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このシリーズは、書き方は淡々としているのに隠しきれない猫への愛が見えて、それが猫と暮らしている身にはすごく共感できる。
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ペット飼育未経験者が読むと、ふたつの理由から疎まれる可能性が高そうな作品。
闘病生活の生々しさ。猫飼い特有の、猫中心の生活の自虐。
でも、今作はそれが正しい姿に思われる。
なぜなら、安易にぬいぐるみ感覚で飼われて飼育放棄される動物が一匹でも減れば、この作品を書いた意義になるだろうから。
作品のマイナス点は、文体のくどくどしさ、推敲の荒さが目立つ文体だ。
か、句読点の打ち方が雑で、一文が8行に渡る文があった。これを適宜に切断して、「というわけで」を削除するだけで割と読みやすくなるはずだ。
おそらく、原因は看取り終わってから書く、という執筆スタイルだろう。
素人のブログなら及第点だけど、著者が兼業作家のため、総合点は星3つ。
話の内容に対する感想。
動物愛好家としては、当てレコが愉快だった。飼育経験者のあるあるネタ。
突飛な発想と、東川篤哉さんのような仰々しい文体がユーモラスでよい。
人間の衣食住を犠牲にして、病気の猫を看病する描写が痛々しかった。
私の飼育に対する考えは、著者とは異なっている。獣医も匙を投げる病状の時は治療方法を探して延命を試みるよりも、闘病を諦めることで苦しむ時間を伸ばさない方が好ましいと考えている。生きる時間の長さよりも、猫にも羞恥心はあるのだから、恥をかかせるのは気の毒、とも考えている。
だが、著者の選んだ道が誤りだとは思えない。なぜなら、闘病・延命派の飼い主が多ければ症例が増えて、動物への医療技術が進歩する可能性があるからだ。
この本は、骨身を惜しまず、金銭と時間を猫のために費やした詳らかな描写と、数枚のスナップ写真。猫への溢れんばかりの愛情が感じられる一冊だ。
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前著『猫にかまけて』の続編があったことを知らず、遅れること10年で買ってみる。『~かまけて』を読んだころは自分も猫を飼っておらなかったのであるが、今や家の猫2匹、野良猫3匹(餌のみ)の養い親。
町蔵さんの苦労の一端&幸せ感は十二分にわかるのである。いずれにせよ、猫を飼うのはかわいいだけじゃだめなのよ。
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苛々することの多い日常のなかで、こんなことはほとんどなく、私は猫を助ける、助けないなどと考えていた自分を恥じた。なんとなればその時点で私こそが猫に救われていると感じたからである。猫は永遠の夏休み。
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「猫にかまけて」を読みたかったのだが、大型SCの書店になく、代わりにあったのが本書だった。読んでいて思ったのが、内田百閒の『ノラや』と通じるものがあるということ。著者は保護団体が連れてくる元々無縁な猫たちを次々と受け入れて、その猫達との悪戦苦闘するさまが淡々とした面白味があるのだ。2014年の正月から我が家にも保護シェルターから連れてきた猫と暮らすようになったが、まだまだ人に慣れようとせず、時折シャーッと私を威嚇する姿が重なった。最後のゲンゾーとの別れのくだりは涙があふれてきて仕方なかった。
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何でねこ好きの人って、ねこに屈服したい願望があるんだろうね。何をかくそうわたしもそうです。
最後ちょっとないた。
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保護団体から預かった猫のウメチャン、13年一緒に暮らしたゲンゾーが死んでしまった。
愉快な猫エッセイかとおもいきや、前著「猫にかまけて」でも22年一緒に暮らしたココアが死んでしまうなど、このシリーズは猫の死が多く、面白い話も多いけれど大変に悲しい気持ちにもなる。がやっぱり続編が読みたい。
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町田さんの文章にはよく「例えば」とか「もし」の話でだだだーっと1文が超長い虚構のような名文が出てくるのだが、今回読んだ中の神文↓
『自分はちっとも悪くないのに襟首をつかまれ怒鳴られた猫は、もっと怒って、
「なにが、なにさらすだ。シャアアアアア」と言って怒って全力で抵抗、意外な抵抗にあって虚を衝かれ、呆然としているおっさんの額を引っ搔いて逃走したのである。
おっさんの額がざっくり切れ、鮮血がほとばしった。』
これは町田さんが幼少のころ、とある家の前に憤怒の表情で立っていたおっさんの額にある赤くて太い1本の傷と、玄関から走り出てきた1匹の猫を見て推測した状況を書いたものなんだが、この最後の1文を読んだ瞬間タリーズで吹いた。今も書いてて吹く。
辛いときに思い出すようにしようと思う。
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深い愛情と、小さな命に対する敬意をすごく感じる。
生きているだけで尊くて、つらくても苦しくても生きることだけは諦めちゃダメ。
町田さんのユーモアもありお涙頂戴にならないから、抵抗なく優しく心の琴線に触れて、涙が止まらない。
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町田康さんの猫への愛に泣けた。
面白おかしく書いているが、こんなに沢山の、しかも病気を持った猫を受け入れるという事は普通はできない。
我が家にも1年目になる猫が1匹いるが、よりその猫へ愛情を注ごうという気持ちになった。