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最近、日本映画黄金期を描いた著作が多い、春日氏の新刊。
俳優、仲代達矢氏のロング・インタビュー。
岡本喜八監督とのエピソードは実に楽しいです。
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面白かったです。日本の映画黄金期のエピソードは、面白いものが多いのに、さらに、その真ん中を歩んできた仲代さんの話が面白くない訳がないかぁ〜といった感じです。
もっともっと、読んでみたいです。
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役者になって60年。今年80歳を迎える仲代達矢がこれまでの作品を振り返る。
日本映画は昭和20年代から30年代を中心に黄金時代と呼ばれる。ちょうどその頃、仲代達矢はデビューした。
俳優座養成所でのこと、小林正樹、岡本喜八、黒澤明ら名監督との出会い、高峰秀子、原節子、勝新太郎といった有名俳優との仕事などを回想する。
映画会社の専属にならない、当時としては珍しいフリーの立場を貫いた。一年の半分を映画、もう半分を舞台ときっちりわけて仕事をしてきた俳優だからこそ、日本映画の盛衰を冷静に見ていた。現在の映画界についても鋭く語る。
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読み進むうちに、日本映画を見てみたくなった。でも洋画を含めても、『椿三十郎』を凌ぐラストシーンは、私には思いつかない。いいなぁ、室戸半兵衛…
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仲代達矢氏へのインタビューを再編し、名監督・名優たちとのエピソードを交えながら日本映画の全盛期の様子を伝える。数多くの出演映画に関する内容から映画俳優としての氏の強い存在感を再認識するとともに、演技に対して妥協を許さない役者としての矜持が窺われる。
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見たことがない作品が殆どでした。けれど、非常に楽しく読めました。
こんな話が聞ける機会は貴重だと思います。
シネフィルの方でしたら、一読することをおすすめします。
その要因は、きっとインタビュアーの話の引き出し方が良かったのか、
それとも編集者が優秀で読みやすい様に本にまとめるのが、よく出来たのかはわかりません。
作品は見たことが無くても、登場する俳優たちの名前は誰もが知っている名前のオンパレード。個人的には、監督達とのエピソードが興味深かったです。
活力がある時代じゃないと良い作品って生まれないんじゃないか。と思いました。
また、活力がある=裕福とか生活の安定。という意味でも無いな。
とこの本を読んでしみじみと考えてしまいました。
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こういう本を読むのは好きだ。その割には邦画は見ないんだけど。
150本超出演しておられるが黒沢映画と華麗なる一族、二百三高地、他数本しかみていない。
初めて仲代達也の名前を意識したのは、この本の終わり近くになってやっと出てくるNHK大河ドラマ「新平家物語」だ。
大河ドラマ史上の傑作のひとつと思うんだけど出演を決めた理由が面白い。お母さんが近所の人達に息子が落ち目だと思われるのが悔しいと泣いて電話してきたから。(昭和47年の大河ドラマだが既に世間は役者はテレビに出るものという認識があったらしい)
ここはひとつ親孝行しようか!という理由で出演を決めたとの事。
黒沢明、小林正樹、岡本喜八、五社英雄等、監督との交流も興味深い。みんな故人になってしまった。日本映画の黄金期を語れる俳優もどんどん減っていくだろう、歴史的価値のある本だと思う。
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1932年生まれの、俳優・仲代達矢さん。
仲代さんがご自分のキャリアを振り返り、語った内容を。日本映画史研究家・春日太一さんが、書いて本にしました。
春日さんは1977年生まれ。お若いですね。でも、最近、割と精力的に日本映画史の本を出しているような気がします。
どれも、視点は定まっているし、好感が持てます。さしづめ、DVD鑑賞世代、とでも言いますか。
そういう若い世代の人が(まあ若いって言ってももうすぐ40歳なんでしょうけど)、堂々と昔のことを本に出来るのは、悪くありません。
いつまでも、「俺は同時代で知ってるもんね」という評論家・執筆者が数十年変わらぬ芸で商売してるだけでは、良くないですからね。
日本映画史、日本映画が好きな人にとっては、とても面白い本でした。
前に三国連太郎さんの本を読んだ時も思ったんですが。仲代達矢さんのことも、意外と知らないなあ、と思ったんです。
それは、自分も含めて良くないなあ、と思ったことなんですが。どうしても監督至上主義。なんですね。
小津安二郎、黒沢明、成瀬巳喜男、今村昌平、川島雄三、鈴木清順…そういった、監督さんについての本はいっぱいあるんですけどね。名著というか有名書も多数。
でも、三国連太郎さん、仲代達矢さん。そう言い出せば、緒方拳さんだって、高倉健さんだって、三船敏郎さん、吉永小百合さん、浅丘ルリ子さん、原節子さん、山田五十鈴さん…。
そういった物凄い面々についての、ちゃんとした評伝みたいなものがあっても、しかるべきなんですねえ。
ま、そりゃ、あるんです。探せば。
自伝的なモノとか。
ただ、なんていうか…
竹中労さんの名作「聞き書きアラカン一代 鞍馬天狗のおじさんは」のような。
ヨイショだけじゃなくて。感傷だけじゃなくて。自慢だけでも誹謗だけでもなくて。
映画や芝居への愛情と情熱がベースにあるけれど。
時代や産業や政治といった。
経糸横糸ナナメ糸まで折り重なった。
そんな視点に満ち満ちた書物が、あっても良いんだろうなあって。
と…言うだけの名作だった、という訳じゃないんですけどね。この本は。
でも、いくつかだけでも、とても価値がありました。
うーん。価値ってなんでしょうね(笑)。
「へー!面白いなあ」という発見が、ありました。
●仲代達矢さんの壮絶な生い立ち。戦前に父を亡くして母が再婚して寄る辺なく…という飢餓状態。空襲。近所の子の手を掴んで逃げてたら、気が付いたら手しか無かった…。
●三国さんも三船さんもそうですが、何がナンだかよくワカラナイ青春時代。恐らくは顔とガタイが良かったから、という俳優稼業入り。
●演劇への情熱。基本的に一年を半分に割って、映画と演劇(俳優座)を両立してきた、その凄さ。
●三国さんもそうですが、そういう訳で五社協定の範囲外で活動する、その腹のくくり方。
●石原裕次郎から勝新太郎から黒沢明、三船敏郎、市川崑、その他大女優たち、多彩な交遊録の中で語られる、「意外と喧嘩強くむち��くちゃだった仲代さん」。
●小林正樹監督作品への愛情。特に「切腹」。この映画は、僕も一度しか観てないんですけど、もう、トニカク強烈にスゴかった印象があって。小林正樹さんも仲代さんも三国さんも、アレが最高傑作じゃないか、って思うくらい…。仲代さんも、これ、好きだったんですね。
●「人間の条件」で北海道で雪に埋もれ。「切腹」では、ほんまもんの日本刀でチャンバラ。「影武者」では馬がばたばたと殺され。「乱」ではほんまもんの城郭を燃やし落とす中でお芝居。うーん…馬糞を喰った、という三国さんも凄いけど、仲代さんも凄すぎる…というか、この時代の日本映画界、むちゃくちゃですね。なんか、違うんじゃないか、と思うくらい…。
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とにかく、孤高な人なんだろうなあ、と思いました。
結局、仲代さんは、俳優座を長く長く続けたんですね。でも最後はその俳優座も脱して、無名塾。それだけで、演劇界でも孤立異端児ですね。
映画界で言うと、イッパイ名作には出てます。
でも、なるほどなあ、と思ったのは。煎じ詰めると、情で言えば、小林正樹組、岡本喜八組、なんですよね。
どっちも、正直、徒党としての末路は、恵まれていませんね。
その後の、ロマンポルノ&PFF系の人脈とは接点がない。
その上、仲代さんがねえ。どう考えても日常的な凡人は演じられないっすからねえ。日本映画の虚構物語としての、ケレンというか、スケールというか、そういうところの幅が痩せてくると、あんまりねえ…。
でも、それでもお元気で活躍しているのは、一種感動的でもありました。
それなりに面白かったんですが、まだまだ、書き手の春日さんの方で、つばぜり合いするだけの分厚さが足らないんですね。
でもそれは当たり前も当たり前なんで。それでいいんです。
そうやって星霜を経て、「あの仲代達矢のインタビュー本も作ったことのある人だ」という分厚さになっていくんでしょう。
きっと色んな研究や執筆をされていくでしょうが、
「日本映画の黄金時代」を一つの持分野として、文章稼業をする人がいるのは、チョット面白いことです。映画好き・映画史好き、としては。
願わくば、謙虚さと真面目さを失わずに、書き手として大きくなられることを、祈りつつ。
ときどきは、買って読んでみようと思います。
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戦後の映画の生き証人が今までの役者人生を語る。
様々な監督、俳優とのエピソードが綴られている。
タレントと俳優の混在、俳優の庶民アピール、漫画の実写化、CGの多用が、今日の映画の芸術性を損ねてしまうのかな。単なる消費活動になってつまらない。
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インタビューの纏め方が秀逸ですね。仲代達矢出演作を中心に、日本映画界のミクロな部分がうねりを持って見えてくるといいますか。名監督や俳優らの現場でのぶつかり合いてのはさすがのもので、今の「うちのタレント使ってあげて」なマネージメントでは考えられない。仲代も他の方に比べればおとなしいようですが言うことは言うようですね。しかし筋を通しすぎて、麻雀に負けて妻に質屋行かせるてのもすげーです。芸術作品には余剰な部分が必要なのに今は…というのもさすがの慧眼、一番に挙げているのは切腹、これホント名作ですね。
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68 三船の身体能力の高さ。セット壊すので一発勝負に。
124 役者は撮影前に台本全部覚える。例外は丹波
141 木下恵介 漬物やの子、一生おしんこ食べない
180 三船、酒で乱れる。御用金降板
77 黒澤組、毎回いびられ役
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自分に正直な人である。自ら望むところ俳優として堂々と進む。いい監督、いい本、いい俳優が揃ってこそ名作がうまれる。もう一度日本映画を見直さなくては。
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#877「仲代達矢が語る日本映画黄金時代」
仲代達矢さんは特別好きな役者ではないけど、凄い役者である事は事実でせう。あの狂気を帯びた眼はマネが出来ません。わたくしは心の中で、仲代達矢・三國連太郎・丹波哲郎を「五社協定時代の三大フリー俳優」と名付けてゐます。
春日太一さんは精力的に日本映画や時代劇の啓蒙に努めてゐらつしやるが、岩下志麻さんの本も良かつた。かういふ語り部が元気なうちに、もつと色々な映画人の証言を引き出して頂きたいと存じます。