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うーん、素直に受け取れる推理もあるのだけど。何かね。あまり楽しめ無かった。
キャラクターの肉付けとかが削ぎ落とされているせいかもしれないですね。チェスとアンテナの出てくる一編が面白かったかな。
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たった10語から導き出される意外な結末…。
とか、紹介なんていらないくらい有名な1冊。
安楽椅子探偵の代表作。
何度目かの再読だけど、いつ読んでも面白い。ネタバレとか関係なく、推理の過程を追っていくのが楽しくって。
きっとまた読むと思う。手元から離せない1冊。
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短編集。ふと耳にした一文から推理を重ねて、思わぬ真相を炙り出していく表題作はやはりインパクトがあります。
中には飛躍しすぎじゃないか、というような推理もありましたが、どの話も質の高い本格ものでした。
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国語教育の悪弊は「自由に書きなさい」と子どもに強いることだ。それで表現力が磨かれるのだろうか? 僕はそう思わない・・・。本書はミステリーとして編み込まれた「思考実験」である。実験であるからには初期設定が用意されており、予想通りの結果に帰着せざるをえない。つまり、撃たれるショットには制限があり、縛られた条件の中で解を導き出さなければならない。当然のようにホームズ役(ニッキイ・ウォルト)は「安楽椅子」に揺られるような動きしか許されず、ワトソン役(語り手の「私」)は誤答例を枚挙することに終始する。結果から過程を類推する態度を「現象論的」と呼ぶが、辻褄合わせのためには無駄など許されないわけで、厳然とした制限を見て取らねばならない。思考の動作チェックにはうってつけの良書。『天城一の密室犯罪学教程』と併読すればなお良し。
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なにこの人…スゴイ。
それが純粋で素直な感想です。
推理小説ですが、現場ではなく、部屋で事件を解決してしまう、安楽椅子探偵の短篇小説。
名探偵は少し変わり者のニッキィ。安楽椅子探偵の底力を見せてもらいました。頭脳の限界。ニッキィの推理力と想像力に底はないのですか…。
“迅速かつ明敏。論理力で解き明かす迷宮の出口”
難しい内容なのに、それが面白いのは、ニッキィが盲点を突くから…でしょうね。
元は米澤穂信さんの巻末紹介で出逢えた本です。
個人的に、ホームズとニッキィの対談が見てみたいです!
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古典。何気ない文章から、推察で組み立てられて行く過程は何度読んでもいい。表題作に加え10時の学者がお気に入り。最後の終わり方がなんかいい。
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「おしゃべり湯沸かし」と表題作「九マイルは遠すぎる」がよかった。
一日一話読むくらいがちょうどいい感じだった。
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表題の作品。超「推理」小説である。推理だけを純粋に取り出して物語を構成している。ポーのデュパンよろしく驚異の洞察力と推理力を持った男の異能を驚く、と言う物語だと解釈してよいと思う。したがって、読者側は謎解き等をしなくてもよい、というか出来ない(^^)。
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知的好奇心を駆り立てる1冊で、一気に読み終わってしまった。
思っていた推理小説よりも推理小説っぽくなかった。と言うのも、探偵が推理するわけではなく、ある教授が話を聞いただけで推理し、問題を解決しまうからだ。
またその解決方法も気持ちの良いものだ。
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すごいね。
並の短編じゃない
文章もいい
時計の話と、梯子の話が際立っていい
両者とも、なんとオチの見事なことか!
後者の極限までスリムな複線も見事。
複線しかないのに、自然に味わいが出ている
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通りがかりに漏れ聞いた一言だけを頼りに、推論を展開し、殺人事件の犯人を指摘したニッキイ・ウェルト教授。純粋な推理だけを武器に、些細な手がかりから、難事件を鮮やかに解きあかし、次々と解決していく教授の活躍。MWA受賞作家の手になる、本格推理小説のエッセンスとも言うべき珠玉の八短篇を収録。
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「九マイルもの道を歩くのは容易じゃない、ましてや雨の中となるとなおさらだ」
すれ違いざまに聞いたこのセリフから一つの事件の真相にたどり着く構図は見事。
安楽椅子探偵の真骨頂がここにある。
この小説の探偵役もニッキィ・ウェルトは本当に動かない。話を聞いてそれだけで結論にたどり着く。
特に話に深い物があるわけではないが、ニッキィがいかに謎を解くかを楽しめる。
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【読了】ハリイ・ケメルマン「九マイルは遠すぎる」 8月20冊目
ちょうど先日放送された「氷菓」19話、「心あたりのある者は」の元ネタとなっているのが、今作「九マイルは遠すぎる」である。ミステリに限らず、作品というのはなんらかしらのネットワーク構造に繋がっているものであり、そこから逸脱した存在というものは少ない。氷菓が気に入った人には、ぜひにも関連作品にも手を出して頂きたいところである。
「九マイルは遠すぎる」と「心あたりのある者は」は舞台設定が違うだけで、基本構造は同じものとなっている。推論のキーとなる言葉の連なりから、意図せずに結果として事件を暴くという流れである(古典部の方は推論しただけで事件解決へ直接は関与していないけど)。
さて、「九マイルは遠すぎる」は全部で8つの短編がおさめられた短編集であり、いずれも語り部である”わたし”と、探偵役であるニッキィが登場する。ジャンル的には安楽椅子探偵ものである。ところで、「安楽椅子探偵」と英語にすると、”アームチェア・ディテクティブ”になって、なんかカッコいい感じがしますね。
語り部である”わたし”は郡検事という職なので、事件にやたらと遭遇する機会がある。そして大学教授の元同僚のニッキィが話を聞いただけで解決してしまう。安楽椅子探偵といえども、多少は足を使ったりするものだけど、ニッキィは本当に話を聞いただけで解決してしまう。これはある意味で、俺TUEEE系推理小説とも言えるのかもしれない。
作品の構造上、流し読みをすると全く頭に入らないので、しっかりと推論の流れを理解して読み進める必要がある。つまり読んでいて、けっこう頭を使うのである。短編集だから気軽に読めるかなと手に取ってみると、裏切られるかもしれないのでご注意を。
個人的には「時計を二つ持つ男」と「おしゃべり湯沸かし」を面白く読むことができた。
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いつかテレビで観た「ヒッチコック劇場」のような、都会的なミステリ短編集。
「九マイルもの道を歩くのは容易じゃない、まして雨の中となるとなおさらだ」という街でふと耳にした言葉から推論を重ね事件の核心へと近づく表題作をはじめ、些細な言葉や情景をさながらパズルのように組み合わせることで主人公は鮮やかに難事件を解決してゆく。登場人物たちのキャラクターや保守的な大学都市の情景などの描かれ方が、読者の好奇心を刺激するような「ほどよさ」のためか、トリック云々を別にして物語として十分楽しむことができた。
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ホームズ:ニッキィ・ウェルト
ワトソン:「わたし」
有名な表題作より他の作品、特に後半の方が面白かった。
ニッキィは、たまたま耳に飛び込んできた情報から、その場の誰もが思いもよらなかった結論を導き出す。同じ会話を聞いていても、彼の頭の中には常人とまったく違う光景が浮かんでいるようだ。
それは、通りすがりに無自覚で耳にしたたった11語の文章だったり、隣人がお湯を沸かした音だったりする。
文章も短文でキレがよくて読みやすい。
「わたし」が意気揚々と見当はずれの発言をしたらニッキィに軽蔑の目で見られ、「いや、ちがう」と自分で却下するくだりは、漫画のような光景が目に浮かんで可笑しかった。