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紙の本
タイトル通りのような本
2018/08/11 20:03
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たまがわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一九三二年ドイツ生まれで、日本に長年住む著者が選んだ言葉と、それについてのエッセイ集。
聖書からの言葉や、ドイツのことわざや哲学者や作家の言葉、著者自身の言葉まで色々。
第一章……苦しみ
第二章……光
第三章……愛
第四章……勇気
第五章……受容
第六章……死
第七章……希望
第八章……今を生きる
著者は上智大学名誉教授で、専門が死生学のため、ホスピスに関する話題などが多い。
また、著者の子供のころの戦時中の体験話もいくつかあり、印象的。
著者の人柄か、職業柄か、文章から受ける印象が、とても穏やかであたたかく、心を落ち着かせてくれる。
「心を癒す言葉の花束」というこのタイトルは、それほど大げさでもない。
本当にそんな感じで、派手な大きな花束というよりも、小さくて美しい花の数々…。
以下、本文より…。
『 苦しみは、人格的な成熟へのおおきなきっかけとなります。
苦しみを体験することによって、以前には思いも及ばなかった
人生の複雑な側面に気づき、より豊かな人間に成長できるのです。』
『 人生には、どうしようもない困難がつきもので、私たちに選択の余地はありません。
けれども、起きてしまった苦しみにどう対応するかは、ある程度自分で選択することができます。』
『そんな暗い体験の中、父と母から貴重なアドバイスをもらいます。
「暗闇の中でも、小さくてもいいから、光を探しなさい。」
暗闇の世界にも必ず光はある。
すべてがつらく絶望的にしか見えないような状況でも、
何かしら希望を見出す努力をしなさい、という教えです。
苦悩に対する、安易な解決法や特効薬などはありません。
苦しみの渦中にあるとき、たとえわずかでもその人にできることがあるとすれば、
それは、闇の中でも光を探し求め、行動に出る、ということでしょう。』
紙の本
読むたびに違う気づきがある!!今回は「時間の使い方」に着目。
2023/04/15 13:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:向井史 - この投稿者のレビュー一覧を見る
たまたま著者のことが紹介されている新聞記事を読み、著者に関心を持って調べてみたところこの本を知り、軽い気持ちで読んでみました(初めて読んだのは、コロナ禍の前で、最近久しぶりに改めて読み返してみました)。著者は、上智大学で「死生学」を教えておられた方です。
私は、小学校高学年のときに母親を亡くすという経験をしているため、思春期の頃から「死」について常々自分なりに考えて過ごしながら今に至ります。
初めて読んだ際に、マーカーで線を引いたり、付箋を貼ったりしながら読んでいたのですが、今回改めて4年ぶり位に読み返してみると、印のついていない箇所にも多々目に留まり、この本は、東日本大震災のすぐ後に書かれたものだという時代的な背景も印象に残りました。
今回読み返してみて、もっとも着目したのは、「第五章 受容」の「◆時間の使い方の再考法」というコラムのような箇所です。タイムマネジメントに関する本は、たくさんあふれていると思いますが、そのような本を1冊読み通すのは大変だという方もおられるだろうと感じますので、そういった方々にとてもおすすめな箇所です。この部分では、文字通り、自らの日頃の時間の使い方を振り返り見直すのに役立つ方法が簡潔に書かれています。著者の手引きに従って私も自分の時間の使い方や、「人生で大切だと思うこと」について考えたり書き出してみました。その結果、私は、健康の中でも、特に“精神の”健康を重要だと考えているということが浮き彫りになりました。また、仕事とその他のことのバランスを取りたい、であるとか、生活の質を大事に考えて過ごしたい...と思っているということにも気づかされました。5,10分もあれば取り組める作業だと思いますので、関心のある方は、是非このコラムをご活用くださいませ。
“読むたびに違う気づきがある”、とレビューのタイトルに記したように、この本は、1度読んでみてからしばらく経ってから改めて読み返すというのもおすすめです。
著者が「死生学」を教えておられたということで、身近な方を亡くされた方、死期がせまっている方、介護中の方など日常生活でケアをされている方...などにもとてもおすすめしたい本です。
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