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副題にある「世にも奇妙な爆笑!」に不謹慎さを感じながらも手に取った一冊。
しかし、介護の現場を伝えることには成功していると思う。
けっして”爆笑”ではないと思うし、安易にこの語を選択したのではないらしいことが窺える。
介護の現場、高齢者や特に認知症の方達との接し方などについて、一方公的にノウハウを伝えるのではなく、体験談を成功例・失敗例・反省なども交えながら語られているので、非常に読みやすかった。
冒頭、著者はホームヘルパーという語にこだわっていることを記されている。ホームであること、「生活援助」が要であることを通説に感じておられるのだ。タイトルにある「介護ヘルパー」は馴染みのない方にも分かりやすいようにとの配慮だ。
この本を読むと、著者の「ホームヘルパー」に対するこだわりが分かる。
認知症の方に接した実例とともに、必要な(そして可能な)対応についても述べておられる。
総括すると、いかにその方の世界に入り込めるか…と言うことになると思う。そして「深刻にとらえずにおもしろがること」としている。
また、介護保険の基礎知識も奇麗にまとめられている。利用者の視点から、どのように認定調査に臨めば良いかというアドバイスもよかった。
急性期医療現場で働く僕としても、新鮮な情報が手に入りよかった。それは学術的な話ではなく、現場のリアリティに対してである。
また、これから介護の現場に遭遇するであろう一般の方や、介護を受けられる方、そして現場で働く人に対しても一度目を通すべき内容だろうと思う。
もう一つ付け加えるとしたら、このように動けるホームヘルパーさんがおられるということに勇気づけられた。
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【目次】
第1章 介護はある日、突然やってくる
第2章 恐るべし、認知症
第3章 コツさえわかれば、認知症はこわくない
第4章 やっかいなのは認知症だけじゃない
第5章 介護でわかる家族の素顔
第6章 介護を乗り切れる人、つぶれる人
第7章 介護保険制度をうまく利用するコツ
第8章 ヘルパーが見た介護業界の現実
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内容紹介(Amazonより)
お年寄りたちの禁断の世界へようこそ。
介護を楽しく乗り切る方法を伝授!
親の介護は決して他人事ではない。
統計によると75歳以上の4人に1人は一人暮らしが困難となるからだ。
では実際に在宅の介護現場ではどんなことが起こっているのか?
1人になると寂しくてウンチをこねくり回すおじいちゃん、
ありったけの宝石を身につけてお風呂に入るおばあちゃんなど、
想像を絶する世界がそこにはあった!
20年以上介護ヘルパーとして働く著者が、
これから介護する人、介護される人が直面する現実をリアルに伝える、衝撃の一冊。
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内容(「BOOK」データベースより)
親の介護は決して他人事ではない。統計によると、75歳以上の4人に1人は、一人暮らしが困難となるからだ。では実際に在宅の介護現場ではどんなことが起こっているのか?1人になると寂しくてウンチをこねくり回す���じいちゃん、ありったけの宝石を身につけてお風呂に入るおばあちゃんなど、想像を絶する世界がそこにはあった。20年以上介護ヘルパーとして働く著者が、これから介護する人、介護される人が直面する現実をリアルに伝える、衝撃の一冊。
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「『ホーム』ヘルパー」の呼称を大事にする著者の姿勢に共感します。(終盤のグループホームの人員配置基準のところは、日勤帯に3対1じゃなかったかな?と思いましたが。)
http://www.youtube.com/watch?v=C4mI4bDOLCU
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介護の仕事を志してる人は現実を知る意味で読むべき1冊。ベテラン訪問ヘルパーさんが、今までに出会った色んなお年寄りのことや今の介護の問題点などを書いた本です。
介護の問題は誰もが無関係な問題じゃないので、興味深かったです。
とりあえず完璧は目指さず、現実をありのままに受け止めることが大切な気がした。
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切実だ。でもくよくよしたって仕方ないから、いざという時乗り切れるだけの体力と知力を今から身につけていこうと思える本。
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介護現場で何が起こっているのか。が、わかる本。
現実の介護現場で知った高齢者の方や、その家族のことが書かれたり、認知症の見分け方、介護保険の知識、ヘルパーさんの労働問題、介護保険の問題。
それらがわかりやすく書かれていて、読みやすかった。
介護。というと、どこか自分のことでは捉えられない方も多いと思う。
私も、昨年頃にその問題にはじめてぶつかり、考え出したこと。
でも、人間が生きていくうえで、かならずぶち当たることであり、特別なことではないと思う。
この本を読んで、介護保険の中身がやっとわかった。
そして、それに伴う様々な問題も。
介護保険の中身を考えるお役所の方々は、まず、現場を知るべきではないだろうかと、切実に思った。
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介護の現場について分かりやすく説明されていました。認知症の方との接し方について大変参考になりました。
お役所の方、貴方のご両親も介護が必要な時は来るのですよ。もっと現場を知ってください!
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認知症や家族の姿など、介護の現状が書かれた部分は、あるあるであったが、最終章の介護業界の現実は、当事者ならでの視点であり本質を突いた部分である。お金でしか考えない、現実逃避の政策。超超高齢化をどう乗り切るのか、国民の生命や尊厳は守られるのか・・・どうなる日本。悲しい現実はすぐそこに。
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実際の現場を見ているヘルパーさんの日常。しかし制度不全が起きている。1億円老人ホームの実情も読むと体が凍る。貧乏人はこの先、介護生活になっても救いはない。よいヘルパーさんに巡り合っても、その人との時間は「延長」になってしまう。お金がなければ酷い状況でも救われない。個人的にはぽっくり逝きたいものだ。
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ヘルパーとして経験してきた現場の事例集。認知症、介護保険、家族、業界の現実。ほんの少しの手助けがあれば、1人で生活できるお年寄りはたくさんいる。
お金がある人もない人も、お金のことを心配しないで過ごせるようになるとよいのに、と思いました。
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訪問介護ヘルパー20年、現場から介護の現実をみつめ、その経験を通し介護制度を問う。2012年の改正は介護を必要としている人に寄り添った法改正であったのか。
現場の声を反映するべく自ら様々な行動を行なっている。また
五百円玉貯金をして世界の介護現場を回るツアーをしているとのこと。日本の介護をより良いものにすべく地道に働きながら、訴えるべきところには訴えていく姿勢がすごい。この先、日本は高齢社会がずうっと続いていくのだからもっと介護制度を充実させないといけない。
それは社会全体の幸せへつながっていくのだから。
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痴呆老人に財布を盗まれたと騒がれ収監された青年ヘルパーは真相は不明だがもし無実だとしたらこれほど残酷な話は無い。
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介護ヘルパーさんから見える現場の事例集。
介護保険「改正」によって現場で何が起こったか、どんな声があがってきたかがリアルに紹介されています。
確かに介護保険前夜の方がヘルパーさんの介護は手厚かったですね。祖父宅にいらしてたヘルパーさんと、孫である私もゆっくりおしゃべりした記憶があります。それが、よかった。今の仕組みではそれはもう、難しいですものね。
現場のもどかしさが伝わる一冊です。
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藤原るかさんの「介護ヘルパーは見た」、2012.9発行、「家政婦は見た」とかが浮かびましたw。見てはいけないものを見たのでしょうか~(笑)。一読して、認知症はきびしいなと感じました。思いがけない行動、驚きの連続とのこと、できれば、自分はそうなりたくないなと(みなさま、そうと思います)思いながら追体験しました。そして、親の介護をするとは、おむつ交換もすることだと覚悟せよとの言葉・・・、「自立」できてる今の有難さを感じました。そして、オリンピックを見ながら、「弾ける元気と勢い」に感動しています(^-^)
介護ヘルパーは通称、正しくは訪問介護員、一般的にはホームヘルパー(略して、ヘルパー)。その仕事は、家事を手助けする「生活援助」と身の回りの世話をする「身体介護」。藤原るか「介護ヘルパーは見た」、2012.9発行、再読。内容は:①びっくり仰天のオンパレード。それが介護 ②恐るべし、認知症 ③介護でわかる家族の素顔 ④介護を乗り切れる人、つぶれる人 ⑤介護保険制度を上手に利用 ⑥介護業界の現実
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本書は、2012年の9月に第一刷が発刊されている。
介護保険法の成立が2009年で、本書が発刊された2012年には大きな改正があったようだ。インターネットで調べてみると、あるサイトには次の6点が主な改正点とされていた。
①医療と介護の連携の強化等
・24時間対応の定期巡回・随時対応型サービスを創設
・複合型サービスを創設
・介護予防・日常生活支援総合事業について
②介護人材の確保とサービスの質の向上
③高齢者の住まいの整備等
④認知症対策の推進
⑤保険者による主体的な取組の推進
⑥保険料の上昇の緩和
専門家ではないのでわからない部分もあるが、本書の中では①②④に関する内容が印象に残っている。
本書の特徴は、著者の介護職員としての実経験に基づく100ケース以上の事例を題材として、介護現場の実態を生々しく浮かび上がらせている点だろう。もちろんプライバシー等には十分に配慮されて書かれている。
本書の題材となっているケースは、いずれも一般的な常識を超えたケースばかりだ。しかしながら、これは介護の世界の常識のようでもある。
従って、介護の現場に無知な人からすれば、介護の現場の苦労は想像もつかないだろう。逆に、介護の現場の実態を知った者、あるいは正しく理解しようと思う者にとっては、この著者がいかにこの分野のスーパーウーマン的存在であるのかもわかるはずだ。
ケースのほとんどが「認知症」と関係している。上記で言えば④の課題にリンクする部分だ。
劣悪な環境と言われてきた介護の現場にあって、制度の整備、環境の整備、施設やツールの整備などでも改善は進められているのであろうが、本書を読んで、それらの改善と並行で、やはり介護職員の技量の向上が重要であると感じた。
その技量と言っても、主軸となるのは人間的なキャパ、すなわち包容力、忍耐力、利他的な心等であるのだと、著者の振舞から感じたものである。
また、現場に無知なものが制度だけをいじくるのは、介護職員にとっても利用者にとっても好ましくないというメッセージも本書に込められていた。
本書の発刊からさらに数年たっており、これからますます介護を必要とする人口増が予想されているが、素人目にも②の課題は膨張するばかりのように思える。
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いろんな事例がおもしろい。悲惨になりがちなところも楽しんでうまく対応して認知症の症状を改善している。施設も値段が高ければよいというわけでもなさそう。せっかくプロなら改善できるところを、経験の浅い人が対応すれば悪化させてしまうとのこと。今のところそのつもりはないけど、万万が一施設に入れなければならなくなったときの心の準備になった。