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もっと悲観的な予測が書いてあるかと想像していたのだけれど、専門家の視点から見る40年後はまだ人類に可能性が残されていることを示す。望んだ形であれ、そうでなかれ未来は確実に訪れるわけで、著者の予測をいい意味で裏切るような行動が人類に求められているのは間違いないですね。
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2052年までの、世界の人口動態、GDP成長率、各種資源エネルギーがどうなるか?というお話と、様々な専門家による34の未来予測。
先進国は近々成長が止まり、新興国は伸びるけど2040年ぐらいには同じ道を歩むだろうとのこと。
持続可能性と世界経済の今後、近視眼的な社会、有権者、政治家、進む都市化と消える未開の地など、参考になる見方は多い。
やたらと中国にポジティブな予想をしているのと、今後出てくる技術が社会に与える影響を無視しているのは気になった。あと無駄に長い。
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1972年、ローマ・クラブが世に公表した「成長の限界」という2100年までの130年間で起こることを予測した研究結果の中では“人口増加”“環境破壊”“資源の枯渇”といった問題を特定し、世界に衝撃が走った。
グリーンイノベーションや持続可能といったキーワードが今一般的に使われ、問題視されているのはこの公表が起源にある。
本著はその研究者の1人である著者が「成長の限界」を公表して40年が経過した2012年に、予測と実績のズレを補正材料としながら次の40年の予測制度を更に高めた上で2052年までの将来予測を改めて研究したものである。
本著の予測は一貫して“悲観的”である。
・人口増加は2040年に81億人でピークを迎え、減少する
・世界のGDP成長スピードは鈍化、人口増加率が減り、労働生産性が減少する
・資源枯渇、環境汚染、気候変動、生態系損失といった問題に対し、GDPのうち6~12%を投資する必要があり、世界の消費は減少に向かう
読んでいると暗雲たる気持ちになるが、著者の最大の主張は「放っておけば予測通りに進む、予測を受けとめ、今人類が動き方を変えれば予測は外れる」という事であり、全てが悲観的というわけではない。
471Pに渡る大作かつ学術色の強い書籍であるため読むのは一苦労だが、興味深い一冊であった。
■ポイント
・持続不可能な状態は持続できない~アラン・ナイト~
・全ての国の生活水準を現在の西洋レベルに引き上げることは不可能
・GDP36%の投資率は第二次世界大戦末期の米国国防費水準
・GDP1%の移行は、1%の労働力と生産手段の移行を示す
・国と個人の豊かさは別、日本は90年以降GDP成長率14%に対し、消費が30%成長、経済成長が減速するにつれて投資比率も下がったためで、経済は停滞したが分配が最適化されたため個人消費は活性化し、総じて裕福な個人は増えた
・化石燃料は十分に残る、枯渇の前に代替エネルギーの登場可能性が高い
・世界の都市人口は35億→50億人に増加、都市内での出生率が死亡率を上回る。一方で都市集中により世界の貧困も都市部に集中=スラム化を起こす
・食料生産は増える一方で需要はそれほど伸びない(人口増加の限界)
・40年後のGDPは2.2倍と低い水準に
・労働力の減少(出生率の低下と高齢化による労働人口の減少)と生産性向上の鈍化(経済が成熟し、不平等による摩擦が増える)によりGDP成長は鈍化する
・失業率が上がると失業手当の支給者が増え、それを賄うための税収や社会保険料は更に重くなる
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40年前のローマクラブ「成長の限界」のメンバーが今後40年の悲観的未来を展開する。
人口増加と環境破壊が地球に及ぼす影響を論じた前著に比べ、より具体的な未来予測となっている。(前著はいくつかのシナリオバリエーションがあった。)
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非常に濃い。40年後の予測も大事だが、今後の世の中の主役が何なのか、それを想像するだけでもかなり価値があると思った。日本が全然出てこないという現実。
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・エコロジカルフットプリント(人間が1年間に消費した資源と、発生させた汚染の量)は、70年代から倍増。でも21世紀前半にはとまり、オーバーシュートによる崩壊は起きない。
・グロークライン=衰退する社会と向上する暮らし向き
・ROW=世界全体-(中+米+OECD+BRISE(=BR+RU+IN+ZA+ID+MX+VN+TR+IR+TH+UA+AR+VE+SA)は貧しさから抜け出せない。
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1972年にローマクラブのメンバーとして発表した「成長の限界」の時限を迎え、新たな40年に向けて世に放たれた一冊。
2040年に、我々自身がよく思い当たる理由から、81億人で世界の人口は頭打ちとなり、その10年前、2030年に労働人口は一旦ピークを越すという構造的な前提から予測は幕を明ける。
シェールガスを中心とした燃料シフト、消費されるタンパク質のシフト(寄稿はデヴィット ブッチャー氏w)、大きい政府と資本主義の変化、再生可能資源へのシフトなど各方面からの変化が述べられる。
しかし本書を通じて暗い影を落とすのは「気候変動の自己増幅が引き起こされる可能性」である。これは、温暖化がコントロールの範囲を超え予測も制御も出来ない状態に陥ることを指す。
地球のこれまでを一年で表現するならば、11月18日にカンブリア大爆発が起き(それまでは全部単細胞生物)12月31日の夜更けにようやく人類の進化が始まったことはよく知られた例であるが、その中の80年を考える時、何も考える暇などないのかも知れない。それでも私は、将来子供や孫に「2000年代初期、温室効果ガスの排出がコントロールしきれなくなった時に、お父さん(おじいちゃん)は何をしていたの?」と聞かれたらちゃんと答えられる人生を送りたい、と感じました。
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■2052予測
A.世界の総人口は、2040 年代初めに約81 億人でピークを迎え、その後は減少していく。これは、女性1 人当たりの子ど
もの出産数が減っていくためである。
B.世界経済は成長し続け、2052 年までにはGDP の世界合計は現在の2.2 倍になる。しかし、労働力や生産性は、期待されるほどには上昇・向上しない。
C.2052 年までは、十分な食料がある。これは、食料生産が増える一方で、食料の需要は伸びないためである。
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多方面からの未来予測で、示唆にあふれている良作。これを元にSF作品を10編くらいは書けるだろうな。できれば5年くらい毎に改編してほしいと思うの。40年に一度じゃ意味がない。
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世界の人口は今後2050年をピークに減少してゆく。経済規模はもっと早く縮小してゆく。私が現役なのはあと30年弱で、現在のような資本主義社会が継続すると思われるが、子どもの世代は今後、「物質的な満足」から「精神的な満足」へビジネスの主軸が変わってゆくかも知れない、すでにその萌芽は現れている。子どもに英語と中国語をマスターさせるべきというアドバイスも面白い。あと世界の遺跡・史跡は早く見ておくべきだとも、なぜなら今後、裕福になる10億人以上の中国人が大量に観光地に押し寄せ、長だの列になるからだという…なるほど
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調べものをしているときに,偶然見つけた一冊.
40年後のグローバル予測.
残念ながら,バラ色の未来が描かれてはいない.
そして,現実になりそうな嫌な予感は拭えなかった.
でも目を背けず最後まで見ると,
今まで見えなかったものが見えてくるかもネ.
ちょっと高い本ですが,内容の濃い価値ある一冊だと思います.
しかし,40年後ってことは,私は80かぁ・・・・
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人口は2040年に81億人でピークを迎え、その後減少
CO2回収、貯蓄技術の可能性
米国から中国へのリーダシップの移譲はうまくいくか
太陽エネルギーへの急な転換
太陽光発電と分散型エネルギーの増大
新たなエネルギー貯蓄技術の登場
日本 グロークライン 成長と衰退の同時進行
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今後の地球においては、地球環境が人類にとって著しく悪化をを辿っていくと予測しており、お金の使い道がその環境対策に割かれる割合が増える。
人口増加における食料の問題などの人類的な問題ではなく、環境問題が全ての元凶になり得ると予測している。
お金を環境対策に多く割かざるを得なくなり、経済の発展を促進することが出来ず、人口も増えるため、必然的に水準を維持することが難しくなってくる。
といったことが何度も何度も書かれている。
読みにくいし、ページ数を稼ぐためとしか思えない内容も多いので、テレビドラマじゃないんだからもっと簡潔にするべき。
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・汚染税
・二酸化炭素、疫病
・人間は5年以内にペイできることしかしない。対応するのは遅くなってから。
・70、80の日本の政治家が、2、30年後を想定できない。
貧しくないと難しい。
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2052年までの将来を予測した本。
色々な部分を予想しているが、前提として
・世界人口は2040年ごろに頭打ちになる
・人類は深刻になる気候変動に対処するための投資を必要とする
の2点を挙げている。
自分は環境・エネルギー問題中心にこのようなことを考える人間であったが、経済や食料など自分の専門外の分野についても多くの知識を得ることができた。
現在地球は、将来気候変動の自己増幅が起こるかどうかの狭間にある。本書の内容が1人でも多くの人間に浸透し、人類が共通認識として持続可能な方向へ向かって進みだすことを切に願う。