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いつか帰りたいぼくのふるさと 福島第一原発20キロ圏内から来たねこ みんなのレビュー
- 大塚 敦子 (写真・文)
- 税込価格:1,650円(15pt)
- 出版社:小学館
- 発売日:2012/11/07
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絵本
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紙の本
帰る場所を失った動物の心の叫びが聞こえてくる本である
2013/02/08 17:30
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投稿者:めだかの兄弟 - この投稿者のレビュー一覧を見る
地震、津波、原発事故・・・たくさんの爪痕を残した東日本大震災から、早いもので2年が経とうとしている。とりわけ原発事故では、事故から1年半たったいまでも、多くの動物たちが警戒区域内にとりのこされているという。救出された動物も、飼い主が見つからなかったり、見つかっても避難先では飼えなかったりで、どこのアニマル・シェルターも行き場のないペットたちであふれかえっているそうだ。著者は、この悲惨な状況について、インターネットや本では読んでいたものの、目の前の仕事に追われ何もできないでいたという。だが、せめて被災猫を引き取ろうと思い、動物愛護団体のホームページを見て出会ったのが、この本の主人公の「キティ」であった。この本は、キティと同じ目線で、福島のこと、事故のこと、原発について、見て考えさせられる1冊である。
この本の語り手の「キティ」は、自己紹介に始まり、どこで生まれて、どんなところで育ち、育った町にある福島第二原子力発電所のこと、そして地震のこと、原発事故のこと、誰もいなくなった家のこと、つぎつぎと死んでいく動物たち、救出にきてくれたボランティアの人、引き取ってくれた人(著者)のこと、病気になり外に出られなくなったこと、家族との再会など、放射能で汚染されたふるさとに思いをめぐらしながら、いつか帰れることを願う物語である。
福島県双葉郡の大熊町で生まれ育ったキティは、避難先の仙台に住む家族と再会後も、東京で暮らしているという。キティの家族であるおねえさんが、動物愛護団体の保護情報ページにのっていたキティの写真を見つけたことで、やっと再会できたものの、避難先では一緒に暮らせないようだ。この本で知り、初めてインターネットの保護ページを見てみると、キティと同様のペットや、飼い主がいまだに見つからないペットが多い。短期間の避難ならまだしも、いつ帰れるかわからない状況では一緒に暮らしたくても叶わないのだ。ふるさとにかわる居場所が見つかり、たくさんの問題が一刻も早く解決することを願うばかり。
私は、<原発は安全だ>と、原発事故が起きるまで、なんの根拠もないのに信じていた。だが、“絶対”はないということを教えてくれたのも、原発事故である。はるか昔の時代から、ご先祖様たちがコツコツと積み上げてきたものが、原発という“武器”によって瞬く間に破壊されてしまうことの恐怖を、この本は教えてくれた。原発事故によって、築き上げてきた居場所がなくなることがないように、原発問題、エネルギー問題など、二度と同じことが繰り返されることがないように・・・見聞を広め、自分に何ができるのか見つけていきたい。
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