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さまざまな心の葛藤を持つ、
私立女子高校に通う少女たちの物語
タイトル通り、合唱するんやけど、
それぞれに感動の涙がある、
心洗われる内容
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著名なヴァイオリニストの娘で声楽家を目指していたが高校受験に失敗。新設の女子校の普通科に進んだ。誰ともかかわらずに毎日をただ過ごしていたが、校内合唱コンクールでの失敗を機に、少女達がそれぞれ心を通わせ、前へ進むようになっていく。
短編それぞれ、一人ずつのクラスメートの女子生徒の物語なんだけど、それが最終章の卒業生へ贈る合唱へとつながる。いろいろなことに悩んで、自意識過剰で、あの時期特有の多感な年頃で。それがとても愛おしく感じる。
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停滞した青春ものとして、現代をきれいに描き出していると思う。ラノベに相対するというか、才能がなくて、でも進んでいく不安がよく描かれている。また連作短編として主人公を変えていくことで、他者との必要以上の関係性を描かなくて済むことから、その主人公のアイデンティティを掘り下げられるので、方法としても素晴らしいと思った。最初に御木元玲が出てくることで、あとあとみんなが憧れたりねたんだりする相手のことをわかって読めるので、敵がいないとも思った。流れをつかむまではそれぞれの内面がつかめないけど、つかんでしまうと一気に青春に戻れるような小説だった。
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3月に入り、受験生の皆さんも長い努力からほっと息ついている時期かもしれません。志望校に入れた方も、そうでなかった方も、新しい生活に自分の道を見つけられると良いですね。
本書に登場する玲も声楽家を目指し音大の付属高校を受験しましたが失敗。普通科高校で自分の行くべき道を見つけられず、著名な音楽家の母とも上手くいかず、クラスの中でも自ら孤立していました。
7音階のお話しの中に登場する学生たちも皆、思春期の中それぞれの心の悩みを抱えて過ごしています。純粋に歌う事のよろこび、合唱を通じて響き合う歌声の魅力、やがて皆、自分の殻から外に出て繋がっていきます。そして玲は本来の目指すべき道へ。
合唱コンクール「手紙 十五の君へ」をアンジェラアキと合唱部の子供たちが泣きながら歌っていたシーンを思い出します。皆の歌がつながった時、いろいろなこころの中の感情が吐露されるのでしょうか。素晴らしい経験だと思います。
仕事を早めに切り上げて図書館に寄ると、受験生の皆さんが机で一生けん命頑張っている姿をいつも見かけす。閉館時間ぎりぎりまで、赤本と格闘する姿、ちゃんと見てましたよ。
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第1章の主人公の御木元玲ちゃんが、だんだんクラスになじんでいって自分らしさを取り戻せて嬉しい。
それぞれの章の主人公たちも、悩みながら合唱をがんばっていて、すがすがしい。
ハイロウズの曲に詳しかったらもっと楽しめただろうな。
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歌を歌えば、見えてくる姿。
合唱とは、一筋縄ではいかない。なかなか心を一つになんてできない。心を一つにしたらいい合唱になるのか、いい合唱ができたら心が一つになるのか。学校行事で、クラス単位で取り組む合唱は結構経験者が多いと思うが、あれを成功させられるかどうかは、やはりある程度のクラスのまとまりが先だと思う。だから、最初のコンクールでの失敗、そしてその後、玲を応援するために歌った河原の合唱、リベンジへの流れがよくわかる。
合唱は、自分の声に気付き、相手の声を聴くことで変わる。それは、人間関係とも共通するところがある。合唱は、学校行事として、ひとつ、取り組む意味があるんじゃないかと、私はそう思っている。
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思春期真っ只中の高校生の心は、花の蕾が徐々に開いていくような感じなのだと思います。
自分に精一杯で、蕾であることにも気づかず、それでいて上に伸びていこうと躍起になったり。
それでもちょっとした刺激が開くきっかけにもなる。そのちょっとした刺激にたくさん出会えるのが思春期だと思います。
「歌を歌うのは私のやり方でしかない」
自分の内側に向いていたベクトルが蕾が開くことによって見えてくる外側に向くことで、今まで気づけなかったことに気づけるようになったり、変化を受け入れられるようになったり。
人生という名の花が少しずつ咲いていく緩やかな時間の穏やかさがどんなときに読んでも心地よい作品でした。
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爽やかな青春小説だった。
自分の学生時代を思い出したりして、懐かしかった。でも、ただそれだけという感じ。もう大人だからなのかもしれない。中学生の時に読んでたら、もっと違う感想が出たのかな。続編があるみたいなので読んでみたい。
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なぜだか不意に涙が込み上げる。辛い状況に置かれた人間に声援や救いの手が差し伸べられるだけで感動するのかな?
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女子高生の連作短編。
若くて瑞々しいなぁ。物語自体はわりとたんたんと柔らかく進んで行く。それぞれの気持ちの変化もスムーズに進んでいくせいかあんまり印象に残らない
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良かった〜♪
挫折を乗り越える ‘歌’ にめぐり合ったそれぞれの物語が温かい。
何を求めて生きるのか、高校生が考え成長していく様が清々しい。
みんなで一緒に歌うっていいなって思わせる話の数々。
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少女たちの青春音楽小説。
初めて宮下さんの作品を読んだ。文章が美しかった。物語が美しかった。登場人物が美しかった。
ただ美しいだけでない。それぞれの視点で描かれる群像小説だが、どの少女も内なる強さ、いや柔らかさ、女性特有のしなやかさ、そんなものを秘めていた。賑やかないわゆる女子高生は登場しないのだが、合唱を通して、どんどん熱量が高まっていって、最終章に一気に爆発。いや爆発一歩手前か。とにかくわくわくは最高潮に。
いろいろ青春小説読んできたが、清く正しい、ある意味王道の青春小説なのかな。読後のすっきり感はすごい。
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宮下奈都さんの物語を手にとるのは初めてでしたけど、カレーうどんをすすりたくなったり、「千年メダル」をDLして聴いたりとすっかり影響されてしまい、読後感も良かったんのですが、女子高生は経験していないせいか感情移入が難しかったかなと。
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今年の本屋大賞受賞作家(作品名 羊と鋼の森)ということで興味を持ち、初めて宮下奈都さんの本を読んでみた。
初宮下作品は何にしようと迷い、ここのレビューを見て、ちょうど合唱がテーマのものを見つけて即決。
女子高のあるクラスの短編連作。一章一章主人公が変わりながら繋がっていくのが良かった。
ちょっと燃焼不足感は否めないけど、歌の良さは伝わり、合唱をやっている身として、やっぱり歌うことは楽しいし幸せだ!と思わせてくれた。
続編の終わらない歌も読んでみたいと思った。
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女子高を舞台にした連作短編×群像劇。
部活ではなくクラス合唱がストーリーの核になるのが新鮮。
音楽は、人によっては生きがいであったり呪いであったり、またあるいは全く興味のないものであったりするもの。
だから熱心に伝えようとしても全く響かないこともあるし、ちょっとしたきっかけで心を動かしたりもする。
きっと音楽だけではなく、人生はそういうモノであふれている。誰もが既視感を感じられそうな物語。