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"純恋"新堂冬樹著 徳間文庫(2012/10/05発売)
(注意:2011年10月 徳間書店単行本の文庫版)
・・・男に裏切られ続けてきた風俗嬢と妻に先立たれたショックでリタリン中毒になった元人気小説家との物語。
ダメ男になぜか惹かれてしまう女性がいるのもわからんでもない。
妻に先立たれて自暴自棄になってしまう男もまぁ、ありかと。
作中のような不幸の連続に会う女性も大げさではなくあり。
後半、どちらかが記憶喪失になってしまいますが、まぁ、話を盛り上げるためにはあり。
ラスト、どちらかに死を匂わせるシーンとなるのですが、”うーん、殺されずにボコボコにされて終わりじゃね”という取り方にも出来るかと。
・・・がかつての新堂冬樹なら上記のどの要素もキチンと臨場感を持って書かれていたはず。
まだ、全著作を読んだ訳ではないのですが、未読分では初期作に近い方が期待できそう。
(わたしが読んだ中では”カリスマ””炎と氷”がおすすめ)
文庫版の帯には”新堂ワールドの到達点!「不倫純愛」を超えた衝撃作”"「汚れた者」にしか見えない「汚れなき純愛」”とありましたが、ちょっと大口が過ぎるかと。
あぅ、本書におすすめする要素が見当たらん!あー、風俗嬢がヒロインなんでボチボチ、エッチシーンはありましたわ。(笑)あと、私は元人気小説家という設定に新堂冬樹の半自伝的要素を含ませて読んでいました。まぁ、そうした読み方ができる方にはおすすめかと。(笑)
・・・この文庫版ですが解説がついていないです。ここ最近読んだ他の作家の文庫版には結構解説がついているのですが。解説する価値がない、誰も書きたがらないなどそうした想像も楽しめますね。