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考えさせられる一冊です。
『ブータン』と言えば幸せの国の代名詞で日本でも知られており、王様が来た時はとても話題にもなりました。
自分自身もそれは素敵な国だなぁと思いましたし、書籍もいくつか読みましたが、それは素晴らしいことが書かれていました。
しかしイイ面のみが表に出ていて、ブータンの難民は何十万人に及ぶこと。
その支援をされている方から発せられるブータンはイメージとは違います。
『国民の97%が幸せの』と答えるアンケートの曖昧さ、調査法を知るとある種の怖さは感じますし、また一人歩きしている感覚は否めません。
こう言う本をどう判断するかはその人次第だと思いますが、考えの幅が増える一冊です!
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GNHだイケメン国王だと話題のブータンですが、難民大国であることは意外と知られていない
簡単にまとめ
★人口60万人の小国にあって、10万人以上のネパール系住民を難民として国外に退去させた(国の15%が難民!?)
★印中の2大国に挟まれ、国家の安全保障政策として、民族的統一性を高める必要があったこと(現在の伝統文化保全策もその一環)
★ネパール系住民による独立運動が活発だったインド西ベンガル州や、ネパール系移民が多数派を占めたことで滅亡した隣国シッキムの先例から来る警戒感
★避難先であり難民たちの祖先の地でもあるネパールは、長年に渡って受け入れを拒否(ネパールも最貧国の小国ゆえ余裕はない…)
★発生から20年弱、大部分は第三国定住でキャンプを去り、新しい生活を手に入れた一方、故郷へ帰還することは叶わず、国際社会から問題は風化していく
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チベット系が主流を占める国内で、少数派であり、難民となり他国へ避難せざるをえなかったネパール系ブータン人に焦点をあてています。
「幸福度」を掲げる、インドと中国に挟まれた少数民族の小国ブータン
超大国に蹂躙されないためには、国の認知度をあげ、多くの国に親近感と好意を抱いてもらわないとならなかったのだろう。
なかなかしたたかな戦略です。
日本は見事にその作戦に乗せられているように思います。
それとも、日本が中国を牽制するために、ブータンを支持しているのか?
日本ってそんなにしたたかかなぁ?
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光があれば影もある、てことで幸福度の国ブータンの闇についてのルポ。
80年代後半から、国に迫害を受けてブータンを追われたネパール系難民が実に10万人。著者は、国連の機関でつい最近まで現地でブータン難民の支援を行なっていた方です。
しかし、インドと中国に挟まれた小国としての立ち位置を考えると、単純に悪とも言い切れない難しさが。実際、お隣のシッキム王国は、国内のネパール系移民を上手くまとめられず、情勢が不安定になった隙をつかれてインドに併合され、1974年に滅亡したというね。。。(今はインドのシッキム州)
そんなブータン情勢とあわせて、先の見えない状況でも希望を捨てない現場のスタッフ、不安を抱える難民の皆さんの生活を、当事者の暖かい目線で伝えてくれてます。厳しい中にも血の通ってるエエ本でした(-_-)
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幸福の国としてのイメージまた、某脳科学者が絶賛していた国ということで日本では高い評価があるブータン。しかし、うまい話は裏があるということで幸せの国ブータンもネパール系難民などの裏があった。来日した国王からは清楚で優しいイメージがあったが、実際難民に対しては厳しい対応をしていたのでイメージが逆転。おそらくは日本の支援やら観光客を増やそうとする目論見があったのではないだろうか?ただ、中国とインドという大国に挟まれ、またネパールという政情不安の国に隣接しているブータンという国にとっては狡知にたけた外交や時に冷淡な対応が必要不可欠なのだろう。前半の宗教上や地政学上の問題をみてそれを認識させられた。
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ざっくり読んだ。
ブータンのブランディングはすごく上手い。
GNHを提唱したのは前国王が21歳の時だったなんて衝撃だった。
インド、中国という大国に挟まれて国を維持する事は困難なことなんだろう。
でも、ブータンを追われてネパールの難民キャンプに行く人がいる。彼らは「国民」ではない。
ブランドイメージを下げるものは覆い隠されている。
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ブータン人の友人は、「幸せの国」から来たそのものだったが、この本を読んで一括りにそう言い切れない現実があることを知った。
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ブータンと聞いてどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。ブータンは幸福の国、不便な生活でも笑いあって暮らしている国とこの本を読むまでわたしもそう思っていました。
外国人が増えすぎた結果インドに併合されてしまった隣国を反面教師にしたのでしょうか。国籍法を変えて難民を大量に生み出したブータン政府を一概に非難することはできないと思います。
しかしある日突然故郷を追い出され無国籍の人間となってしまった人々が大勢いることは事実であり「国民が幸福で王様が謙虚なお人でお妃さまが美人な幸福の国」という観念だけでないという事も知っていてほしいですね。
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ブータン難民が生まれた歴史的背景と、現在の状況がそれぞれわかりやすく説明されていてよかった。
今の日本の移民問題や、被災地支援にもつながる話だと思う。
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この本を通して、難民問題に関心を持つことが出来た。
元の国、故郷のブータンに帰るのか、受け入れてくれる第三国、カナダやアメリカに行くのか、自分のルーツ?で難民キャンプもあるネパールに定住するのか。
難民問題の解決の難しさに思い至った。
また、ネパールの難民キャンプで生まれた子供にもブータンのアイデンティティを持たせるために工夫する親の話を読んで、アイデンティティについて考えさせられた。
私は日本を大事に思う意識が、そこまで無いのでなぜそこまでするのか、本当に気になる。
また、ブータンも国としてのアイデンティティを保つために熱心である事を知った。シッキム王国の経緯を知る事で難民問題の背景についても考えさせられた。
国民を厳しく定義し直したり、気候に適さない民族衣装を強要していた。
ここでも、アイデンティティの話が出てくる。
私個人の問題なのか、国籍も人種?も同じ日本人が大多数の日本に住んでいるから意識していないのか、本当にアイデンティティの話はピンと来ない。
だからこそ、興味をそそられた。
同化政策では必ず改名させたり、言語や服装、髪型を強要するから、大事な事なんだろうな。。。