紙の本
改革のすすめ!
2012/12/18 15:48
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ダーク - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者がぎりぎりの世界で生きてきた価値観がそのまま見えてくる、
非常に「鮮烈」な書籍。
地域から日本を変えていける数少ない政治家である松阪市長が、
どのような人生を歩み、そして
どのような感覚で前に進もうとしてきたのか、
どのような環境にいる人でも前に進もうと思わせてくれる。。。
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最近、圧倒的不利な情勢から再選を果たした松阪市長の一種の自伝。「自殺志願者」から「偽善者」へという独白部分はちょっと衝撃だったが、この人の人間的なすごさはよくわかった。「民間と明るく癒着」という過度の公平主義に陥らずに民間の知恵を活用する姿勢や「シンポジウム・システム」「住民協議会」を活用した市民を巻き込む市政のあり方など政策的にも興味深い内容が多かった。
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山中光茂松阪市長による、地方行政から始まる真の民主的な改革と、市長になるまでの自伝的半生を語った本。
これまで行政改革といえば、カリスマ的なリーダーシップを持ったトップが市民からの圧倒的な支持を得て、行政組織の非効率性や矛盾に切り込んでいくといった流れが主流でした。でもそのような改革手法は、トップが代わったり市民の熱が冷めたりすると途端に頓挫してしまいます。
巻き込み型リーダーとは、市民との対話を通して粘り強く合意形成し、やることはやる、やらないことはやらないという意思決定をハッキリさせる手法です。これまでのように市民からの陳情をすべて行政組織で受け入れて予算調整を行なうといったやり方では、地方行政が経済的に立ちいかないことは明らかであり、どこまでが民間で、どこまでが公共かを線引きさせることがこれからの自治体経営には必要でしょう。
このような先駆的な取組みを行なっている山中市長の出自もまた独特で、歌舞伎町でスカウトマンをやったり、ケニアのド田舎の無医村で医師として働いたり、かなり極限的な場所に身を置くことで自らの存在を認めてきた半生が見て取れます。
良いことばかり、社交辞令を並べるだけでは改革はできません。むしろ、耳の痛いことでもハッキリと言い切れる強さと覚悟を持っているかどうか、これから変革期を迎える自治体にとって必要なリーダーとは、そんな変態度の高い人たちなのでしょう。
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個人の体験の記録というか、やや凡庸感は否めず。政治家としてはとても立派だと思うがノンフィクションとしては(そういうジャンルでもないが)そんなにそそられなかった。
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第四章「歌舞伎町とアフリカの教え」から読み始めて後半だけ読了。
「きれいごとを言い続けるのは、決して誰かに対して格好をつけるためではありません。政治家を続けていきたいからでもありません。「偽善者」として「善人」のふりを続けるのは、生き方がよく分からない不器用な私にとって、なんとか今を生き抜く手段にすぎないのです。」