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フランス国内で燻り続けた宗教戦争時の王母、カトリーヌ・ド・メディシスの物語です。
カトリックとプロテスタントの勢力が拮抗するフランスは、共存の道を模索します。
カトリーヌも共存を一番に考える側でしたが、双方の急進派が起こす流れには抗えません。
しかし、一度戦争となれば周りの男衆よりも一貫した姿勢で臨みます。
それまで地味な庶民のイタリア女として馬鹿にされていた彼女は、一変して強い指導者となります。
客観視された文章とカトリーヌの回想が分けられた構成となっています。
前者だけでも十分なくらいの女性らしい強さが、後者によって更に印象付けられました。
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タイミングと言うか…。
フランス王室にだって、王権の強い時代が幾らでもあったのに。よりによって、夫アンリ2世が事故死した後、嫁にデレデレの長男が病死し、次男の幼帝を抱えるこの時期に、宗教改革がぶつからんでも…。と、弱音を吐いたりしないのが我らが「お店屋さんの娘」、カトリーヌ・ド・メディシス。
全国行脚で、フィレンツェ・メディチ家仕込みの洗練を見せつけ、半島の平民女のド根性で突き進む。私欲にまみれる佞臣やら隣国やら聖職者やらを交わし、どこまでも新旧両教徒の宥和政策を進める姿が感動的…と思いきや、この本の幕切れは「聖バルテルミの虐殺」。ドュバ=ポンサンの絵画まんまにパリ市内を視察する。歴史はまだまだこの後も低迷する、特に黒王妃推しの息子・アンリ3世の治世はこれからだと言うのに…。
王妃マルゴはほとんど出てこないし、フェリペ2世も全然だけど、王妃も戴冠式ってあるんだ〜って知ったので良しとする。
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カトリーヌ・ド・メディシスとユグノー戦争を題材とする歴史小説。中途で挫折。主人公のモノローグが全然駄目。この著者は『女信長』の時もそうだったが女性を内側からは全く描けない。狂言回しを拵えて、第三者視点だけで描いた方が良かった。