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みんなのレビュー53件

みんなの評価3.9

評価内訳

53 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

回想の彼方で向き合う重さ

2013/02/15 14:08

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ががんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る

英国最大の文学賞であるブッカ―賞の2011年受賞作である。

この賞の選考対象は英国だけでなく、アイルランドとイギリス連邦を含む広いものだし、
我が国の芥川賞のように新人賞ではなくて、トップで活躍中の作家の作品も含むから、
その権威は半端ではない。
英国第一線で活躍するジュリアン・バーンズは、その権威ある賞に十分値する作家だろう。

しかし決して万人向けの作家ではないと思う。
バーンズは一言でいうと知的な作家である。
だから必ずしも読みやすくはない。
たとえば翻訳もある『フローベールの鸚鵡』(白水社μブックス)は、
批評が同時に小説であることを狙ったようなもので、知的な「たくらみ」ないしは戯れに満ちている。

そこへいくとこの作品は、長くもないし、ストーリー性も豊かで、かなり読みやすい。
2011年ブッカ―賞の選考のポイントはreadabiltiyだったと聞く。つまり読み応え。
これは十分だ。途中に軽さがあったとしても、読み終えてみれば強烈な印象が残る。
重量級の凄まじいパンチを食らったような長く尾を引く衝撃とでも言おうか。
一読、なるほど評価されるだけの作品であることはわかる。

恐ろしいまでの緻密な計算、周到な構成、筆力、展開力。

しかし好みは分かれそうだ。

ストレートな、単純で力強い物語、すっきりした物語を求めているのならやめたほうがいい。
一方、屈折して理解しがたい人間の心理や、
理屈では割り切れないような人生の苦い諸相に興味があるのなら
それでドロドロでも構わないのだなら、試してみる価値のある作品だろう。

全体に語り手トニーの内省の記録である。
彼がなかなかに屈折した人物であることはすぐわかる。
事実を交えながらではあるが、延々と続くその自意識の記述は、
ドストエフスキーの『地下室の手記』などを連想させるものかもしれない。
そこへ、斜に構えたような皮肉な捻りや、屈折しているとも見えるユーモアが加わる。
私にはこれは、たぶんにイギリス的なものに感じられる。
この辺も好き嫌いがあるかもしれない。

齢60を越えているこのトニーが、あるきっかけから過去と再びめぐり合うことになる。
その結果、前半は主に回想である。
これはこれで魅力的だ。
青春時代の知的な若者たちの反骨や、その若さゆえに過剰に才気走ったみずみずしい知的な戯れなど、
これは少し前の時代の教養小説などによく見られたもので、懐かしい思いを抱く読者も少なくあるまい。

回想の中心にいるのは、転校生としてトニーたちの前に現れた秀才エイドリアンと
トニーの恋人となるサラである。
後半、トニーを含めたこの三人が、劇的に、かつ複雑に絡み合ってゆく。

十代の彼らと、今60を過ぎて事の真相に迫るトニー。
その間に何があったのか。
時はここでは謎としてあり、
物語は、忘却の彼方に沈んでいた過去の真実を解き明かすミステリー性に満ちている。
面白いわけだ。
ミステリーという側面からだけ見ても、
解けたと思った謎が実はより深い真実にたどり着く展開は見事なものだ。
どんでん返しでもあるし、暗号の要素すらある。
バーンズの緻密極まりない脳細胞が華やかに動いているのがわかる。

しかし、である。
話は重い。
ひとつの破壊的衝動が連鎖の果てにいかに恐ろしい結果を生み出しうるか。
その一つのケーススタディとでもいおうか。
人が人をいかに傷つけ得るか。
バーンズの筆に付き合うのなら、
一緒に傷つく覚悟で読まないといけないと思う。

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紙の本

自分が積み重ねてきたものは真実だったのか

2017/01/14 22:32

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る

人生を語るとき、私たちは、ある部分を手直しし、飾り、あるいは端折る。
そしてやがて自分でも、それを本当の「人生」のように思い込む。

上記の文章は帯に掲載されたこの作品の主題です。この文章にこの作品の魅力が集約されています。主人公のトニーが学生時代の甘く苦い経験を経て得たある種の人生観は果たして正しいものなのだろうか、と考えさせられます。次に、自分がトニーだったら何を思うだろうか、と。そして、自分が今までに、見て、聞いて、味わってきた様々な経験を自分自身が正しく理解できているのだろうか、と。

深く考えさせられる一冊です。

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紙の本

“The Sense of an Ending”

2016/09/17 19:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る

なんとなく装丁が好きな新潮社クレストブックスから。
ジュリアン・バーンズの、4回目の候補にしてやっと受賞した2011年のブッカー賞作品。
それだけで「ちょっと難解かな?」と思わせるけど、200ページに満たない長さと<私>による一人称ということでハードルが下がった感じがして、読んでしまった。 一文一文読み飛ばせないかすかな緊張感をはらんでいるので、中編なのに思いの外、時間がかかってしまいましたが。

<終わりの感覚>・・・それは人生の終わりの気配を感じ始めたこと、年齢を重ねていくことで過去の自分がしでかしたことを違う記憶で塗り固めてしまったことすら忘れてしまうこと。 過去の自分と今の自分は物体としては同じ人物なのだけれど、ある時点を境に中身は別になってしまうこと。 それを成長と呼べるうちはいいのかもしれないが・・・。
60歳を過ぎて仕事も引退し、現在はボランティアなどして時間をつぶしている語り手のアントニー(愛称トニー)による、若き日々(主に60年代)をとりとめもなく回想していく物語。
高校で出会った悪友たちの中でも特別な存在のエイドリアンとのこと、生意気盛りの青年未満たちが背伸びしてあえて挑発的な意見を教師たちにぶつけたり、当時はかっこいいと思ってやっていたことが実に最悪な空気を生んでいたり。 大学に進んで、付き合い始めたベロニカとの日々は結局彼女に振り回されて終わったと認識しているけど本当にそうなのか?

純文学テイストですが、<信用できない語り手>によりミステリ度が高まっています。
ある日、ベロニカの母からトニーのもとに遺品が贈与されることに。 それによってトニーが忘却の彼方に葬り去ってしまっていた・もしくは改変されてしまいこまれていた記憶が炙り出される。 深い意味のない、当時の自分がそのときの感情の赴くがままに書いた手紙がある人物の人生に大きな影響を与えることになっていたとは・・・という恐怖。
それはあたかも身近に起こるバタフライ・エフェクト。

人と人との繋がりはときに微笑ましく、プラス面で語られることが多いけどそればっかりなわけはなく。 いちいち覚えていたらこっちの気が狂うから記憶を変容させているけど、沢山の人を傷つけてきてるんだよなぁ、その分、こっちも傷ついてるけど。

トニーはインテリの割に実行力のない男性によくあるタイプで、彼の繰り事にはいちいち同情できないが、しかし形は多少違えどそういう要素は誰にでもあるので、読んでいてグサグサと突き刺さってくるものがありました。
というわけで、大変ブルーな読後感であります。(2013年11月読了)

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紙の本

ラストの重さがずしんとくる。

2015/09/04 16:32

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る

途中までは主人公男性の愚痴の連なりにややうっとうしさを覚え、ざくざくと読み進めたのだが、後半でかなりの衝撃を受けた。といってもミステリの謎解きのようなすっきりさっぱりする驚きではなく、根源的で、ぞくっとするような驚きである。
主人公の男性が昔の執着にとらわれ、必死にコンタクトをとろうとした女性には、実は自殺した彼の友人との間にできた子どもがいた。そしてその子どもは身体障碍者だった。この子どもにまつわる事実が、主人公が昔の知り合いに接触するうちに判明するのである。その女性は、自殺した友人の遺産から贈られた金を「血の報酬」と呼んでいた。それはなぜか。その理由を知る時、どんな思いで彼女がその事実を受け止め、子どもの面倒を見てきたのかもわかる。読んでいて、ぞわーっとした。
謎めいていた彼女の行動はそこで解き明かされる。けれど、その心の底は窺い知れない。小説の末尾にあるように「すべては混沌」としている。後味は悪くないが、ずしんとした重さの残るラストだった。

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紙の本

青春の記憶

2018/01/09 03:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:une femme - この投稿者のレビュー一覧を見る

退職し、家族と離れて、独り暮らしをしている老齢の主人公が、青春時代の記憶を探る物語。とても自然な文体で、主人公が語ることで、ある老齢の男の老後の日々と、その考えの記録のようになっている。

 哲学的詰問に徹するでもなく、感傷に浸るでもなく、むしろ、そういった非現実的な思考に対抗するかのように、現実的に、過去に近付こうとする。

 とても読みやすく、現実的(主人公は、ごく普通の人という理解し易い設定ということもある)なので、すらすらと、軽く読めてしまうが、物語に、何か、もっと深いものが隠されているような気もする。 最後の終わりで、読者を驚かせ、何か、もう一度、考えさせようとしているのだろうか…。

誰しも、過去に、他人を傷つけたことがあるであろうし、そのことを、記憶の外へを追いやって生きていることだろう。自分が思っている以上に、あるいは、記憶している以上に、誰かの人生に傷をつけてしまっているのかもしれない。あるいは、傷つけられているのかもしれない。そんなことも考えた。

 とても散文的な語りであるのに、詩的な構造を持っているような、物語の受け入れ方に戸惑うような、けれども、どこかにあるような親密さと身近さを持つなど、複雑に纏め上げられているのだと思う。

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2013/02/10 16:39

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2013/09/30 23:42

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2013/09/20 18:07

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2015/04/04 16:30

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2013/02/10 20:32

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2013/06/22 18:08

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2013/01/11 11:06

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2013/03/26 13:22

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2013/01/05 23:47

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2017/08/01 22:43

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