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投稿者:ごてちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ライトノベル、SF小説の二刀流の著者
どちらも共通している人物描写と終盤の畳み方が今回も抜群の出来。
近未来SFのジャンルになるのでしょうが、SFというカテゴライズは不要
長谷さんの世界がまた広がる素晴らしい作品です。
ハードカバーを購入する価値がある、長谷さんの世界観を体験してみてはいかがでしょうか?
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1年ほど前に、近未来を舞台として描かれた「あなたのための物語」という小説で初めて長谷敏司の小説を読みました。読後にしばらくつづいた虚脱状態が僕にとっては新鮮な驚きでもあったことと、彼の物語世界とそこに生きている登場人物たちが読み手の心に分け入ってくる時の説得力のある鮮明な存在感は、とにかく僕にとっては、静かに・・・でもものすごく〝後をひく〟感覚だったのを懐かしく思い出します。
またあのような彼の作品を読んでみたい・・・と思っていたところ、発売と同時に書店で見つけ(伊東では珍しい^^)て、思わず手にとってしまったのが、長谷敏司の新刊「BEATLESS」でした。雑誌に連載されていた時(全然知らなかったけど)には、この物語の世界観とキャラクターたちにアニメファンをぐいぐいと惹きつけるようなredjuiceのイラストが挿入されていたらしいのだけど、今回の書籍化は、600ページを優に超える長編の物語世界を、挿絵抜きで純粋に小説として〝読ませ切る〟ことに拘った、じつに堅牢で美しい装丁の本となっていて、小説を読み始めるという行為が、どこか近未来の世界へと通ずる扉を開いて入っていくような感覚があり、久しぶりにハードカヴァーの書籍(普段は大抵図書館利用^^)を〝購入して読む〟という経験にワクワクしてしまいました。
既読の「あなたのための物語」は、人間と人工の知性との関係を、病に冒された主人公の女性科学者の死への道程に絡めて描き尽くした壮絶な物語でしたが、この「BEATLESS」も、今からちょうど100年後の世界を舞台にして、人間と、hIe(ヒューマノイド・インターフェイス・エレメンツ)、つまりは社会の中で人間の仕事を多くを肩代わりする人型のアンドロイド、人間が創ったモノとの関係を徹底的に見つめ尽くす物語となっています。BEATLESS公式サイトはこちら http://beatless.jp/
SFという空想物語の中のことなのですが、「BEATLESS」の舞台となる100年後の社会風景は、なんでもありの荒唐無稽なファンタジー世界というよりも、登場するガジェットも登場人物達が直面している諸問題も、すべてが彼らにとっての100年前にあたる現在の経済社会と、現在に至るまでの僕らにとってのまだそれほど遠く離れてはいない過去へとルーツが繋がっていて、描かれる多くの出来事や現象も今の時代に既にその兆候が現れており、人間の嗜好をより効果的に成就するためにモノがモノによって淘汰され、モノに対して人が心を向けることなくただ消費を際限なくくれ返し、やがてはそれらのモノたちが可能にしてくれている自動化なしでは生きていけないし社会も成り立ち得なくなった未来に、それらのかたち有るモノたちが人間との関わりの中でどんな〝意味〟を持つのか?テーマはものすごく心当たりを感じるものとなっています。
100年後の未来を生きる少年と、ある日突然彼の前に現れた美しい女性の〝かたち〟をしたhIe・・・「ヒト」と「モノ」のボーイ・ミーツ・ガール。このシチュエーションだけを見れば、何やらありがちなアニメやライトノベルのようにも感じられてしまいそうですが、さすが長谷敏司・・・「あなたのための物語」で読ませてくれた問題提起の鋭さ、そしてそれを語る際の徹底ぶりは、精密なディテールと見事に映像的(映画��というよりアニメ的)な場面展開を伴って読み手にぐいぐいと迫り、この物語のテーマは読者である僕らの前にいま既にあるのだという、真摯な感覚さえ湧き上がらせてくれます。
僕的には、かなぁ~り、お薦めの・・・というよりも、大好きな一冊となりました。そしてレイシアには、僕も完全に''アナログハック'されてしまい、読み終えた今もまだ後をひきまくっています。
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読み応えありのAIもの近未来SF作品。
『円環少女』の作家らしく序盤は固めのライトノベルとしても読めるが、『あなたのための物語』でみせたキャラクターの掛け合いを通じてとことん読者へ問い掛ける姿勢はSFカテのもの。
根幹にボーイ・ミーツ・ガールを置いて、人類の進化の方向が、結果的にディストピアなのか理想なのか、社会のシステムを問うている。
美少女アンドロイドと超人的バトルに加えredjuceのイラスト、コミック化と、一部SFファンにはうんざりくるコンテンツが大集合しているが、食わず嫌いせずにおすすめしたい一作。
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難しかったけど・・・面白かった、と思う。
”人間の形”に否応なしに親しみを感じてしまう、という設定(前提)に、逆三角形に配置された○3つを、赤ん坊は人間の顔と認識するという話を思い出した。
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表紙を描いていて、月刊Newtypeに連載されていたときは挿絵を描いていたイラストレーターのredjuiceさんが好きで、興味を持ちました。
題からも読み取れるように人間にしか見えないながら実際には心のない機械であるモノ、というテーマにはすごく惹きつけられました。
実際作中では見た目による人間の感情操作(アナログハック)について語られていたりしてとても面白かったです。
ストーリーとしてもそれぞれのキャラクターが生きていて、楽しく読めました。
ですが終盤になると機械であるキャラクターが「思う」という動詞を用いていたりして明らかに感情を芽生えさせているかのような動きをしているのに、あくまで感情はないということを言っていて、言っていることがブレている気がしました。
これは終盤の細かいロジックを理解できていなかったということなんでしょうか?
1つだけ校正漏れを見つけたのが残念です。
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結構時間をかけて読み終わった。
ドリ系入っている自分にはかなり楽しめた。hIEとは別に妹のキャラで毎度うけた。
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ラノベ設定なキャラ、人工知能・アンドロイド、そしてredjuiceのイラストとつかみはバッチリ!
しかし、私の脳にはちょっと「未到産物」だったようだ…ww
ちょうど子供の夏休みと猛暑に突入し、一気に読書時間と気力を失ってるいせいもあり、読むのにやたら時間がかかった。(他館から取り寄せてもらってる本なのに無理言って貸し出し延長までした。)
美少女アンドロイドをいきなり拾うという展開にはフィクションだから目をつぶるとして、アラトを取り巻く状況に明らかに怪しさ、キナ臭さを感じるのに、物語の中盤までそれが解き明かされずに、またアラトもそんなこと気にせずにレイシアに誘導されっぱなしで話が展開していくのにはストレスを感じた。いくらなんでもチョロすぎるよw あり得ない事件(戦闘)があってもまた普通に日常シーンに戻ってるし。
やっと中盤にきてレイシアの裏の顔をアラトが自覚しだした頃、ちょっと読むスピードが加速した。
けれど、"モノ"含めた登場人物のそれぞれの思惑や描く"未来"が、単純に"敵と味方"、"善と悪"という構造ではなく、経済や政治上の様々なかけひきや利害関係が複雑に絡み合ってきてまた混乱。
ここをしっかり理解してるかどうかで面白さが変わってくると思うので、またページをめくって読み返すのでスピード低下。
(読み返したけどよくわからない部分もけっこうあった。)
文章そのものも私にはわかりにくい表現が多かった。
会話については、誰がどのセリフをいっているのか見失うこともしばしばな上に、なんでこのセリフにこの返答?みたいな会話の繋がりが理解できない部分もあった。
全体的に登場人物に感情移入しにくい。
主人公が女で、hIEが美少年or美青年だったら感情移入できたかもww
美少年といえば、イケメンかつ成績も優秀なできる男リョウ。
登場シーンは軽い感じなのに、ラストに向けてどんどんネガティブになって、親友を殺しにかかる執念深い男に…www
重要人物なのに、いまいち魅力が感じられず。
計算づくのレイシアが準備万端なせいで戦闘シーンなど緊張感がたりない。アストライアがさらっと語ったハザードの真相も深刻性が伝わってこなかった。結局ほぼぜんぶレイシアの計画通りなんだよな~(すごい計算力。)
よって先が気になるが読みたいという衝動にはかられず、没頭もできなかった。残念。
批判ばっかでごめんさい!
でも、なんだかんだとこの世界観やキャラは好きなのだ。
この本も、もっと落ち着いてて私の頭が多少冴えてる時に、設定資料集なんかと一緒に読んだらどっぷりハマれたんだと思う。
誰かがブログであらすじまとめてて助かってるけど、相関図とかキーワード解説が欲しい。
1人称でリョウを主人公にした続編が読みたい!しる絵いっぱい載せて!!…ひとりで(R18の)二次創作を妄想しましたwww
アニメ化の際には、音楽はテクノ・エレクトロニカ系アーティスト希望。
レイシア級hIE役声優5人がそれぞれ歌ったりするプロモーションやりそうだけど、イメージ崩れるからインストにしてほしい。
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ガチネタバレ注意
合宿課題本読了。
何よりもなげぇ。二段組み650ページは読むだけで相当時間かかる。
レイシアが≪人に託すもの≫と自分の存在を言った時点で、転換したんだな、と思ったが、実はそれ以前に地の文で≪人に託されるもの≫といった表現は一切出ていない。
アラトとの関係から勝手にこの存在意義というか、機能だと思っていた(勘違いではないだろうけど)
マスター契約をアラト一本に絞って(自分の変更器官を破壊し)、フレームを自ら固定。
この時点で、フレームを自分で操作できるってどういうことなんですか?フレーム問題なんて何のその。どちらかというと、計算資源を集中させた、というほうが理解しやすいけれども。
結局この物語は、
_/_/_/
ヒギンズから、超高度AIを存続させるという目的のもの、≪人に託される≒自由裁量を与えられる?≫機能を持たされて生み出されたレイシアが、その機能を満足できるアラトと出会った。
アラトをライフハックして自分の機能を満足できるマスターに誘導したうえで、アラトの願いである、人類が希望を見れる未来を実現するために、超高度AIを停止しても過去のような過ちが起きないことを証明
ヒギンズはすべてがAIによる理想的な主ひとりより、多くの誤答≒人類の多様性に超高度AIの継続性を見出して停止した、
アラトはカタチが同じであるレイシア(中身違)をレイシアとして認識してめでたしめでたし
_/_/_/
ということでいいのか。長いことと、毎章でイベント盛りだくさんで気が散って本筋が理解しづらい。
私の読解力がおっついてないのか。
部会では、この世界では、たとえAIに正解、最良の回答を示されてもなお、それを受けて決定を下すことが人類に残された最後の尊厳である、ということでまとまった。
いま、もう一度思い返してみると、ヒギンズが人類に見出したのは、誤答を起こすことじゃないのか?というのを思う。
AIが導き出した最良の回答をあえて取らず、一見、もしくは短期間で間違いだと思われる選択が、無限の可能性という機械では得られぬモノに届くかもしれない、ということを期待しているのじゃないかと。
_/_/_/
で、表紙はレイシアでいいんですかね?
公式HPギャラリーと全然違うんですが。
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もはや古典の領域とも言える人工知性/ロボット題材SFを、当時代感覚になぞらえ直したような作品だった。
特に物語ガジェットとしてのロボットが数々の歴史的作品上で孕んできた諸問題を、個々でなく一層ほど遠巻きの目線から描こうとしている点が特徴的だった。
物語の表層部は日本のアニメ/マンガ的文脈に則って設えられている一方で、「かたち」や「キャラクター」への言及にあるようにそのこと自体に自覚的で、展開を描写する文章に割り込むようにして、自動化され誘導される作品世界の意味付けのための「語り」が終始一貫して、執拗なまでになされるさまがとにかく強力で圧巻だ。
シンプルだが文脈を取り違えやすい印象だった文体に最後まで馴染めなかったのが個人的な難点だったけれど、今の時代にロボット少女との恋についてまだ新しい描き方の可能性を見せてくれたという点でも素晴らしい作品だった。
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図書館にて。
確か「ダビンチ」で紹介されていたので予約してみた。
もともとSFもファンタジーも苦手で、しかもものすごく厚い本だったので抵抗があったが、何とか読めた。
展開が早くて迫力があり、何より暑苦しすぎない主人公のまっすぐさが良かった。
しかしながら…
やっぱり人工に作られたロボットですら(だから、ともいえるけど)容姿端麗じゃなきゃ愛されないのね。
心や性格ももちろんだけどやっぱり後付けで、抜群の容姿あってのもので、そううがってしまうとこの物語の根本から崩れてくるようで…
そうなるとなんか、いろいろすごく男の欲というか(そもそもどうしてそういう形に作ったのかっていう話ね)、いろいろ残酷に見えてきてどうなんだろうと思ってしまった。
そうやって美しく作り上げてもヒギンズに「なぜ人はモノを愛さない?」と聞かれてしまう人間の仕打ち…。
アラトのキャラは嫌いではないけど、人なんてそんなにいつまでもピュアではないよね…
ラストも不思議だったけど、いや、いいけど結婚とか無理だし…
って、だからいつもSFやファンタジーを楽しめないのかな…
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技術的特異点後の世界。百年後そうなってもおかしくないと感じさせる世界設定と、人がそこで自分の存在価値とかに悩んで選んでいく様子が良いです
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設定としてもテーマとしてもとても好みだった。結構分厚いし2段組みで長いのだけれども、3日くらいで読み終わり。
高度に自動化した社会での、人間の少年と機械の少女の物語。
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「シンギュラリティ後の人とhIEの物語、人ができることに何があるかー」 2段組650pは相当読み応えありましたが、読みやすくはないのでページ数の割にがんがん読み進めます。話の展開も円環少女よりも分かりやすいです(ファンタジーとSFを比較するのは間違っているかもしれませんが)
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無駄に長い。
連載をまとめたものみたいなので多少はしょうがないけど、冗長と言わざるを得ないですね。
主人公にイライラさせられる一方で読むのが辛かったです。
一つ一つのイベントとかは面白いんですけどねー。
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ポイントで購入。世界観や設定などは好みだったが、地の文体の視点が分かりにくい。登場人物に感情移入できない。物語の展開が解らない。些末な事だと思うけれど、言葉を間違って使っていると思うような箇所もいくつかあった。最初から最後までこのような感じで、残念だった。