紙の本
日本一のニート その知性と行動力
2012/10/08 09:56
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Fukusuke55 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者phaさんの「知性」にうなりました。
たとえ金銭的には少々苦しくとも、新しい生き方の世界をたんたんと歩いていけるだけの「知的資本」がphaさんにはあります。
読み進めながらまず頭に浮かんだのが、夏目漱石の小説に出てくる「高等遊民」ですね。帝大を出て、定職に付かず、親の恒産で生活を支え、いつも「人生とは・・・」と真剣に考え悩んでいる人たち。phaさんは、その親の恒産があるかないかの違いだけで、いうなれば「知的都市遊民」なのではないかと。
読み終わって、私の中では漱石の「高等遊民」との違いが明らかに。
phaさんはタイトルの「歩き方」が示している通り、ただただ内省だけしているのではなく、自らの意思で行動を起こしています。
同時に、漱石の「高等遊民」たちが模索し続けてきた「人生の意味」というものに対して、「悩んでいてもしょうがない。人生には意味ってないし」。と、割り切りとも諦観とも言える姿勢で臨んでいるということ。
本書は決して「ニートになれ」なんて煽っているわけでもないし、自身のニート自慢をしているわけでもない。
「だるい」とか「めんどくさい」なんてことを口にすることは、自らを怠け者と言明するようで、決していい大人が人前で言ってはいけないことだという暗黙のルールに疑問を呈し、「だるい」なら「だるい」と意思表示した方がいい、そして、それらの意思表明した人、ニートな生き方を選択した人たちに対して、批判的態度ではなく共存する姿勢で臨もうよ・・・というのがメッセージかなと。
現在ニートな人たち、もしくはニート予備軍の人たちに対しても、懇切丁寧に語りかけており、「ニートは本を読もう」、「きちんと自炊(注;調理する方の自炊です)しよう」・・・等々、やさしいアニキの生活ガイドの側面だったり、さらに大げさに言えばニート道の理念の伝承という側面もあったり・・・です。
ギーク・ハウスの意義、そしてphaさんやphaさんの仲間たち(=d文化の継承者)の「これから」をじっくり見守りたいです。
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生き方のいちばん大切な部分が書かれているように思う。
2020/12/16 21:57
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
たとえば、今、シゴトの壁にぶち当たっていてにっちもさっちも行かないとか。どうも職場の環境に自分が適応できていない気がするだとか。時節柄、就活がまったくうまくいっていないとか。せっかく就職が決まったと思ったら、ブラック企業に就職してしまったが抜け出せないetc。とにかくこの現代ではうまく生きられないと思っているなら読んだらいい一冊かと思う。
本書は、ニート的ライフスタイルを指南しつつ、「誰もがゆったり生きやすい社会を作るにはどうすればいいんだろうか」について淡々と述べている。そして、その方法のひとつとして、積極的な求職活動なんてのはしない、もう雇われないで必要最低限のお金を稼ぐにとどめ、あとは自分と趣味や価値観のあう仲間を作ってゆるゆるやってゆく。
貧乏だし、世間体を意識したらちょっと...な生き方かもしれないが、そんなことは気にしない。そうゆう生き方のほうがある意味ココロは豊かだし、かえって幸せかもよ。
...みたいなことが書かれている。
読者は、そうゆう人生の選択肢を否定しないで、できるならば、自分の選択肢のひとつにとっておこうというスタンスで読み込むことで、まずは、すこしホッとできるのではないかと思えるのだ。
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共感できるものがかなりある
2016/04/20 19:01
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投稿者:よしくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
シェアハウスのようなところで暮らしているphaさんのエッセイのような本です。
たしかに一流企業に入ってあくせく働くのと、ニートのような生活をするのとでは、大きく違いますが、このphaさんの考え方もかなり核心をついているものがいろいろあり、参考になりました。
わたしは理由があって今、職に就けずにいますが、この本で元気づけられました。
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これも生き方の一つだろう
2015/10/17 19:02
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投稿者:ぜんこう - この投稿者のレビュー一覧を見る
社会の片隅で静かに生きて行きたいと考えている方に、選択肢の一つを与えてくれるかと。ただ、著者が学歴エリートでなかったら本にできたか分からない内容だとも言える。
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ギークハウス発起人のかたが書いた「新しい働きかた」の本。題名のような古典的なニートのための本ではないと思う。大企業の正社員であっても、何の保証もない現在、正直言って、多くの人たちとゆるく繋がって、何かしていく・生きていくという働きかたはありだと、本書を読んで感じた。作者のいう「日本社会はもっと寛容で多様であったほうがいい。他人にも自分にももっと寛容であるべき」という主張には強く賛同したい。たぶんこれからの世の中、そうでないと生きていけない。古い盟約は崩壊しつつあるから。
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自分の入った学生寮と同じ。自分もぐうたら麻雀生活してたなあ。
ギークハウスは田舎では成立しないもんか。
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ニートとしての生き方や生態系について書かれてあり、これもある意味たくましく、ずぶとく生きてるんだなー、と感じた。
そんな人生経験や京大卒で読書家であるところから、知見の広さというか引き出しや持論もしっかりと持っていてそれらが滲み出ている部分や、ニートの生態系から社会全体の生態というか回り方について展開していく後半は読んでて興味深かった。ある書評で作者はバランス型の思考の持ち主だと言われていたのが頷ける。
仕事や自分の生き方に、窮屈さや息苦しさ、後ろめたさを感じている人は、共感できたりこういう考え方もあるのかと肩の荷が降りるかもしれません。
ただ、頑固でストイックな人、熱量溢れる人が読むと前書きの途中で破り捨ててしまうかも(
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読んだら働きたくなくなるかな、と危惧してたけど、実際には逆にニートな人にゆるい支援ができればいいな、という思いを抱いた。
「一家に一人、ニートを置こう」という主張はすごく面白い。生活に余裕のある人はそこそこいるのだし、そういう人が無理しない範囲で働かない人を助けるシステム、というのはもっと真面目に検討されてもいい。
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ギークハウス高円寺のキッチンのテーブルに無造作に置かれていたこの本を読み終わりました。普段通りのphaさんって感じで面白かった。
普段からphaさんのブログを読んでいたり、phaさんのやり方や生活を観測出来る位置にいるので書いてある内容はいつも通りのphaさんって感じですかね。ある程度はこのphaさんの考え方に共感出来たのでこのギークハウスに住んでいる。
書籍紹介もモリモリしてあるので興味が出たものがあったら読んでいきたいな。
やりたい奴がやりたいことしてれば良いじゃん。
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あちこちで結構話題になっていたように思えたのと、ちきりん氏が推薦してたのと、なんとなく気になって購入。
これは結構賛否分かれる本だろうなぁ。猛反発する人間もいるだろうし、物凄く納得する人、同意する人もいるだろうし。僕は共感・同意したタイプ。
この本を読んで強く感じたのは、「好きな事をやって生活することを諦める必要はない」ってことかな。
十年以上前は、それこそ好きな事をやって金を稼ぐ人間って、ごくごく一部。大成功を収めた人か、赤貧生活を続けるかのどちらかしかなかった。
それが、現在は好きな事をやって稼ぐハードルが、物凄く下がったんだと思うのよ。インターネットのお陰で。あと社会構造の変化、ってのも多少はあるかな。
昔は好きなコトってのは、マスに訴えるものでしか稼ぐことができなかったし、マスに訴える=大当たりか大外れかの博打にしかなってなかったんだよね。だから誰もが大学を目指し、一流企業や公務員を目指した。それが一番外れにくい博打だったから。
でも現在は、自分が生活する程度の金であれば、好きな事をやって小銭を稼ぐことができるような仕組みがたくさんできてきた。
この「小銭を稼ぐこと」ってのが非常に重要で、本書にも出てくるが「日本人全員から1円を集めると1億になる」がインターネットで出来るようになってるんだよね。それは、今までではとても金にできなかったニッチな領域も、生活するための費用を稼ぐだけの魅力的な市場に変わってきている、ということ。
今まではコストやその他を考えてお金にならなかったものが、どんどんお金に変えていくことができる。これが好きな事をやって生活することのハードルを思い切り押し下げている。
これは、ニートだどうだ、という話ではなく、今後の働き方、仕事のあり方ってのを示唆する一冊なんじゃないかな、と思ってたりする。
途中で「ニートとして生活するためにこんなものを用意しましょう」ってのがあるけど、この部分は不要やなぁ。。ここを著者の考えやら意見やらにしてくれたほうがもっと良かったと思うんだけどね。まあ、僕も使ってるAtermのWM3500Rの写真が出てきたのは、少し笑ったが。
できるだけ多くの人が手にとって読んでみるべき本じゃないかと思う。特にいまの仕事や働き方、会社に対して少しでも疑問を持っている人や、全く疑問を持たずに働いている人に対して。
って、会社勤めの人全員やんか。
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そもそも我が国において「ニート」とは、15歳から34歳の、雇用されておらず、教育も職業訓練も受けていない層のことを指すのであり、特定の性格的志向やライフスタイルを指すものではない。また筆者自身が66ページで認めている通り、筆者には一応の収入があって自活できている。にも関わら同じページで自分の生活を「ニートみたいなもん」などと言っていることからもわかる通り、「ニート」という言葉がいかに成立し流通してきたかについて驚くほど無頓着である。このような本は、結局のところ「ニート」という言葉に対する、自分勝手で堕落した若者というイメージを加速させるだけである。「ニート」って言うな!
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【ニート】人には向き不向きが必ずあって、それは仕方のないことだし、むしろないほうが変だ、もっと寛容でいようぜというのが本書の主張。当たり前なことかもしれないが、意外とこのことを考え尽くしている人はいないんじゃないかと思う。ニートであることは良くない、早く働いて家族を持って、家を買って。。。なんて考えちゃうともうアウト。人間の生き方の多様性を無視して、その人にとって不向きな生き方かもしれないことを強いているからだ。著者はそういう雰囲気だるいよねとバッサリ言っちゃっている。自分が生きていくうえで、こういうの大事にしたいなとか、こういう生き方は自分とは合わないなと感じたらそのまま行動に移しちゃえばいい。意外と生きていけるぞ。僕がその証明さ。なんて言葉が聞こえてきそうな本である。ニートを切り口にしているが、それだけでなく、人間の生き方という深いところまで考察されているので非常に面白く読める一冊。
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人は誰しも普通じゃない部分持ってて、たまに「普通じゃないところがあると思ってることまで含めて、普通」だなんて意見を見かける。間違いでもないんだけど、その割合が人それぞれで、やっぱり普通じゃない人はたくさんいる。著者のphaさんはたぶんその割合が非常に多い、そしてこの本はその普通じゃないことをちゃんと受け入れられるヒントがたくさん書いてある。もちろん普通じゃなく窮屈な思いしている人に読んで欲しいし、逆にそうでない人には全てが新鮮なのかもしれない、きっとおもしいはず。そんな本でした。
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これって経営者こそが読むべき本なんじゃないかな〜。ニートの人と仕事してる人、内容は実は同じ事が多いけども、その人の思考回路を理解せずして、向上心をなんで持たないのかとか考えて説得しても全く的外れ。
かなり大切な事が書いてあるんじゃないかな〜。
頑張らなくて将来わからんけどまあ。。みたいな生き方の理解するのは必要だと思う。
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いわゆるこういう普通の本、はあんまり読まないんだけど(自分の本棚を見ていただければわかることだけど)自分の今の境遇やらなにやらに重なって気になったので買って読んでみました。
単純なニート肯定論ではなくこの本でも散々書かれていることですが「社会(今の日本の決まったことをしなくてはならない空気)に馴染めない人たちがどうすれば少しでも生きやすくなるか」というを念頭に置いた本。
作者はとにかくいわゆるダメな人ですw
でも自分からすると社会的な地位やお金や名誉がなくてもこの作者の方はすごいと思います。
世界を放浪したりシェアハウスを運営したり社会的な保障がなくても「まぁ、なんとかなるだろう」という割り切り。
全てが自分には真似できないことだなぁ、と思いました。
これも本の中に書かれていることなのですが「人それぞれ自分の生き方がある」ということなのでしょう。
同じことは出来なくても社会の型にハマらなくてもこういうことをしている人がこの日本にいるということだけで少し心が楽になった気がします。