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久々に自分のことを考えなくてよい本を読んだ^^;
俳優・松山ケンイチが好きだ。好きだ、というかとても気になる俳優だ。「デトロイトメタルシティ」で興味が確信となり、彼の出演作で見ていないのはおそらくあと2〜3本。彼の演技に期待し、途中で心配になり、現在もどちらかというと心配寄りで気がかりだ(謎)。
本書は「平清盛」に関わった14ヶ月(かな?)中に書かれた日記で、合間に起こった東日本大震災、婚約、出産、子育てや、デビュー当時のことまで多分に触れられている。読んでいると日記なのだから当然かもしれないが、読んでいると松山ケンイチの独り言が聞こえてくる、なんとも不思議な気分になる書籍だ。それほどに内面が滲み出ているということなのかも。
数年間舞台裏を見ていたからかもしれないが、俳優を生業にしている人達は、実に興味深い人物が多い。演技に本人の個性が出てしまわない人程興味をそそられる。松山ケンイチは途中で、本人の悩みや思考が演技に出てしまっている気がする。そこがちょっと気がかりだったりする。
なので本書は食い入るように読んでしまった。
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とにかく面白かったです!!
初めて大河ドラマに主演。オファーを受けてではなく、自ら『平清盛』を演じたいと売り込みをかけて得たんだとか!?
普通に考えても大河の主演の重みとは相当なもの。しかも撮影に入る前に起こった大震災。通常とは違う状況下での撮影に挑み葛藤する本当にリアルな生の声。
そして時を同じくして家族を得て彼自身が変化していく様。時々自身の過去を振り返りながら1年半ほどの苦しみながらもやりぬいた彼の強い生き様がとても興味深かったです。
『敗者』と言うタイトルも低視聴率だったことへの皮肉を込めて付けたのかと、勝手に勘ぐっていたけれど、清盛と言う時代を変えようとして敗れた偉大な“敗者”への尊敬を込めてものであるとわかり、尚感動です。
役者松山ケンイチのこれからがますます楽しみ♪
かなりおススメの一冊です!
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中心となるのは、2012年度大河ドラマ「平清盛」の主演俳優である筆者による、撮影期間の記録。そこに自らの歩んできた道や様々な思いも重ね合わせて書いている、という構成でした。
清盛公式ツイッターアカウントで紹介された時は「一体どんな内容なんだ…」とイメージが湧かなかったのですが、読んでみたら納得しました。
役者の側からの解釈を交えた「平清盛」副読本としても、元からの松山氏のファンならその半生記としても、楽しめる内容だと思います。
また同時期に起きた東日本大震災を通じて感じたことも書いてあり、序盤筆者がボランティアに関わった際の、恐らく気付かずにそれを善と信じて振り翳す人、また気付いていても認めたくない人も多いであろうある感情を、はっきり率直に書いてしまっている部分は印象強かったです。
テキスト自体の性格は、非常に内向的な文章の中に時々不意打ちでツッコミたくなるような笑いを仕込んでくる油断出来ないものです。お陰でもう作中の例のシーンでサウザーしか浮かびません。どうしてくれるんでしょう。
タイトルの「敗者」については、最後まで読むとその意味が分かります。
放送中から嫌という程見てきた、視聴率の低さを錦の御旗に視聴もせずに叩く層が涎を垂らして喜びそうなタイトルですが、彼らには残念ながら全くそんな意味ではないどころか非常に深い意味があります。
というか先日ファイナルパーティで貰ったポストカードセットと貼ってあった販促ポスターにまさにそのものズバリのことが書いてありました。
最近の諦観を良しとする(させる)風潮の中、この大河の清盛や、それこそかのFate/Zeroのライダーのような、決して最終的な勝ち組と言えない終わり方でも、それでも挑み戦うことを良しとした者の物語が示すものの意味は大きいと思います。
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大河ドラマ「清盛」の撮影日記的内容をメインに、結婚や子育て、生い立ちなどが語られていて、ケンイチくんファンには読み応えある一冊。
62年間の清盛の生涯を1年間で1人の役者が演じるって、真面目に考えたら本当に大変なことだ。ケンイチ君は、考えたり悩んだりしながらも決して逃げることなく、果敢に大役に取り組んだ。
日々成長していく子供についての記述が微笑ましい。
俳優の書いたエッセイは読み応えのあるものが多い。役作りの過程で与えられた役の性格や人生を見つめることが、自分の生き方を考えることにもなっている。市川雷蔵の『雷蔵、雷蔵を語る』、堺雅人の『文』など読んでいると、役者の仕事は本当に深くて面白いと思う。
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役者さんが「あのときはこう思って演技しました」「こうやって演じてみたけどカットされました」というようなことを言うのはルール違反…というかズルイかな、という思いもなくはないが、やはり興味がある部分なので読めてよかった。しかもそれがかなり詳細に説明してあるので、これはもはや「平清盛」の解説本なのでは?と思うほど。最初しか見ていなかったことを後悔。
最初ぱらぱらと読んだらただの撮影日記のように見えたので最後まで読めるか心配だったのだけど、松ケンが考えていることや過ごしている日常も率直にさらっと書かれていてとても面白かった。奥様もごく自然に登場して好感が持てた。嫁に怒られる松ケン、癒されるなあ。はじめは「なんで小雪!?」とハンカチを噛んだものですが(笑)、小雪さんのエッセイも読んで、今回改めてお似合いだなと思いました。
松山ケンイチ好きなら読んで損はないのではないでしょうか。
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大河「平清盛」撮影日記を軸に
震災、子育てなど日常も交え
飾り気のない本音の独り言を覗き込んだようなエッセイ。
震災後だったのも影響してか
平清盛は数話で挫折してしまったので
撮影裏話の楽しみが半減。
まだ舞台に挑戦する前のマツケン。
ここからだいぶ成長したもんだ。
【図書館・初読・3月5日読了】