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もっと屁理屈に対して屁理屈で返す、屁理屈の応酬に終始していく物語かと思いきや意外と二話目から教師モノになっていた。
最終的に読後感は悪くないが、先生って大変なんだなとしみじみ思った。
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popの売り文句を見て結構無理難題を解決して行くのかと思いきや、それは冒頭だけ…
途中から普通のがくえんきょうしものになってました。
悪くはなかったけど、宣伝文句は誇張しすぎかな^_^;
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雄弁学園という特殊な学校が舞台の教師もの小説。
オムニバス形式で『テレポーテーションが可能であることを証明せよ』といった無理難題を突き付ける生徒相手に新任教師が奮闘する話が面白かった。
それ以外はつまらなくはないけどやや単調。
教師が大変だってことはよく伝わってくる。
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通常の科目のほかに,「雄弁」を学ぶという伝統ある名門校雄弁学園を舞台とした連作短篇集。パラドックス(=逆説)をテーマとした論理的な作品というよりは,やや人情ものっぽい要素がある。ミステリではないが,個々の短篇にはミステリ的な手法が生かされている。「パラドックス実践」は,本編の主人公,能瀬雅司という教師が,生徒達から出題された三つの命題にどのような解決を見せるかというハウダニットだし,「職業には向かない女」は,一度,挫折して雄弁学園を去った五十嵐という女性教師と,一歳年下の北原という女性教師との関係は何か。なぜ,雄弁学園は五十嵐を教師として呼び戻したいと思っているのかという点が謎として描かれている。
どの作品の読後感がすっきりしている。パラドックスをテーマにしながら,どこか人情的な作品になっており,この当たりがすでにパラドックスかも。タイトルからもっとガチガチした論理ものを期待していたが,これは,これで悪くない。★3で。
○ パラドックス実践ー高等部
「テレポーテーションが現実に可能であることを証明してほしい」,「海を山に,山を海に変えられることを証明してください」,「サンタクロースが本当にいることを証明してください」という生徒から与えられた3つの命題を「宅配便」を利用して論破してしまうという話
○ 弁論大会始末ー初等部
読めない古文を読んだように見せかけるのではなく,古文を読んでいたことを読んでいないように見せかけるというパラドックス。実際は「北越雪譜」を読んで弁論をしたのに,「川のいきもの」を読んで弁論をしたと見せかけた少女の話
○ 叔父さんが先生ー中等部
過去に学長を選ぶ選挙で中等部を裏切ったとして,懲罰人事を受けた教師とその姪が主人公。A=Bであり,なおかつA≠BであるようなAとBを探すという命題について,歴史というのは自然科学的真実のようであり,そうではないようでもある,としてその命題に対する答えを見つけるという話。
○ 職業には向かない女=雄弁大学
栗坂が学園長の選挙に勝ったことなど踏まえ,五十嵐という女性教師に,雄弁学園に復帰するようになる話。決め手となったのは,「五十嵐桂子,街道の駅,写本」という奪われた一番手と,「北橋絵美莉,鉄道の駅,刊本」という奪った二番手の関係が,独自の価値を持ち,両立しうるという結論を導いたというもの
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幼小中高大一貫の雄弁学園。
国語、算数、理科、社会、いわゆる普通科科目は法定科目と称され、これ以外に論理、演繹法、三段論法、などなど、幼少期から、ディスカッション、スピーチに関する教育を叩き込む学園で働く教師たちの物語。
生徒がメインではなく、あくまで教師側の視点ね。
常識とは18歳までに身に付けた偏見のコレクションだってアインシュタインの言葉を思い出す。
門井氏の作品はどれも知らない単語の勉強になるな。頭の運動になる一冊でした。
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初等部から大学院までそなえた伝統ある名門校、雄弁学園。最大の特色は通常の科目の他に「雄弁」を学ぶこと。新任教師、能瀬雅司は生徒から難問を突きつけられ、雄弁術で証明しなければならなくなるが…。全4編の連作短編集。
冒頭の短編では生徒のキャラがそこそこ立っていたけれど、残りはタイトルの通り教師たちの物語だった。雄弁というか詭弁や屁理屈に近い感じだったので、読んでいて脱力感も。
(D)
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雄弁とか、論理学という言葉に、もはや偏見に近い先入観を持っている。
だから、雄弁学園の生徒はみんなガリガリくん、その教師はきっと奇矯な魑魅魍魎のような人たち。
そういうのが次から次へと、ぞろぞろ出てきて詭弁を振るう小説なのかと(笑)。
本書は雄弁学園の初等部、中等部、高等部、そして大学と、それぞれの教師を主人公にした短編集。
学園長にのし上がる栗坂を狂言回しにして。
教師の休職、保護者のクレーム、学園内政治の紛争など、さまざまな困難にそれぞれの教師たちが立ち向かい、解決する姿が描かれる。
結構ヘビーなトラブルなのに、やけにあっさり解決するから、もしかすると短編にすることもなかったのではないかという気がする。
が、どの編も読後感はあたたかい。
論理学に偏見があっても、それなりに楽しめる。
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論理学な話.この中では「パラドックス実践」が好みにあった.解答はこじつけと言えばこじつけなんだけど,普通のミステリでも解決とは結局,真実を明らかにすることではなくて,関係者が納得できるものを提示すること,だと思うので,そういう意味ではミステリ.
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注目の作家、門井慶喜の作品で、これを最初に読んでしまった。ロジックとディベートの綾だけから、よくこれだけの話を作れるな、と感心。
他の作品にも手を付けていく予定。
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嫌いじゃない。嫌いじゃないけど、もっと分かりやすく書けなかったかなあ。というか、弁論術をより効果的に小説の題材として扱うことだって出来たはずなのに。学園モノは嫌いじゃないから、それだけで期待が高まる部分はあったのだけど、高等部部長が冒頭否定していた「詭弁」そのものだと思う。実例実証なしの、教養が抜け落ちた論理お化けを、詭弁と称せず何と呼ぶのだろう?それは、全てが机上の空論であって、頭でっかちの子どもの育成であって、あまりに空疎。ということで、設定そのものにも、そもそも難があったってことだな。むしろ、詐欺集団を育てるための育成スクールみたいな無茶苦茶な設定だったら、よかったのかな。
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雄弁というか詭弁というか。ここの卒業生は政治家にでもなるのか。教師が生徒に無理難題を投げかけると思いきや逆で、教師がたじたじになる話だった。