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文献の紹介が豊富ですね。でも、「恋愛思想」においては脱近代化なんて起こってないんだよってことしかわからなかった。え~と、結局恋愛輸入品説はどう間違っていたのでしょうか・・・。
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著者さんの文章の中心となる主張
・「性の解放(公言された学術用語ではないですが「乱れ」「活発化」「自由化」とも)」による
脱近代化・ポストモダン化は起こっていない、なぜなら、
今もなお近代から続く恋愛結婚は、国内の大部分を占める人たちによって
最重要視されており、また巷では実際に恋愛格差なるものが存在しているから。
・「恋愛」は近代以降の輸入品ではない、
なぜなら近世より前の中世、古代には、
時代によって、さらに身分の階級区分によって
形のちがう恋が存在していたとかんがえられるから。
・性の問題.遊女神聖化の否定.
売春禁止法以降,性のはけ口としての
強姦,少女買春(援交など)をはじめ性関連のさまざまな問題が増加
(ただし書中では,大きく議論されていない)
この本の話の内容全体が、
過去から現代までの比較恋愛研究に関してや
文芸、娯楽などに関して、
幅広いスケールで展開されているので、整理するのに難しいです。だけれど,とても面白かった。
これまで断片的にしか知識をもっていなかったために,
中途半端が一番よくないというのは本当で,
日本人の恋愛観史を誤解していた点が多かったことに気づかされました。
圧倒されるのは,参考引用文献の数の多さ.
しかし,恋愛観というのは,思想的な部分を持つものだとは思っていましたが,
想像以上に思想的でおどろきました.こんなに,時代と人ともに,
変遷してきていたなんて.
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筆者の知の総体は底が知れない大きさであることは間違いがないだろう。
だが、中には首を捻りたくなる知識も幾つか含まれている印象。
たとえば『万葉集』の防人歌を貴族の戯作、とされているのは如何か。
選者とされる家持は兵部少輔だった際に、実際に防人たちに接する機会があり、採集の機会があったという。
よってこれらの大部分は防人自身によって歌われていた、というのが定説だったはずである。
こうした曖昧な知識が時折見られてしまうと、我が無知ゆえにその他の膨大な情報もどこまで正確であるか、信じていいのかわからなくなってしまい、ひいては筆者の主張すら怪しく見えてきてしまう。
また、少々話がそれがちで、概念図を書こうとしない限り論旨が見えにくく、結局私には「恋愛至上主義はもてない男を無視している」以上の主張が読み取れなかった。
もう少し論点を整理して書いて欲しい。
##以下を書き直しました##
筆者の読書量は驚嘆に価すると思う。
だが他の方もレビューで指摘されているように、中には不正確なものも多く含まれている印象。
中でも『万葉集』の防人歌を貴族の戯作である、と断言しており瞠目した。
選者とされる家持は兵部少輔だった時に、実際に防人たちに接する機会があったと聞いている。
これらの点から、これらは防人自身によって歌われていた、というのが定説、と私は大学の日文科で習った。
こうした曖昧な知識が混ざっていると、作者の主張を支える膨大な知識のどれも疑わしいものに思えてしまう。
また、少々話がそれがちで、論旨が見えにくく、結局私には「恋愛至上主義はもてない男を無視している」以上の主張が読み取れなかった。
この点、本書を著者のいう、“学説”とするには少々無理があるだろう。根拠が不正確で、何を言っているのか分からないからである。
読者としてはひとつひとつの批判点を整理して書いて欲しい。
(また197頁後半は、文章として何を言いたいのか分からなかった。ここは特に修正を頂きたいと思っている。)
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フェミニズム、江戸時代礼賛の傾向に辛辣な批判、だけでなく文豪や有名な学者を次々にバッサリ。人のケンカは見ていて楽しい。むむっ「源氏物語」より「めぞん一刻」への言及のほうが多いぞ。アッパレ。
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相変わらずの本である。小谷野節と言えば聞こえはいいが、ぬめりとした嫌みがそこかしこにある、というか本人はあまり嫌みとは思ってないからこうなんだろうけれども、まぁ、しかしこれも芸のうち。
ひたすらに積み重ねられた文学の数々は全体としてはよく分からないが、ミルフィーユと思えばざっくりいただくのがよろしかろう。
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いつもと同じ書き方かあ。でも非常に勉強になる。
ふとおもったが、人類が滅んだあとに火星人の生物学者が文献調査をおこなっているようでもある。
2019/05再読。やはり情報量が多くてよい。圧縮されているが、大事なことは書いてある。
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恋愛、結婚、性への放埓性の価値観は時代によって変遷している。
現代は近代に確立した自由恋愛による恋愛結婚至上主義の価値観が強い。恋愛弱者につらい時代になっている。
やはり明治以降の日本での価値観の変遷が面白かった。