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ただの家族持ちのおっさんになって会社も大学生になった息子も妻も自分になんの関心も持っていない寂しい生活をしていた主人公が、偶然楽器店に入ってしまったところから始まるお話。
「年をとってもくだらない人間にはならないッ」などと単純にイキってる自分には丁度いい出会いになりました。人生のイベントは偶然発生するかもしれないけど、そこで「選択」をするのは自分自身。無意味にするのも意味アリにするのも自分だから、いつでも面白くなりそうな選択をしていたいじゃないですかー。
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主人公にそのまま感情移入できます。「あっ、それ、俺もやりたい。」って感じ。何でも出来ると思っていた頃から、いつの間にか年をとり、出来る事、やりたい事が少なくなって行く。仕事や家族のせいにして我慢しているけど、それだけじゃないって事も知っている。そんな人が読めば、気持ちが明るくなると思います。
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直木賞作家が書くオヤジバンド物語。直木賞受賞作のマタギ社会を書いた『邂逅の森』とは世界観が全く違う内容。しかしマニアックぎみの凝った解説を含みつつもスムーズに読ませるテクニックは健在であり、更に磨きがかかった感じがする。作者みずからもバンドをやっているということで、そこへの思い入れが伝わってくる。おすすめ。しかし凄テクメンバーと唄が上手く若くて可愛いい三拍子揃った女性ボーカルという作者がやりたいバンドの理想形を書きたかったのだなと思うとニヤリとしてしまう。
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オヤジバンドの話。
著者とは同学年なので、話の内容が私とほとんどシンクロしてます。(前半は)
学生の頃、喉から手が出るほど欲しかったフェンダーやギブソンは当然買えないのでコピーモデルを買った。
就職と同時にバンド活動は中止。
50才に近づくにつれ、久しぶりにギターでも弾いてみるか。
昔はとんでもない値段がついていたが円高の影響か? 無理すれば買えない事もない。
で、買ってしまうと同時にバンドをやりたくなってくる・・・と。
実際私も、フェンダー、ギブソン、マーチン・・・が今、手元にありますもん(^_^;)
話の後半は、そのバンドがコンテストに出て、みるみる全国大会に出場・・・と。
これはちょっとあり得ないので、後半のストーリーはダレ気味。
それと、ちょっとマニアックな話が含まれるので巻末には用語解説まで載ってます。
バンドやロックに詳しい方なら、これらのキーワードだけで、だいたい話の濃度はわかるかと思います。
【初心者のためのロック講座】
アタック、アルペジオ、インプロ、ウッドストック、エフェクター、クリーム、クリーントーン、グレコ、ゲイン、サスティーン、サマータイム、サンバースト、シールド、ジミーペイジ、ジャズコ、ジャニスジョプリン、ジョンボーナム、ジョンロード、スージークアトロ、スタック系チューブアンプ、ストラトキャスター、スライド、スリーコードブルース、対バン、チョーキング、デヴィッドカヴァーデル、トミーボーリン、トレモロアーム、ドンシャリ、ナット、ハムバッカー、バレーコード、ハンマリングオン、ピッキングハーモニクス、ピックアップ、ピックスクラッチ、ブースター、ブッキング、フリートウッドマック、ブリッジ、テールピース、フレット、プログレッシブロック、ペグ、ペンタトニックスケール、ボトルネック奏法、マーシャル、マイケルシェンカー、マシンヘッド、メジャー、マイナー、モズライト、モダンハイゲイン、リッチブラックモア、リフ、レクチ、レスポール、ローコード、MSG、PA、ZZトップ・・・
ギターの奏法や機材、バンドやミュージシャンの名前が入り乱れてますが、だいたいこんな内容です。
わかる方にはわかるでしょ?
しかし、あまりお勧めできるような本ではありません。
ストーリーがつまらないもん。
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バンドをやったことのあるオジサンは書かれていることがまるでかつての自分のことのようだ。とんとんとステージを成功させ、コンテストものぼりつめていくストーリーは話がうますぎると思いながらも、ストレスがなくてほっとした。
「邂逅の森」の同じ著者とは思えない軽快さだが、それは「ゆうとりあ」でも感じた。ギターやアンプの講釈も経験者には嬉しかったし、末尾の用語解説も親切で好感が持てる。さわやかな結末もいい。
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夏の音楽小説まつり。
ふと立ち寄ったギターの専門店で、'59モデルのギブソンのレスポールを衝動買いしてしまった50代サラリーマンの巧也。アンプやエフェクター等を買い込み、趣味のつもりで始めたギターであったが、ふとしたきっかけからバンドを組むことになってしまう…。
名作『邂逅の森』の熊谷達也なので、重く暗い話かと身構えて読み始めたが、そんなことは全く無く、軽い人間ドラマだった。
過去にブリティッシュ・ハードロックに傾倒していたが、大学の途中で挫折し、ギターをしまい込んでしまった50代。実際にはそこまでのブランクはなく40代で再開する人が多いのだろうが、実際の楽器の知識や1970~80年代のロック事情が実名で、特にくどい説明もなく放出される前半は、おお、こういう小説を書いてみたいと考えていたのもあり、自分の頭の中をなぞられるような快感があった。
ところで、中盤で大学時代に実は…という話から、思っていたよりも大きな話になってしまったのは、まあお話だからね、というところで許そう。そういう話だ。
「オヤジ・エイジ」という、わざといなたいタイトルにされてしまったのはちょっと今ひとつとっつきにくいものの、40代以上のギター再開世代や、中年以降でこれから趣味として始めてみようかなと言う人達に、ぜひ読んでもらいたい。
初心者でわからない?専門用語やバンドに関しては、ちゃんと巻末に(おもしろおかしい)説明が載っているので、「ジャズコって何よ?」って人にもちゃんと楽しめる。初心者ほど、ぜひとも、紙の文庫版を購入いただきたい。
熊谷達也の『ロックンロール』シリーズはもう1冊買っているのだけど、この人、楽器好きなんだろうなあというのが文章の端々からにじみ出ていて、実に好感を持てる1冊であった。
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黒沢巧也
五十歳を目前にしてエレキギターを購入する。高校生の頃、ギター小僧だった。地元仙台ではそこそこ大きな印刷会社に勤務。第二企画室長。G大五大バンドのひとつ「パープル、ヘッド」に所属していた。
妙子
巧也の妻。
大輔
巧也の一人息子。大学二年生。ベースをやっている。
杉本亜紀
巧也の部下のひとり。入社五年目の若手デザイナー。アッちゃん。
小畑亮二
巧也の部下。昨年秋に結婚したばかり。
菅野多希子
入社十二年目の中堅社員。タッキー。
斎藤
ギターショップ『ROCK GARAGE』の長髪プラス金メッシュの店員。巧也のバンドのサイドギターを引き受ける。
奥山
ギターショップ『ROCK GARAGE』のリペアマン。
関本康弘
室長代理で比較的外回りが多い。
澤口
巧也が大学時代にバンドを組んでいた。自分以外で唯一バンドに残ったメンバー。キーボード。
高橋薫
巧也が大学時代に顔だけよくは知っているが、学部が違うためほとんど会話をしたことのない女子学生。G大の五大バンドのひとつ「オレンジ・ブルー」の女性ボーカル。
堀越
「オレンジ・ブルー」の新メンバー。ドラム。昨年度まで「アイアン・クロウ」に所属していた。
八嶋
「オレンジ・ブルー」の新メンバー。キーボード。昨年度まで「サザンクロス・ベイビーズ」に所属していた。
成田
オレンジ・ブルーのオリジナルメンバー。ベース。広告代理店の社長。巧也のバンドのベースを引き受ける。
宮本
仙台のライブハウス「パークハウス」のオーナー。
門脇
レコード会社のプロデューサー。
松本隆志
あっチャンのお父さん。巧也のバンドのドラムを引き受けてくれる。スキンヘッドの杉本。
沙織
巧也のバンドのボーカルを引き受ける。
武田
ギターショップ『ROCK GARAGE』のベース担当。
柳沢
拓也の会社の常務。
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期待しすぎたかな。肩透かし感。ストーリーはご都合主義で、文章はちょっと説教臭い。締まりがなくてだらだら長い。そして、ヘヴィ・メタって書き方するのはやめてくれないかなあ。【2023年7月9日読了】