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食文化を扱う本は何冊が買ったことがありますが、レシピだとか美食の本ばかりだった気がする。バルが流行っているとか、東京のワインバーを特集したものなぞは私から一番遠い分野の本や雑誌に違いないと思っていました。外食産業の流れがどうなっても、今、行っている店に通うだろうし、いきなり、ガイドブックを持って立飲みするとも思えません。
ところが、『外食2.0』のネーミングを見て、どうせ2.0ブームの便乗だろうと思いながらも、きっと異なる世界を見せてくれるだろうとの期待感から、即買し、目次の「レストランがメディアになる」を見て、はじめにを読んだところで、「料理通信」を買いに本屋へ戻りました(笑)。
本書は「レストランが減り、バルやカフェが増えたー。また、世界的に見れば、フォアグラより野草がトレンド」(8頁)という背景を考察し、「「味わう技術」をより深く探求した」(同)ものです。画期的ですね。2.0を付けるのも納得!
本書のテーマである「味わう技術」について、著者は、『パンラボ』(池田浩明、白夜書房、2012)からヒントを得たようです。「この本を一読して、私の頭をよぎったのが「味わう技術」という言葉」(69頁、電子書籍だとリーダーによって頁が異なるので、これからは頁を書くのはやめようかと悩む。)だと言っています。
(注)
2012年5月12日に恵文社一乗寺店で『初夏のパンラボ祭り』があり、「パンラボ」という言葉も始めて知りました。
とりあえず、私はこのての本が分野を問わず好きだったのが分かりました。
料理を作る人も食べ歩きが好きな人にもオススメです。食文化の今が切り取られています。
ちょつと先が見えるのがいい。
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献本いただきました。
外食、いわゆるレストランの業界がどう変わっていってるのかが書かれています。
色々な点で変わってきているんだなぁ、、と関心しました。
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この本に登場するレストランもバルもほとんど行ったことがなかった。ショック!美味しさの本ではなく、基本的にはマーケティングの本なのに、
ここまで食べたくさせるとは。さすが『料理通信』の編集長。
バルのビジネスモデルの追求が、フレンチに影響し、いい効果を出しているとは思っていたが、「2.0」を標榜出来るほど、進化していることがよくわかる。
外食もシェフが与えるparfectionな料理から、completenessを作り上げるように、「アテナドクトリン」的に変化しているのだと思う。
盗む技術から、シェアする技術にガストロノミーが変化していることは感じていたが、まだまだ、知らないことが多いと感じた。
勉強が必要だ。でもそれには、お金とメタボが心配。
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"料理通信" 編集長による外食についての一冊。料理人のスタンスごとに分類された店の紹介が新鮮。バルなどミニマムになりつつある日本レストラン経営の話や、日本人の特有のうまみの味覚についてなどの話、そして日本の飲食店の流れがざっくりとわかる。
おいしいとは個人の経験値によって異なるとても曖昧な言葉。ほっとする安心したおいしさや、新境地をめざす新鮮さ驚きといったおいしさ。いろんな"おいしさ"がある。そういった内容でジャンル別されたレストランの紹介も面白かった。
自分にとって響いたのはおいしいものを作りたければ、いいものを食べろ。食のセンスは全てのセンスにも繋がる。とのこと。
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外食の新しい形を提案したかったのだろうけれども、その結果として業界の「流行り廃り」な部分を印象付けてしまった。
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料理通信編集長によるオーナーシェフへの取材に基づく外食所感。
しばしばレストランをお茶室で表現する箇所があり、小さなレストランを4畳半としているけど、2畳の茶室も存在するのでいまいちピンと来なかった。
私自身、レストランの役割についていろいろ考えているタイミングだったので参考になった。
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外食の奥深さ・面白さを改めて考えてみたくなる本。
著者の君島氏(「料理通信」編集長)による近年のレストランを中心とした外食産業の傾向から、レストランや料理人の変化・日本や世界の食への関心の変化などが綴られている。
また、(取材により聞き出した)料理人の本質、料理に対する姿勢などにふれ、著者が体験談を交え考察する部分などは興味深い。
栗の剥き皮が盛られ、霧箱で登場した栗のデザート。
剥き皮なんて?と思いながら、料理人の言葉「おいしいと思う感覚は味覚だけでなく記憶と結びついている」—に思いをはせる。
剥き皮の役割。
食の世界はこれほどまでに芸術的で面白いのかと...。
日本人は味覚が発達しており食文化が豊かであること、これは誇りに思ってよいんだなという風に思えた。
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外食シーンが、ただの食事から「情報」に変容した。食産業にはあまり興味は無かったが、本書を読んで「外食」もつねにアップデートを遂げていることを知った。
それを担う料理人たちの様々な創意工夫、努力も垣間見ることができる。日進月歩の世界に変わりはないが、ITなどと大きく異なるのは、自然を相手にしているということ。人は絶対に自然には抗えない。自然と共存しつつ「食」をアップデートしていく難しさと魅力を知ることになるだろう。
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この本を買った人には電子版が無料、という特典が付いていた。残念ながら期間限定で、その期間が過ぎていたが、所有は紙で、読むのは電子版でというのはひとつの理想かもしれない。
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外食の世界のいま、が興味深くてわくわくした。
やっぱプロな人の話はおもしろい。
編集者として専門分野ってほんとは必須なんだろうな、とくに東京では。
それを突き詰めていく著者の姿も気持ちいい。
『料理王国』の編集者の立場を捨てて、
『料理通信』を立ち上げたんだろうな。
より新しくてより深くてよりおもしろい世界を
切り開いて伝えたかったんだろう。
かっこいいと思う。
刺激的だったし、
なにしろ飲食店取材も行う身として、勉強になった。
本の感想にはなってないけど・・
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「学習が必要なおいしさ」にはなるほどと思った。飲食店のメディア化が進んでいるというのも興味深い。飲食店も料理人もただおいしいと思えるものを提供するだけでは生き残れない時代に入りつつある。
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『料理通信』編集長の君島佐和子さんの著書。
毎号ではないけど『料理通信』はたまに買う雑誌。
お料理の雑誌って見るだけでも楽しいのよね。
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さすが食産業のプロ。今まで食べることにこれほど真剣に考えたことがなかったので新しい気付きがたくさんでした。
1.レストランがメディアになる
バルは町のちゃぶ台・・・今まであった町の立ち飲み屋とか定食屋が高齢化でたたむ一方不景気で転職組が世代交代したっていう印象。
坪単価でレストランの姿勢をみるってのはいいかも。
外食=「ハレ」だったのが今はたぶん核家族独身の増加でレストラン=ハレ、バル=ケなんだろう
北欧・日本は自然に対するかかわり方が似てる?→北欧型地産地消の料理が今後普及していく?(フランスは造形美・決まった形にするのでそのアンチテーゼ)
ネット社会になって料理が情報になる(FBや食べログにかきこむし、料理人のほうもFBで情報提供する時代になった)
2.おいしさは更新される
おいしいには2種類。体が無条件によろこぶ(たんぱく質・糖質・脂肪)おいしい(ex.シュークリーム)、学習が必要なおいしい(そば、和菓子、トリュフ、知らない外国料理)これがアメリカを通すと普及する(多民族国家だからそれに合うようカスタマイズされる)
う~ん目からウロコ(゜o゜)
さらに2種類 精神的なおいしい(ママの味)と芸術的なおいしい(レストランなどでうける衝撃)
2つのマニア 味わうマニア(たべあるき、これは芸術的なおいしいを見つける)と作るマニア(素朴系女子これは精神的なおいしいがみつかる)
3.外食はおいしさの先を目指す
シェフは料理以外もマスターしてどんどんマルチになっていく。ただ一つのことができりゃいいってもんじゃない。料理人がソムリエに、ソムリエがワインの酒造家に 料理人が肉屋で修業
イタリア料理が専門化していくのは海外からではなく日本の独特の文化泣きもする。この先のページはこりすぎて共感不能 料理で社会問題を訴えるとか。 土のスープとか
4.日本人が拓く外食の可能性
日本人の強みは外国人が持たない味覚「うまみ」
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食に関する、ひたすら自由な空気を浴び続けることが出来るとても心地良い本です。
食べるということは本質的にプリミティブであり、それ故に保守である。その保守が錨のように引っ張っていてくれるから、思う存分リベラルの新地平を探検することが出来る。第4章が自然への畏敬がテーマで、それが最終章として配置されているのは非常に適切。
自分が最近考えている雑多なアイデアが、その本の主題と関係のない内容なのに、読んでいて次第に反応して整理されていく体験というのが稀にあります。この本は正にその体験をもたらしました。実際に読んでみればそれが必然だということが分かるでしょう。私はこの本をお薦めします。
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「非日常から日常へのシフト」が食の世界でも起こっているのがわかってよかった。まあでも十分、非日常の話にしか読めなかったのだけれど。