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紙の本

宗教による共産主義。

2021/10/09 18:00

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:L療法 - この投稿者のレビュー一覧を見る

カナダのキリスト教徒にして文学研究・批評家の本。
キリスト教系の出版社から翻訳されている。
史実としてのキリストは、別のところにおいて、聖書の意味を掘り下げていく。
邦題の「言語」は、「言葉」と訳すべきだったのではないか?

作者は、敬虔なキリスト教徒であり、牧師の資格も持つが、地上のキリスト教のあり方について、過去の悪行については、きちんと、時にユーモアを交えて批判もしている。
奇跡については、心理的な、しかし、体験もしくは、悟りのような認識の変換とみなしているようだが、それは、本題とは違うようである。

本書は作者の最後の本であり、死後に刊行された。
執筆は1990年、日本は衣食住の比較的足りた例外的地域として名前を挙げられているが、日本に限らず今日の凋落を、想定していたような文章があり、鋭い視点に驚く。
ちなみに、日本には古い形式の宗教が残っているとのこと。

全体を単純に言えば、修行を怠るなとの、宗教的メッセージである。
しかしそれは、妄信であってはならない。
世俗の言葉でいえば、意識的に学び続けろということのようである。
機械的反復ではなく、欲望や、村の掟ではなく、広い視点からの批評的態度を持ち続けること。
これは作者の人生の総括のようでもある。

聖書についての本であるが、社会や世界に対する分析も宗教に結びつく形で行われており、鋭利である。
文明化しないこと、知に背を向けること。
作者はキリスト教徒ではあるが、保守的な退行については手厳しい。
原理主義的な手合いについては批判的である。
聖書の成立過程についても、公平であるように思う。
合理主義とことわりを分けて考え、不合理にも意味を見出す本であるが、人は楽園=理想化された幼児期に向かうべきではないとして、過去を捏造し、現在から目を背ける行いを、批判している。

日本や、アメリカ(衣食住の足りて、自由の探求ができたはずの世界)、そのほかの国々が、現在野蛮な形態に変容していることを、作者は予見していたようでもある。
それは部族の夢として、交流の乏しき時代には有効であった手段の、理想化がもたらしたものだと思われる。
実在しない成功体験の物語。
国家は、血縁共同体でも、地縁だけによるものでもなく、利益の共同体ですらなく、より良き有様を目指すための一時的な装置であるべきなのではないか。
多分、愚かさに転がり落ちやすき国家の解消が、神の国につながる道筋にある。
宗教による共産主義。

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2020/06/11 17:22

投稿元:ブクログ

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