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世界は常に移ろうようだけど、それは自分もしっかりと含まれた上で移ろっている。
自分の一挙一動が世界を変え続けている、というのも、ある意味では過言ではない。
そんな風に思わせてくれる小説だった。
あと、言葉のチョイスがすてき。使い古されたものを微妙に、ほんとうに微妙に外している感じが心地よい。
例えば、「はなればなれ」と言いそうなところを「別れ別れ」と言ったりする。
そのあどけなさが、心を打つ。
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短歌をよむ人なのでもう、言葉の選び方は一級品。
そうしてそうだなぁ、あたしがこの本を勧めるとしたら、高校生の女の子とかじゃいかなと思う。
感受性が強くて、目から文字を読み取り、そのやわらかいココロできっと、音としてのコトバも汲み取るような気がするから。
オノマトペもてんこ盛り、食べ物や風景の描写もとても丁寧。架空のお食事なのにもう、おなかがきゅうきゅういう。風景もそう。あぁ、あたしもそこにいたいのに。
でも女子の先輩(いやさ大先輩!コホン)として一番、これからの少女に勧めたいのは、描かれている人間関係のあまりのやわらかい甘さ。
名前がずん子、とか水晶子、とか変わっているけれどそのちょっともさっとした名前の少女・女性たちが織り成すやさしい人間関係:恋人同士、女の子同士の友情、親と養子、行きずりの関わり方、など、など。
ココロが疲れたとき、ささくれ立ったココロにガーゼをやさしく巻いてくれて、膝枕をして毛布にくるまれて背中をとんとん、やさしくたたかれているような。そんなやさしさにまみれた甘い夢を、みられる小説。
あたしが一言でこの小説を紹介するとしたらやっぱり、
あまいオノマトペに彩られた、
やわらかい愛だけの物語。
だからあなた、疲れて泣きたいときには、ここにおいで。
あたしが読み聞かせてあげるからね。
さぁ、たくさんオヤスミ。
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言葉の選び方がそれはもう、軽やかで。SFというにはあまりにふわふわしていて、でも夢物語と言ってしまうには切なさも哀しみもリアルに詰まっている。ひとのなまえすら、音としてころころ転がっていきそう。しかし「フェザースター」と聞いて某魔法少女を思い出した自分がちょっと悲しい。。。
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完全ジャケ買い。というか実は背表紙買い。名前も前評もまったく知らずに衝動買いしたけど最高の出会いだった。
17歳的な、刹那的で繊細すぎて、やたらと死や孤独や痛みに甘く魅かれていくかんじを的確に描ききってる。美しすぎてかっこよすぎてやられました。とってつけたようなガーリー商業の人たちには100回読んでも一行も理解できないであろう、真のガーリー魂ここにあり、です。
相対性理論(やくしまるえつこ)とか穂村弘的な世界だなーと思い、短歌界出身ということで穂村弘の影響を受けてる次世代?と思って何気なく調べたら、なんと手紙魔まみのモデルであったことが発覚…。衝撃!!
こんなところでつながるとは。
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大切なことばかりが、こぼれそうなほど純粋にちりばめられている本。
twitterでいろんな人の短歌が紹介されている中にこの人がいて、一目で恋に落ちた。ちがうかな、激しい感情の動きというよりは、すとん、と、私が筒だとしたらその中身の空洞そのままの大きさに、この人の歌は入ってきてしまった。何首も、何首も、見るたび見るたび、ああ、これだ、と思うものばかりだった。
どうしてこんな、しっくりくる言葉があるんだろう。どうして私はこんなふうに歌えないのに、こんなに奥まで入ってきてしまう気がするんだろう。
この人の言葉なら、ぜったいにだいじょうぶという、確信があった。装幀まですてきなこの本を買った。こんなにわくわくする本は久しぶりだ。
繙いて、やはり、間違いはなかった。
モンツンラとクロージョライ。ワンダーピロー。電。水晶子。タタンバーイとララクメ。
ひとつひとつ人の名前が冠された掌編はとてもまぶしく、それでも今にも失われてしまいそうな儚さに支えられてはいない。これらの物語を支えているのはむしろ逆、世界に対する揺るぎない信頼のように見える。宇宙の中に自分がいること、皆がいること、愛しあうこと、それはみんな一つのことで、死さえも断ち切ることのできない永続によって一人一人の宇宙がつながっている。その安心。人を愛することにためらわないで、と、伝えている。
手にふれるもっとも近いところに現実世界はあるけれども、それでも私は、巨視的には宇宙の中に生きている。この登場人物は、みんな私だ。私の愛すべき分身。世界の隅々までひろがって遠くから感覚を伝えてくれる。
私の、ベスト3に入るくらい大切な本。読む前から、もうわかっていたけど。
ーーー
モンツンラとクロージョライは、どうしても特別。ラスト付近のあのセンテンス、きづくと口ずさんでいる。
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現実とは違う世界。けど、誰もが知っているキラキラした世界に感じられる夢心地な一冊。
登場人物の性別や年齢を超える「他人を感じる•感じたい」の真っ直ぐな気持ちが清々しく心地良く感じた。
気持ちを向けられた側の疑いのない姿勢も可愛らしい。
一つ一つは短い話だけどファンタジーが好きならば、長い余韻を手にできると思う。
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人の名前の奇抜さにびっくりしたけど不思議と受け入れられる。素敵な人達ばかりで読んでて楽しかった。もっと小説書いてほしい。
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ほーんの少しSFチックな雰囲気を出しているファンタジー。登場人物の名前がみんな奇抜でびっくり。「草野ずん子」というおはなしが一番痺れました。
この本、装丁がとってもステキ! PARCO出版の本、というかんじ。本文が角丸なのがお金かかってるなーと思いました。デザインは、やっぱり名久井さんか〜。と納得。
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キラキラ感満載。独特の表現なのにすっと入ってくるのは、誰でも自分だけの不思議ワールドを持っているからではないかしら。
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不思議な物語の短編集。
SFテイストや恋愛テイストがミックスされた面白い雰囲気。すばらしいのは描写。この作家さんならではの個性がキラキラしている。
女子っぽいのに爽やかで、嫌いになれない作風。
クロージュアイ、電姫、ことざくら、あとタイトル忘れたけど最後の宇宙のはなしがすばらしかった。
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まず装丁が愛らしくていとおしくなる。
SFっぽい、SFと言い切るには日常っぽい、でもこの世界とはちょっとだけ違うパラレルな世界観で、読みながら映像を思い浮かべるのに、今まで見たり読んだりしたSFの、映画や漫画や本やイラストの記憶を総動員した。
誰かを想う気持ちが、色んな形で表されてる短編集だと思う。
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キラキラした描写と不思議な響きの名前、ファンタジーなようで日常的でもある表現、ガーリーな世界観のオンパレード。
設定はファンタジーだけど、登場人物たちはその世界の中でフツーに暮らしている様子がありありと浮かぶよう。
短歌からも小説からも、雪舟えまは「愛」というテーマがとても好きなんだと伝わってきます。
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夢から覚めるとまるで筋が通らない、それでいてまたその続きの世界に浸っていたい、そんな感覚の読み心地。どの短編も新鮮でした。なかでも気に入ったのは、仲の良い里子の親子『越と軽』平安朝のような『電』。
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雨になって街に降り、人の感情を感じ取る女性の物語が詩的でとても良かった。(「草野ずん子」)
ろみ雄とずん子のひとつになる様子を「旅」と表現し、二人で街に降る時の情景、心情描写が良い。感情を雨に喩えて「降る」という発想が気に入った。誰かとの交わり方をこれほど美しく静かに、そして少しファンタジーに描いた作品を初めて読んだ。雪舟えまさんの作品はジャンル分けしにくいところが面白い。他にないジャンルだと思う。
静かな大人の恋愛を描いた一編。
もちろん、他の作品もネオ日本という感じがして良かった。
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だれかの幸せとわたしの幸せと、どこに違いがあるというのだろう。
いや全然違うでしょ。全然違うのだけど、なぜか否定できない。呆れるほど無防備で、悲しいほど優しい。なかなかのパワーワード。
上の一文を許容できるかどうかでおすすめできるかが決まるような。僕は衝撃を受けた。自分には絶対に書けないものに憧れを抱いてなにが悪いのだ。
そんな意味のわからない感性に彩られた短編集。少し不思議のSF要素と歌人独特の言葉選び。とても満足な一冊でした。