紙の本
なんてことないのに、後で怖くなる話
2020/08/31 23:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
北村薫さんの本を読むと、この作家って、同世代の女性だっけ?とついつい思うのだけど、年配のおじさまなんだよなぁ...。それほど、描かれている女性とそのココロ模様が、解っているなぁ...という感じがいつも。
本作は、女性の日常に転がっていそうな怖い話がそのテーマで、やっぱり「ああ、あるある、それってありそうなこと」と思いながら読み進み、ふんでもまあ、たいして怖くないかと読了。しかし、怖さは、読後、まったく関係ない時にやってくる。
北村さんたら、読者にどんな魔法をかけたのかしら?...と思うことしきりです。
投稿元:
レビューを見る
まえがきで作者が書いているように、読んで『うわぁ』とぞわっとする話を集めた短編集。ある意味現代的な怪談?
全部で8作品収められているが、個人的に好きなのは『マスカット・グリーン』『腹中の恐怖』『よいしょ、よいしょ』『ざくろ』
投稿元:
レビューを見る
ホラーっぽい短編集。だけどいまいちはっきりしない。意味が分からず何度も読み返したのもある。日常に潜む謎がさりげ無さ過ぎて。北村さんの長編はそれが持ち味だけれど、短編だともっとスパっとした切れ味が欲しい。
投稿元:
レビューを見る
前書きには 影のある短編集 、と。わたしは 後味悪い短編集、とするかな。もとから北村薫の作品には日常に臭う悪意という題材は多い。だからこそ、わたしは「空飛ぶ馬」にある安堵したくなる救いが好ましいのだけど。
救い、とはオチであり。
ではオチなどないただの、ひと、の、これは、そういう北村薫の容赦ない一冊でした。解説にありました通り、なんて怖い作家なんだろうと、改めて。
わたしが特に怖かったのは「ざくろ」です。…うわあこの内容にこのタイトルつけるかー…なんという洗練!
投稿元:
レビューを見る
日常の中のブラックな一面を描き出した作品集。個人的には星新一さんのショートショートにも似ていて嫌いじゃなかったです。北村さんの暖かな作風が好きならおすすめしません。ある意味、人の心のいい面も悪い面も描き出せる北村さんならではの本かもしれません。
投稿元:
レビューを見る
もともと怖い話は得意ではないので、好きな作品は少なめでした。一番のお気に入りは、じんわりと切ない表題作です。
この本については解説が気に入っています。表題作の引用から続く文章は、北村薫作品の性質をよく表していると思いました。
また本の内容とは別ですが、表紙のイラストがあまり合っていないと感じました。ちょっと残念。
投稿元:
レビューを見る
さらりと、おいしいお水を飲んだ時のような気分になる、北村さんの文章に、久しぶりに浸れました。一つ目のおはなしの、マスカットを食べる描写が好きすぎる! 葡萄すき♪
投稿元:
レビューを見る
北村薫がわざわざこんなの書かなくても、としか思えない。こういう類の、女のドロドロした短編集なら乃南アサとかが上手なものをたくさん出しているけれど、それらに比べると数段落ちる。良く言えば、著者の人柄のよさがにじみ出ている。悪く言えば、黒くなりきれてない、といった印象を受けた。
投稿元:
レビューを見る
人の何気なく持っている闇が怖い。
北村 薫は、今までの作品も人の闇に作品で触れているが、近作は円紫さん、ベッキーさんなど闇を中和してくれるひとがいなく、ただただ怖い。
幽霊も殺人もなく体の奥が震える作品。
投稿元:
レビューを見る
さすが北村薫という感じ!
私はこの著者を推理作家という認識はしておらず、10年以上前に『スキップ』、『ターン』、『リセット』を幻想的な謎の多い小説として夢中で読んだ。その期待感を裏切られない少しぞっとする夏に最適の作品集。
登場人物の日々の生活や性格など体温が感じられる文体、手紙や会話を主体としたものなど文体が様々で飽きることなく一気に読んでしまった。
珍しくまえがきがあり「妊娠中の方は読まないでください」という注意があった。『腹中の恐怖』という作品だが、登場人物が冷静でもあり少々異常でもありその様子が淡々と語られているのでラストが予測できずハラハラしながら読めたし、一番ぞっとした。
主人公の心情などを書かず、状況や行動などで読者に伝える手法などは推理作家ならではのものだろうか。なるほど!と納得してしまうラストもあり、楽しませていただいた。1作品、少々理解が浅いものがあるので読み直したい。
北村薫を一から読み直したいと思える1冊でした。
投稿元:
レビューを見る
北村薫ははずれがないと思っていたけど、これはちょっと違うかもしれない。
日常にひそむ悪意、ねたみが題材で、ぞっとするものもあるが、中途半端な気がする。それともこの中途半端さが、日常を現しているのだろうか...
投稿元:
レビューを見る
マスカット・グリーン/腹中の恐怖/微塵隠れのあっこちゃん/三つ、惚れられ/よいしょ、よいしょ/元気でいてよ、R2-D2。/さりさり/ざくろ
著者曰く「陰のある短編集」
みえないところにあるちょっとした悪意、嫉妬、恐怖……
かなり前に図書館で単行本を見つけてマスカット・グリーンだけ読んだけれど、あとに続くお話がこのような方達だったとは!!
じわーーっと怖い。ほんのり怖い。なんだか怖い。明るいうちに読み終えたほうが良いかもしれない
投稿元:
レビューを見る
まえがきによると「陰のある短編集」らしい。全8編すべて女性が主人公または語り手なのは、北村薫の得意技でいつもながら冴えている。8編すべて怖さの質が違い楽しめた。
投稿元:
レビューを見る
後味が悪い話ばかりで残念。
ゆがんだ人がたくさん出てきて怖い。
北村さんの描く凛としてまっすぐな人が好きだから、この本はあまり好きじゃない。
ああ、円紫さんシリーズが出ないかな。。。
投稿元:
レビューを見る
北村薫がホラーを書くとこうなるわけね。
光も影も書ける人だけど、影をメインに据えるとなるほど怖いじゃないか。
そしてこの人の日本語ってやはり心地良い。
どの話も内容はネットリしてるのに、あの穏やかな日本語で書かれると、読後感がガラリと変わってくる。
最初の「マスカット・グリーン」と最後の「ざくろ」は必読。
器用なのはわかるが、果たしてニーズは?と疑問の75点(100点満点)。