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むむむ…、本を読んでこんなにたじたじとなったのは久しぶりだ。思わず腰が引けそうなツワモノ二人の対談。いやまったくお二人とも強いですねえ。ずば抜けた知力(これは上野さん)や女の魅力(これは湯山さん)をひっさげて、男社会で活路を切り開いてきただけにその迫力は半端ではない。ここに割って入れる男性がいたらお目にかかりたい。
まあ、この並々ならぬ押しの強さが、本書の魅力でもあり、ちょっと堪忍、というところでもある。政治からセックスまで、ここまであっけらかんとオープンに語られると、ある種の清々しさはあるが、辟易するところがないでもない。それは十分わかった上で二人ともズバズバおっしゃってるんだろうが。とにかく、うじうじのそのそしているとバシッと怒られそうな雰囲気が充満している。気の弱いワタシなんかは泣いちゃいそう。
フェミニズムの論客の方が書かれたものを読むとしばしば、理屈の上では全くその通り、と思いつつ、なんとなく諸手をあげて賛成する気になれないのはどうしたわけか。他罰的な物言いとか、論破は巧みでも共感を誘わない批判の仕方とか、ちょっとなあと思うことが目につくように思う。本書で上野さん自身も、自分の論陣の張り方は「根に持たれる」とおっしゃっていた。まったくわかっちゃないヤツは土俵から蹴落としてやったらいいと思うが、一緒に考えてくれそうな相手なら、すこーし歩み寄ってもいいのではないかなあと、甘ちゃんの素人は思ったりする。
もちろん、フェミニズムが従来の思考や文化の枠組みそのものに対しての異議申し立てであるとするならば、その姿勢が非妥協的になるのは当然のことだろう。その意義は軽いものではないと思う。もっと言ってやれ!と快哉を叫んだことも数知れず。「劇薬」は飲み込みやすくないということかしらん。
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読んだし、面白かったのだが、内容要約がしづらい本。
セックスよりオナニーの方が秘匿性が高いとか、個人の持つ文化資産とは何かとか、あきらめて考えないことにする日本人の国民性とかが、カラリと語られています。全然湿っぽくないです。
おぼえたのは「そう来たか」という受け答えの便利さ。
相手が想定内の返事の中でやや予想確率の低い答えを返した時も、まったく想定外のことを言った時も使えて、本当は思ってもみなかった点を突かれたとき、予想の範囲内であったふりをするときも使えます。
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いちいちうなづきながら読み進めた。痛快!
私たち世代の生きやすさは、この人たちの手から譲り受けたものだ。感謝しなければならない。
ただし、文化資本に恵まれたふたりの対談には、どことなく特権的なかおりもする。それは読み手の問題だから仕方ないのだけれど。
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上野千鶴子さんと、今まで知らなかったけど湯山玲子さん、の分厚い対談。
めっちゃ自由に、好き勝手にしゃべってる感じがして、そこがいいなと思いました。
内容はというと、やはり上野さんが好きそうな話。現代女性のサバイバル術、とか。それにしても、二人ともぶっちゃけすぎ(笑)
女のひとのほうが、どこへ行っても身を低くすることができるから、生き延びやすいのは女のひとである、という理屈がめちゃくちゃしっくりきた。
自分も最近そういう風に感じる。だから女のひとは強いなあと思うねんなあ。
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こういう本を読んで、女性の考え、特にこの本は子どもがいない女性の考えを深く知ることができておもしろかった。
p88 大人であるあなたの幸せは、まずどうなんだと。日本では、大人が自分のために、トクな選択をすることが、憚られるのか。そうまで、イイコでいたいのか、というね。自分の生き方を自分で決められなかったり、自分の欲望をきちっと見つめないでいたり、現状をうやむやにしてることの責任転嫁に、「子どものために」を使ってる狡さを感じるんですよ。
いやあもうホントにその通り。子どもを自分の人生の決断を後回しにする免罪符に使ってはいけないよね。
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読みながら頭に浮かぶのは、「ターミネーター」が警察署に突入するシーン。両手に武器を持って現れる相手を次々に撃ち殺していくところ。しかもそれが二人。合わない〇〇系フェミも撃ち殺される。
いつ自分が撃たれるかという居心地の悪さ、というより怖さを覚えながらもがんばって読み進めていくと、楽しい8章が待っていた。でもここから読んではいけない。そこまで乗り越えてたどり着いたからこそ幸せがあるのだ、と思おう。読み返しませんがね、多分。
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ハイソサエティな人生の先輩お二人が女や快楽や加齢について語り合う対談集。
著者のお二人はものすごく頭が良い方々で、自分には理解しきれないとこもちらほらだったけど、ご自身の体験から赤裸々に語っているからおもしろい。
フェミニズムについてはまだまだ不勉強ですが、こんなにパワフルなアラフィフ、アラシスもいらっしゃることですし、年取るのが楽しみになりました。
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上野千鶴子と湯山玲子による対談。
震災後の生き方や考え方について語ってるんだけど、生きるための根本はそうは変わらないのかも。
タイトルからもわかるように、快楽にまつわるあれこれ。
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上野千鶴子さんの本をすべて読んでいるわけではないですが、この本も今読んでいるみんな「おひとりさま」も、ご自身の振り返り、生い立ちや研究者になるまで、研究テーマの変遷などが語られています。同世代を見渡しても、大学の専任教授としてずっと一線で活躍した女性は珍しく、退職を機に、履歴を語らないとという思いを垣間みるようでした。
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湯山:向上とは人間の質として、より思慮深くなり、自分の体験に即した強い言語を持ち、全人格的に成熟するという意味。
上野:文化資本とは、すべてのおカネや財産を失っても、どんなところに行っても、どんな状況になっても、決してその人から奪えないスキル。その中に音楽のスキルも含まれる。
応援団作りの大切さ。
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やはりエリート、いわば社会の勝ち組女の系譜なのです。しかし上野女史の学者としての総括対談でもあるので、面白く読みました。
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痛快な語り口が気持ち良い。のに、雑ではなく端迄読んでる発言に感心したりもする。ごもっともな意見多数だが、納得の上で「そりゃそうなんだけど今は今なんで過去(または環境)はどうしようもないんです〜」と惰弱な上目使いもしばしばしたくなる。あとしいて言えば主題が不明。それでも構わないものだし、楽しく読みましたが(笑)
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一冊まるっと対談の本って全く読んだことがなかったのですが、これはもうカフェ、あるいは居酒屋の隣のテーブルで繰り広げられるガールズトークをこっそり聞いて「そうそう!」「え、そうなんだ?」と密かに自分も参加しているような、興味津々、野次馬感覚丸出しで読んでしまいました。
個人的にはおひとりさま道を爆走中なので選択縁のお話、深く肝に命じておこうかと思います。
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教養が体幹にあると、一見ただの女のダベリのようなものでもここまで昇華させることができるという典型のように思いました。
話の内容は時にどちらもキョーレツで、それはオブラートに包まずに語っているからそう見えるのだけど、包まずに語ることでしか伝わらないという「当たり前のこと」を実践し共感し合うサマがとても素敵に感じました。
お二人とも、多くの言葉を使いこなしていて、非常に参考になりました。
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実は先週、同じような対談形式の「ダメをみがく: “女子”の呪いを解く方法/津村 記久子、 深澤 真紀」を斜め読みしたんだけど、いまいち頭にはいってこなくて、この本もどうかなーと思いながらさらっと斜め読みして読んでみたら、思ったよりおもしろかったので、もう1回さらっと読み返した。
対談形式って、いろんな用語がポンポン出てくるので、事前に話し手の人物像とか著書を知っていたり、ある程度の社会のトレンドを知っていないと、正直ついていけない。
私は彼女たちの著書は読んでいないし、フェミニズムとかジェンダーもよくわからない。TVはほぼアニメと映画しかみないしw
新聞とツイッターをやっているからかろうじて分かる部分もあるんだが、つくづく自分は社会を知らないで生きてると思った。
でも社会を知ることは「常識」を知ることじゃない。
様々な価値観を知ることだ。
この本の彼女たちの発言に共感できるとかできないは問題ではなく、いろんな意見、価値観があることが知れてよかった。(だから他の人の感想を読むのも好きなのです)