらえ、その両方向に伸びていく道を展望できるという意味で、個人的にはおもしろく読むことができました。
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丸山の「日本の思想」に現れるいろいろな表明を、その視点や背景と絡めてわかりやすく講義してくれている(ようだ)。
前半は面白かったのが、後半は、丸山のテクスト自体も密度が下がるパートとなるためか、仲正の話も脱線がちで、『「日本の思想」講義』というのと少し違うかな?という印象。
また、副題の「ネット時代に」という言葉が何のことかな?と思ったが、ネットの厚みが増えて「イメージ」の領域が増殖する現下において・・という絡みでテクストと相関するくらいなので、「今現在において」丸山を読み返すということの意味づけは希薄。
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何となく「戦後民主主義」が気になっていて、ガラにもなく、お勉強のつもりで読み始めた。「日本の思想」は、ぼくたちの世代にとっては岩波新書の定番で、今40代くらいの世代の方には教科書の定番「であることとすること」の親本だ。
仲正先生は、おそらく教科書の定番とお出会いになった世代の方だが、なんとなく突き放した対象として読まれていることが、ぼくには心地よかった。
それにしても「戦後民主主義」はほろんだのだろうか?そんな感慨が繰り返し思い浮かぶ「お勉強」だった。
ブログにも感想を書きました。覗いていただければ嬉しい。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202104030000/
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学部生の頃、日本の思想を読んでなんとなく自己満足していたけど、この本を読んで全く理解できていなかったことがわかった。無責任の構造、タコツボ化、であるとするなど、ポイントを改めて学べた。また、随所に出てくる大学への指摘はいちいちもっともだと感じた。