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紙の本

過去からの脱却

2015/09/30 15:01

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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

高校一年生の瀬野大介は、ずっと他人を避けて生きてきた。小学生の時、加賀屋剛にいじめられていた初恋の女の子、硯川叶を助けようとして、逆に傷つけてしまって以来、両親からも避けられ、一人で生きてきた。その原因は、彼の持つ《言技》だ。
 五十年以上前、世界で初めて言技《石に花咲く》を発現させた世村七郎が世界を変えて以後、新しく生まれてくる子供たちは、諺に由来した異能力を発現出来るようになっていた。大介のそれは《飛んで火に入る夏の虫》、危険を察知出来る代わりに、危険に飛び込めば自分が燃えてしまうという、マイナスな《言技》だ。

 そうやって他人にかかわらず生きてきた瀬野大介に、《袖振り合うも他生の縁》綱刈きずなが声をかけてきて、無理矢理友達になろうとする。彼女は友達一万人を目前に控えた少女だった。
 そして、友達の社木朱太郎や村雲照子を差し向け、彼の言技が危険ではないという噂を広め、委員長の九頭竜坂育も巻き込んで、大介に普通の高校生としての生き方を与えようとする。それは上手くいくかと思われたのだが、市誠十郎という言技使いが街に混乱をもたらすことで、大介はあえて危険に飛び込む決断を下さねばならないことになる。

 他人と自分を傷つける異能力で失敗したことで、他人を避けて生きることが正しいと思った少年が、とにかく友達を一杯作ることが正しいと思っている少女によって、日向に引きずり出されるという話だ。
 正直言って、九頭竜坂育や村雲照子は今回のエピソードでは特にいらないと思うのだが、巨乳要因やエロ要因として動員されている模様。次巻があれば、彼女たちの存在意義があるストーリー展開を望みたいところだ。

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