紙の本
もっと広まってほしい!
2017/12/25 13:46
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にゃんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかくもっと色んな人にこの本を読んでほしいです!写真が貴重なのと、今では考えられないような、本当に絵本の世界みたいな写真がたくさんあります!びっくりしました!
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今から約100年前の1905年。ドイツ人青年ワルデマールが船で地球を一周した記録。彼自身が実際に撮影した写真、そして晩年になってからの回顧録とマルタン氏の文章からなります。
アメリカ~日本、アジア、インドなどを長い時は数ヶ月滞在しながら巡ります。世界の中で最も高い文明国だと思っていたヨーロッパから他の国々を回るにつけ、変化していくワルデマール青年の姿も文面から浮かびあがります。
基本的に観光地を回っているので、実際の庶民の暮らしぶりなどはあまり記録されていませんが、代表都市の姿からその国の当時の文化や国力が見えました。写真は白黒もありますがカラーも多く、写真を学んでいただけあって上手で見やすいです。
彼が旅を通じて感じた文明への批判は、きっと現代にも存在する感覚でしょう。日本には冬から春にかけて滞在し、とても親しんでくれたことを嬉しく思いました。
この後に起こる大戦という嵐の前の、つかの間の凪を巡った青年が感じた「100年前の世界」の姿。この時代に生まれた方がまだいらっしゃることを考えると、決して遠い時間ではありません。自分や誰かの親・祖父母・曽祖父母・高祖父母らがいた世界。興味深い本でした。
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1800年代の世界を旅したドイツの青年の写真とエッセイ。
アメリカを縦断し日本にわたり、韓国(日本統治下)と中国(清)、インド、シンガポールなどを巡る旅。
たった100年間のことなのに、まるで違う世界がそこにある。
あとがきに「ナチスに走る前の、世界中から尊敬されていたドイツ人である」といいわ表されるような真面目な人物が伺える。
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今から100年前、ドイツの公務員が一年半の休暇を取って出た世界一周の回想録と写真。著者はライターであり、実際に世界一周をしたのが写真を趣味とするドイツ人、ワルデマール・アベグという人物である。
100年前と言うと、戦前も戦前で、ヨーロッパでさえも戦争を繰り返していた時期である。ちょうどフランスとドイツが戦争をしていた時期に重なる。そんな時、2台のカメラを持って、ドイツからアメリカにわたり、西回りで世界一周をした。
行った国はアメリカ、日本、朝鮮、中国、東南アジア、インド、スリランカなど。とにかく写真を眺めているだけでも胸が熱くなる。やっぱり特筆すべきは日本であろう。当のワルデマール氏も日本の虜になったそうだ。
サンフランシスコからハワイを経由して横浜に着くや否や、ガイドと一緒に人力車に乗る。100年前の風景が目の前にある。誰もが「和服」を着こなし、低層の木造建築の建ち並ぶ商店街。看板の横文字も右から左である。
ワルデマール氏が通された宿は当然ながら見事な和室。実はこれは今とさほど変わってない。襖と畳で布団が敷いてある。変わってないことを知るのもまた感動だ。食事は質素なちゃぶ台。三味線に太鼓。おいらん。相撲。富士山。浮世絵の世界がここにある。
ワルデマール氏にとっても、その旅で最高だった国が日本だったと言う。
次に進んだのが朝鮮。滞在が短かったそうだが、日本と比べて見るべきものがなかったとも言う。中国の属国から日本に併合される直前の朝鮮。次に中国に向かったのだが、朝鮮と中国に比べて、当時から日本は相当な先進国であったことが、これらの写真からもうかがえる。
その後は列車で香港に行き、そこから船でシンガポール。インドネシアを簡単に周遊した後、再びシンガポールから北上してインドに向かう。当時は旅客機も飛んでおらず、列車と船が国際線となっていたが、アジアの船はまた劣悪だったようだ。
ワルデマール氏はその時、すでに一年間の休暇を過ぎており、一方的に延長の願いを出して南アジアを旅に回った。カルカッタからダージリン、そしてバラナシ。そこでは今も昔も、ガートで沐浴する人々の姿があった。この写真を見て胸が熱くなる。なぜなら私が2年前に行ったガンジス川と何ら変わることがないからである。
ワルデマール氏は旅の最後にマラリアにかかって苦しんだそうだが、それでも祖国には帰りたくなったと述懐する。なぜなら「退屈」であるからと。根っからの旅人だったのだろう。
交通も通信手段も未発達な100年前、とにもかくにも西回りに世界一周した人物が降り、しかも美しい写真まで残している。資料的価値以前に、今の私たちにある種のロマンを残してくれたようだ。
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若きドイツ人青年が見て感じた100年前の世界。
自分が過ごしてきた国の文化の中に閉じこもることなく(=排他的になることなく)、
開かれた素直な目でさまざまな国の人々や文化を見つめているところに、とても好感がもてます。
「欧米が進歩していて、アジア諸国は遅れている」という認識が主流であったと思われる当時にあって、興味本位で異文化をおもしろがるのではなく、その土地その土地に暮らす人々の精神文化にまで思いを致すことができたワルデマール。
そんなワルデマールの写真と文章は、「古き良き日本」の人たちの善良さや礼儀正しさなどを敬意をもって表現していて、なんだか現代に生きるわたしまで、うれしくなってしまいます。
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100年前の世界の様子。
日本が日本じゃないみたい。
時間の流れってすごい!
おもしろい切り口だ
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ドイツ人の主人公ワルデマールの旅に我が心は完全にシンクロした。
100年以上も経っているというのに。
この本は世界を旅させてくれるだけでなく、タイムマシンにも乗せてくれる。
明治末期の古き良き日本の一時も感じることができる素晴しい本だ。
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20世紀初頭、世界が戦争という悲劇を迎える前の束の間の平和な時代にあるドイツ人青年が世界一周をした。
日本に関するくだりや写真は、驚きと感動にあふれている。
さまざまな人たちに出合い、さまざまな考え方、価値観、生き方に出合い、それまでそれが当たり前のようであった西欧中心主義の考え方を彼自身が改めていく。
旅というのは、気楽なようでいて、やっぱり大変ででも楽しくて、でもそんな中で自分というものをとてつもなく、変えてしまうこともあるものだなと思った。
私もいつか、世界一周をしたい。
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この時代によくぞ!むしろこの時代だからこその世界一周かな?
その土地土地での文化の触れ合いや、驚きが色あせることなく伝わってくるからおもしろい。
写真ってすごい力なんだね。
その一枚で、色んなことを思い出せる。
ぐいぐい引き込まれていっきに読んだよ。
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1905年、ひとりのドイツ人青年が世界を知る旅に出た。アメリカ、日本、朝鮮、中国、インドネシア、インド、スリランカなどを1年半かけて周遊、多くの写真を撮影した。とくに日露戦争直後に滞在した日本では、まったく異なる文化に感銘を受け、すっかり日本に魅了される。まだ世界が広かった時代、豊かな地域性を残した社会を旅した貴重な記録。大戦前の世界がいきいきとよみがる。写真117点収録。
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写真集かなと思って購入したらテキストが意外に多くて驚いた。
しかし読み終わってみると旅の経過とともに著者の考え方が寛容になっていくことにすがすがしさを覚えた。
この時代の日本文化についてヨーロッパの人々が高い評価をしてくれていることはとても誇れることであるけれど、今の日本の文化は世界に誇れるものかなとどうしても考えてしまう。
写真も素晴らしい。こんなに昔のカラー写真を初めてみた。
100年前、まだアジアが近代化する前の魅力が詰まった旅の記録。
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「100年前の世界一周」タイトルにひかれますよね。
文章も多いですが、各国の写真がとにかく素敵です。
こんな旅がしたい!と思う人も多いのではないでしょうか。もちろん私も、その一人です。
この本を読んで、今はなき風景を旅した気分を味わいます。
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008 100年前の世界一周
バックパッカーの成長記録
ドイツ人の青年ワルデマールの世界一周旅行記。
ナショナルジオグラフィック監修なだけあって
見た事もない1900年初頭の写真が贅沢に載っていて
もう写真を眺めているだけで好きな人には堪らない。
でも僕はこの本の本質はそこじゃないと思います。
写真が綺麗だけで終わらせてしまうのは非常に勿体ない。
この本の本質は「世界一周を通じた成長」だと思うんです。
出発前の彼は内気でシャイで人付き合いが苦手で
「ヨーロッパこそ世界の標準」と考えていて
異文化対して決して寛容な正確では無かった。
しかし、アメリカを旅し、日本文化に触れ
混沌とした東南アジアを旅するうちに
彼の価値観がどんどん変化していきます。
それが彼の行動を少しずつ変えていく様子は
読んでいてとても微笑ましい。
大学ではよく自分探しの名の下に海外に行く人が居て
僕は彼らをあまり肯定的に見ていなかったのですが
こういう手記を見てしまうと
違う文化との出会いは人に大きな影響を与えるということを
まじまじと感じますね。
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百年前のドイツの官僚が1年の休暇を取って西廻りで世界一周…実際には1年8ヶ月掛かっていた~法律家の次男として生まれ,写真を学び,法律家になって,公務員として働き始めたが,兄の影響で世界を旅したくなって,1905年に大西洋を渡る。アメリカを旅し,一月ハワイに留まるが,横浜に上陸してナカイというガイドと親友になり,別府の芸者・舞子と仲良くなる。日本では礼儀正しく,控えめで,偉大な文化をしめす人々に出会った。中国とインドでは質素で,貧しさの中であっても多くを要求することなく暮らす人々を知った。ジャワでは息苦しいような熱帯の植物ととけ合って,花のように存在する人々がいた。それに比べ,このヨーロッパ人たちの姿のなんと不自然なことだろう~掲載されているワルデマール・アベグが撮影したオリジナルのガラス板(9×13cm)は帰国後,ベルリンにあった小規模の会社で着色された…とさ!
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ドイツ人が100年前に旅をした先で撮った写真
大戦前の世界がカラーで見られる
アメリカ、日本、中国が多め
100年前の世界を旅行した気分になりつつ
その後の世界を思うとやるせない気持ちになりました