紙の本
これほど細かく真相究明した演説もなかなかない
2018/10/30 19:14
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ライサ - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦後直後には大東亜戦争に関する書物が大量に出た。
その中で元々は講演会の演説内容だったのがこの本の中身である
演説が元なのでページ数は多くない
しかしこれほど細かく真相究明した本もなかなかない
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昭和二十年九月といえば敗戦後一ヶ月にすぎず。その敗戦直後に、これほど的確に日本の敗因を指摘した人がいたとは驚いた。
一部為政者の独善的思考と、多くの国民の無気力無関心、議会の軽視が国家を危機に追い込むとすれば、今の日本が置かれているのも危機的状況なのに違いない。
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これだけ的確な分析をしている事に驚きを隠せない。恥ずかしながら、この方のことを知りませんでした。これらの事実は、戦争の歴史と共に知るべきである。
日本が置かれた状況を何も知らず、精神論だけで戦うなんて、嗚呼何と愚かなことよ。
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予告されていた平成日本の没落
http://basilico.co.jp/book/books/901784-04-8.html ,
http://basilico.co.jp/book/books/9784862381910.html
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終戦記念日なので読んでみました。
戦争の事情や敗因を鋭くまとめており、何よりも、これが終戦の1ヶ月後の公演の中身であることに驚かされました。
わかっている人はわかっていたけれど、止められなかったんですね。
書かれている敗因は、今も変わらぬことばかり。
自分自身がそうならぬよう、また少しでも周りを巻き込んでよくしていけるよう、努めていきたいと感じました。
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どこまでが真実でどこまでがこの方の思い込み?で書いてるのか私には判断できないが、ただ日本の官吏のことを「責任回避術に対しては驚くべき才能を発揮している」と評してることには激しく同意してしまった(笑)。
しかも昭和から令和になっても未だに改善されることもなく維持されてるというのでは笑えない。
「日本本土の農産物が養い得る人口の限度は~、七千数百万の人口を養っていくのは到底不可能」と書かれていたが、もしこれが今でも当てはまるとしたら自給自足だけでは無理ではじめから輸入に頼らないとやっていけないということなんでしょうか?
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最初にパラパラっとめくってみて、文字が大きすぎてこすいと思ってしまったが、量より質。終戦間近の昭和20年9月の講演内容とは思えない分析力と洞察力に脱帽。
筆者の予想した通り、復活を遂げる日本。そして、昔と変わらぬトップの不勉強と責任逃れは今も顕在か‥
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日本はなぜ戦争で負けたのか。学校で習ったつもりだったが実はなにも知らなかったことをこの本で思い知らされた。
もちろん全てが真実とは言い切れないだろうが、戦中戦後当時の生の空気をこの本からは感じられ、自然と納得させられた。
終戦直後のわずか数ヶ月であれほどの情報量と考察を得た筆者に驚嘆するばかり。てっきりジャーナリストだと思っていたが、政治家・実業家だそうで。どんな人物だったのだろう。
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なぜ、日本は第2次世界大戦で敗れたのか。第2次岸信介内閣で運輸大臣を務めた政治家、そして実業家であった故・永野護氏が、その敗因を明らかにする書籍。
今回の戦争が起きた根本原因は、日本の国策の基本的理念が間違っていたことにある。開国以来、徐々に国力を増強していった日本は、自国の利益のみを目的とする「自給自足主義」を目指すようになった。この自給自足主義を「大東亜共栄圏建設」の名で強行したことが、戦争の胚子となった。
自給自足主義に加え、次のような事情が重なり戦争は起きた。
・日本の指導者や軍部がドイツを崇拝し、その物真似をした。
・軍部が近代戦の実体も英米の実情も知ろうとせず、精神力だけで戦おうとした。
・世論本位の政治を行わず、自由な議論を圧殺した。
日本にとって不幸だったのは、上記のような事情が「大人物の端境期」に生じたことだ。明治期の西郷隆盛のような大人物が現れず、官僚が右往左往している間に戦争に突入した。
戦時中、日本に大きな打撃を与えたものは、英米の「科学の進歩」の差である。これには次の2つの側面がある。
①科学兵器:レーダーや原子爆弾など、英米は日本より優れた科学兵器を有していた。
②科学的マネジメント:人員や物資を効率的に使う経営能力が、日本はひどく立ち遅れていた。
戦争の致命的敗因は、陸軍と海軍の不一致である。両軍は協力体制を築かず、自軍には不要な戦争資材でも相手に取られないよう先に押さえるなど、反目し合った。陸海軍当局者はこうした状況を把握していながら、正すことができなかった。
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他の人のレビューにもあるが、終戦直後の分析としてはまことに秀逸と思われる。陸軍幼年学校の弊害や、陸海軍の不仲など、しばしば言及されることの原典が本書であったのかと思うほど。
もちろん、米国における公文書の公開で後年判明した諸々の事情を、この当時の筆者が認識しているわけもなく、現在の時間軸からみると正攻法的内省(つまりバカ真面目ぶり)がやや目につくが、国内の問題に限れば本書の指摘事項に尽きると言っても過言でないだろう。