投稿元:
レビューを見る
森鴎外や正岡子規、芥川龍之介などの文士や、社会に対して鬱屈した気持ちを抱えていた若者が暮らしていた約100年前の東京を巡る本。
関東大震災、5・15事件が起こるまでのあらましと世相の雰囲気、貧富の差、革命を起こそうとする若者の機運…インターネットやケイタイが無いだけで驚くほど現在のマインドや空気感の中に合致している点が多いことに気づく。歴史は繰り返すのか?
投稿元:
レビューを見る
歴史上の重要事件や重要人物にゆかりのある東京の各地域を、明治から昭和まで時系列になるように中島・森両氏が散歩する。
各地域ごとに、路上での対談と、同じく対話形式での解説編に分けて収録されている。
本書全体を通じて読むと、明治期に本郷で生まれた「煩悶」が、やがて昭和初期のテロリズムへと繋がってゆく流れがよく理解できる。
またかなり詳しい地図も付いているので、本書を携えて歴史散歩をすることも可能だろう。
投稿元:
レビューを見る
「血盟団事件」の中島岳志が中沢新一の「アースダイバー」のように、「谷根千」の森まゆみが「ブラタモリ」のように、実際の町を歩いておしゃべりして、そのエリアに封印されている人と歴史を開放し、時代の空気までも召喚する本です。本よりもETVの番組の方がその空気感じられるかも。タイトルは「ブラタケシ×ブラモリ」(お粗末!)。とういうのは、この本のテーマが明治という幼年期をすぎた日本の青春期のモヤモヤを「煩悶青年」の帝都での行動として、現代の東京に、再び纏わせることで、高度経済成長期の後の懊悩に対する視点を持つことにあるように思うからです。だから、この本の本当の主役は章ごとにつけられた地図であり、巻末につけられた人名索引で何回も行ったり来たりしました。この本片手にもう一度、街歩きしたくなります。っていうかお二人と一緒に歴史散歩したい!たまたま2.26近くに読了。
投稿元:
レビューを見る
以前、20代前半の友人とイスラム原理主義者の自爆テロの話をして
いた。「日本じゃテロなんて考えられないですよね」と言う。
え…日本にもテロはあったじゃん。虎ノ門事件とか、浜口首相や
原首相の暗殺事件とか。
クーデターだってあったぞ。2.26事件とかさ。学校で習わなかった
かい?
本書は日露戦争後、燃え尽き症候群とも呼んでもよさそうな気持ちを
抱えた青年たちが引き起こした事件の場所を歩きながらの対談集だ。
本郷、江戸川橋、東京駅、隅田川、田端、日本橋、永田町を、東京案内
と言えばこの人、森まゆみを案内役に歩き回っている。
路上対談とは言っているが、事件やその背景の思想形成に関しては
各章の「まとめ」で語られているのが残念。歩きながら話している
のは建物や風景の話が多かったね。
これ、全部歩きながら話しているのかな。年号とかばんばん出て来るん
だよね。わたしゃ資料を見なきゃ言えないよ。
「隣の建物に残っているらしいですよ。あ、あった」
なんてのが同じ発言のなかで出てくるのだが、これ、編集の方で移動した
ことの一文を挿入した方がよかったんじゃないか。瞬間移動した訳じゃ
あるまいし。
森さんの東京話は、相変わらず奥が深くて知識が豊富で愛情たっぷり
で楽しい。出来れば、「まとめ」の部分も路上でやって欲しかったな。
投稿元:
レビューを見る
新潮社本館の裏に住んでいたのは、小さん師匠ではなく、志ん朝師匠です。
いやあ、お二人ともさすがに詳しく、勉強になりました。ボースさんのことは知らなかった。中村屋の「カリー」がおいしい理由がわかりました。
投稿元:
レビューを見る
東京巡検をまえにして。ざっと読んだ。中島氏と森さん(このひとは初めて知った書き手)が東京をぶらぶらしながら主にテロ・クーデター事件(右翼)の経緯などをはなしてまわる。最初が本郷で煩悶青年からはじまるのが興味深い。
まあ、概説というより一般向けの本やね。
・井上日しょう 群馬に資料館あるん?
・宮沢賢治の国柱会
・芥川龍之介 下町生まれの葛藤
・震災で江戸っ子がいなくなった
・田端 ゆっくりあるいてみたい
・宮本けんじ 小林秀雄
・5・15で日銀も襲われる
・5・15で変電所をおそう愛郷
・満川亀太郎と革新の神楽坂
・大日本印刷 創始者が彰義隊ってまじ
・島村抱月 やりましたね。心中