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ドラマの記録係として活躍する有記は、見知らぬ女から「復讐殺人の一部始終を記録して欲しい」と頼まれる。
ミステリーよりも母としての心情に重点を置いた作品。
相変わらず話の焦点がはっきりしないのは、この作家の特徴か。
(図書館)
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兄を殺された女性の気持ちは理解できないわけではないし、面白そうな設定だと思って楽しみにしていたのですが、何だか話に入り込めませんでした。なんだか冷めたカンジで文字だけ読んで終わったってしまいました。なんだろ?中途半端だったのかなぁ〜?
「記録係」=「スクリプター」のお仕事のことは、少しわかりました。神経使うお仕事で、大変だなぁ〜と思います。
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兄を自殺に追い込んだあの男を殺すまでの記録を取ってほしい。
それが彼女の依頼だった。
娘の身の安全のため、無茶な依頼を引き受けた有記。
しかし。実際に標的の男が殺害された背景に違和感を感じる。
2013年8月31日読了。
離婚し、娘の親権を元夫とその再婚相手である美世子に託した有記。
ミステリーよりも、娘の安全を第一に考える、二人の母に重点を置いた作品。
お互いの母親としての権利や存在価値などで葛藤する二人の内面が丁寧に描かれています。
思っていた方向とは違っていたけど、これはこれで新しい形。なかなか読み応えがありました。
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ちょっと設定が不自然かな。と思ってしまった。
兄の無実のためにっていうんなら、説明なんかしないでビジネスとして全然関係ない他人に撮影を頼むんじゃないだろうか?
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少年が凶悪犯罪を犯しても少年法によってその身は守られる。
少年に関する一切の個人情報は世間には知らされず、その後にどんな人生を歩もうと影響はほとんどない。
少年法の理念が、基本的に将来ある身に罪を償わせ、更生させ、社会復帰させることだからだ。
被害者遺族は、大切な家族を殺した犯人が、まるで何事もなかったかのように人生を歩んでいくことをどう思うのだろうか。
物語に登場する里美知子は兄を殺害した犯人を許すことができない。
「死人に口無し」とでも言うように、生き残った犯人側の言い分ばかりが事実のようにされたことも我慢できない。
もう一度、兄を殺した犯人を世間の眼に晒す。
そして、その過去を絶対に消せないものとして残す。
そのために知子は、少年法に守られたかつての殺人犯を殺そうと考える。
犯人として犯行の動機を語ることは、のうのうと生きてきた殺人犯の過去を暴くことになるからだ。
犯行に至るまでの経緯。
第三者の目で冷静にすべてを記録してほしいと頼まれた有記は、離れて暮す娘の安全を守るために協力を承諾する。
だが、事態は思いがけない方向へと進んでいく。
大切な誰かが殺される。
普通ならば法が犯人を裁いてくれる。
罪にふさわしい罰を与えてくれる。
大切な人は戻ってこないけれど、復讐が許されていない現在ではせめて法によって裁いてもらうことがひがいしゃ家族の願いなのではないだろうか。
だが、犯人が少年だった場合。
事件の詳細を被害者家族が知らされることはほとんどないと聞く。
怒りや悲しみや悔しさを、ぶつける相手すら正確にはわからないときもあるという。
少年法とは、いったい誰のためにあるのだろう。
本当の意味での更生とはいったい何なのだろう。
この物語を読んでいるとそんな疑問がわいてくる。