紙の本
じっくりと縄文の世界を感じられる写真集
2015/02/01 14:59
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
とてもインパクトがあるカバーの像は秋田県で発掘されたものだそうです。
縄文時代の作品は、このように力強くて現代美術にも通ずるものが多いように思います。本書は縄文時代の発掘品を広範に集め、縄文の文化のイメージを写真の集まりで作り上げてくれるものです。
土器、石器、武器や装飾品。資料の数だけでも圧巻ですが、大ぶりの写真集なので迫力もあります。掘りだした現地の写真、当時を想像させるような森の写真なども、想像する手助けになってくれるよう。現代でも通じる感性を感じたり、失くしてしまったものを見る気がしたり。なかにはどこか遠い国の遺跡の物を思わせる形があったり。じっくりと私たちの先祖の世界をみせてくれる写真集だと思います。
投稿元:
レビューを見る
縄文時代の各時期を代表する土器・土偶の優品550点を美しいオールカラー写真で紹介する最新の縄文図鑑。専門家による簡潔な解説と、出土遺跡・収蔵先リスト付き。
投稿元:
レビューを見る
縄文人の前に縄文人なし、縄文人の後に縄文人なし。今日まで続く日本人の造形、装飾文化のなかで、縄文人だけが到底同じ民族だとは思えないような粘着質で大胆なセンスを持っている。まるで突然宇宙からやってきたエイリアンがもの作りを始めて、弥生時代の前にいきなり宇宙にトンズラしてしまったかのように、弥生時代からこっちの日本人は全くあのセンスでものを作らなくなる。盛ろうと思っても盛れない、空間をびっしり埋めようと思ってもヨーロッパやアラブのそれのようにはいかない。アフリカのように大胆にもならない。あっさりすっきりとシンプルで余白の多い造形が、弥生以降の日本人の共通のセンスだ。
一体縄文人って何をお手本にしてこんな大胆な驚くべき造形を編み出したんだろう?(何かヒントがないと人間というのは創造できない筈だから。)
五感を通して外の世界からインプットしたものをどんなふうに頭の中で捉えたらこんな造形にアウトプットできるんだろう?同じ自然環境の中にいる筈なのに。同じ日本人の筈なのに。弥生以降の日本人には全く失われてしまった造形センス。多少なりともDNAには組み込まれているとは思うのだけど…。
投稿元:
レビューを見る
解説はごくアッサリ。被写体の分量がものすごいですが、たとえば著名な意匠(遮光器土偶や火焔型土器)も1体しか発見されなかったのでなく、何十個も並べられている様子をみるとそんなに量産されてたのとビックリ(゚д゚)!します。むろん国宝になっている代物はその中でも一番の完成度してる造形なのですが。矢尻とか美術品にまで達していない作品もたくさんありますが、そこはご愛嬌ということで。イノシシの人形や文様に覆われた手のある魚?のような不思議な土偶もあります。写真集なので通読は1~2時間で可能ですよ
投稿元:
レビューを見る
写真の分類が分かり易い。文化の発達したものを時間軸をわざと揃えずに集めてある印象だった。
それは文化の伝搬が地理的要因に依存し、〇〇年前、のように現代を起点とした時間軸で揃えるこは精神性や表現の発達を類型的に見ていく上でナンセンスであるからかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
たのしい。不思議とエネルギーをもらえる。
一つ一つ、一工程に、命への祈りや願いを込めて作っているのだろうなと感じる。
だから今でも不思議な魅力とパワーがあるのだろうなと思う。
物にも魂が宿る、という日本の思想の源。
私は職人気質なのか黙々作業が大好きなので、こういう精力的なものづくり生活は気持ちいいだろうなと、憧れる…。