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電子書籍
配置から次元まで色んな構図について
2020/10/08 22:26
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
単純に絵画の配置だけを説明しているのかなと思っていたら垂直や平行、線や点、二次元や三次元などありとあらゆる構図について解説しているので面白く読み応えがあった。取り扱う作品も幅広くて勉強になりました。
紙の本
絵画に感動する、そのもととなっているものが何かという話
2015/07/26 14:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵画をはじめとする美術作品を鑑賞する時に、何をどう見ているのかといったことは深く考えず、漠然と全体の印象であったり、言葉にするのはむずかしいが作品の一部に何か惹かれるものがあったりして、「ああ、いいなあ」とか「これは何だ?」といった感想を持つのだと思う。それが、美術鑑賞というもので、そこを敢えて言葉にするものではないというか、言葉にできないものをそのまま受け取るという行為のように思っていた。
それが、この本のタイトルは『絵画がわかる』となっている。
絵画がわかるとは、いったいどのようなことなのか。
著者は言う。
「絵には、現実世界とは別の、絵画という文法があります。
私たちは意識してか無意識であるかは別にして、その「文法」を通して、絵を描き、読み、鑑賞しています。」(p.4)
描くことも含めて、絵を鑑賞する時にこの「文法」を意識するということが「絵画がわかる」ということになるらしい。その、絵画の文法を取り出して、説明したのがこの本というわけだ。
絵画の文法を、「点と線」「形」「空間」「次元」「光」「色彩」といった切り口で示してくれている。言われれば当然と思うことや、まったく気づきもしなかったことが出てくる。
線や形といったものは昔から言われていることで、学校の美術でも習ったことかもしれない。ただし、そこに重力の問題や、地球の自転や公転の話まで絡んでくるとは思ってもみなかった。
「空間」や「次元」の問題となると、さらに興味深い。
絵画は二次元だが、そこに描かれているものは三次元のものなのだ。三次元のものを二次元にいかに落とし込んでいくかというのが絵画を生み出す者のテクニックということになるのだろうが、それがうまくいった時に「三次元の奥行きやかたまりというイリュージョンがうまく描かれると、驚きが生まれる」(p.106)ことになるのだ。その時に光をどう表現するか、色をどのように使うかという観点が生まれるようだ。
このように、特に絵画を観る時に重要なポイントを非常にわかりやすく示してくれるのが本書なのだが、最後の2章「第7章 人体を描く」「第8章 美術解剖学」になると趣が変わる。著者に言わせると、「人体もまた、構図の源泉」(p.194)ということだ。
実はこの最後の2章こそが著者の専門である美術解剖学を知る手掛かりとなると思う。
これを一言で言うのはむずかしいのだが、絵画をはじめとする美術作品を生み出したり、鑑賞する時に、人間などの生物の骨格など解剖学的視点が必要だということだけでなく、もっと作品そのものの存在の仕方を規定しているもの(それを、本書に則って言えば「構図」と言えるのかもしれないが)を分析する学問領域だと言えるのかもしれない。
最初に書いたように、絵画など美術作品は単に「いいなあ」と思えばいいのかもしれないが、その感動を生みだしているものが何かということを知るのもまた面白いことだと思う。
電子書籍
構図も大切なんだと再認識。
2015/08/31 16:59
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投稿者:くろねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵画に無知であるため、画家達がどのような構図を使っているのかこれまで全く知らなかった。次に美術館へ足を運ぶ際の参考になると思われる。
紙の本
構図
2019/06/30 14:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る
美術に理解が無い人にも、絵画の素晴らしさを伝えたいという作者の、美術の専門家としての強い意思を感じました。「名画って、どのへんが名画なの?」とか、「ピカソの絵って、子供が描いたみたい」とか、言われることを苦々しく思っているんだなぁと思わずにいられませんでした。最近は、絵画が描かれた当時の習慣や、描かれた人物の生涯(神話上の人物なら、持物などから見分ける方法など)を解説する本を書店でもよく見かけますが、そのような社会的・物語的な見方とも一線を画したい、純粋に絵画の絵としての美しさを伝えたい、と思っているんだなぁとも感じました。
線遠近法、色、光、など、中学の美術でも習うような絵画の基本的な要素が美しい写真とともにカバーされています。この本を読んだ後では、駅のポスターや中つり広告も「あぁ、これってこの本に出てたアレだな」と思いながら見ることができて楽しいです。ただ、「構図」という言葉が多用されていてゲシュタルト崩壊を起こしそうになりました。なんでも「構図」ってつければいいと思っているのか!とツッコミを入れたくなりました。
後半は構図の話から脱線している部分があり、評論としてまとまりを欠く文章になっています。大学には、その場の思いつきで話しているようにしか見えない講義をなさる先生がいます。そういう先生の話はだいたい面白いのですが、布施先生もそのクチなんでしょうか。論文としては受け入れがたい部分がありますが、解剖学に興味のある美術評論家の先生の講義を聞いているような感じで楽しむのがよいと思います。