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2008年にホームレスのうちに精神障害を持つ可能性のある人は6割、2009年には知的障害のある人は3割という結果をはじめて我国で示したのが著者である。最近は高齢者も増えている。NHKスペシャル「老人漂流社会」では池袋の街で走る著者の姿が映された。この著書では、現在のホームレスの方の現状、特に3割はいると言われる知的障害の方の現状について多くを割き、平行して、これまでの池袋での活動の変遷を語られている。TENOHASIは世界の医療団と出会い、べてると出会うことでさらに幅が広がった感じである。同時に著者がこの活動に参加するようになった経緯も赤裸々に述べられている。一般向けに書かれた本なので読みやすく、専門家でなくても、路上生活者への援助に関わっている人には読んでほしい本と思われる。
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専門家が「できることとできないことがある」といって「できないこと」をはっきりさせることは大切だとして、「ほんとうにほんとうにそれができないのか」や「なぜそれができないのか」をもう一度立ち止まり言語化する意味、というようなことを感じた。「できない」といわれてきたことや思っていることを、真摯に誠実に「している人がいる」という現実に圧倒される。「何ができるか」の想像力を膨らませたいと思う一冊。
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ライフワーク。現代社会のひずみ、社会弱者
の実態、及びソーシャルワーカーの思考回路を見つめ直すのに適切な本。
2025に再読する予定(リマインダー済)
20150429
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精神科医が20年間向きあってきたホームレスの人々の現実をレポートした本。職をなくし、家をなくし、再就職もできない。年齢、障がい、家族、そして制度との行き違いが彼らを追い込んでいく。いまの日本では、だれでもホームレスになり得ると感じてはいましたが、これからの人口減少高齢化社会ではもっと悲惨な現実が待っているようだ。
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ホームレスの人の目線になって物事を考えることができ、ホームレスの人に対する偏見がなくなった。ホームレスは自分とは違う、怠け者ののようなイメージがあった。自分も社会変化の如何によってホームレスになり得ると考えることができるようになった。ホームレスの人に限らず、自分とは立場の異なる人に対して、その人の目線に立って物事を考えることの重要さ、そのことで自分の視野が広がることを学べた。
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支援とか、援助という行いより前にある、相手の事情をくみ取るところからはじまるプロセスが大事だと思いました。聞き出すこと、語らせることはひとりひとり相手が異なることなので、読んでいて一緒にケーススタディをしているようでした。
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池袋でホームレス支援を続けて来た精神科医でもある著者が見た現実。彼自身がが実際に経験してきた路上生活者との関わりや、病院や行政施設でのやり取りが細かく紹介されています。これが私たちの知らない現実。でも誰にでも起こりうる現実。読み終わってなお、息苦しいこの気持ちを、できれば多くの人に伝えたい。本を読んでも、知ることしか出来ないけれど、知らないよりは絶対にましなのだと、私は思う。この社会の隅に押し込められて見えにくくされてる事実を見て。
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人がホームレスとなる理由は様々であろうが、知的障碍を持つことが一つの原因であるとの指摘は新鮮だった。知的障碍者は特別の保護を受けているとばかり思っていたが、障碍の程度によっては、健常者と変わらない生活を送っている人も多く、他方で、仕事の覚えが悪いなどとして健常者の中で能力の低い者と分類され、リストラの対象となり、ホームレスへのコースをたどるということらしい。
そのようなことを含め、本書は、各種の障碍や高齢など誰でも陥る可能性のある事象がホームレスの背景にあり、その意味で、誰もがホームレス予備軍かもしれないことを教えてくれる。そして、ホームレス問題から、医療、教育、福祉などの問題を紡いでみせてくる。
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対人援助職に携わる人にはぜひ読んでもらいたい1冊。
精神科医であり、ホームレス支援団体代表理事である著者の描く「ホームレス」の現場。
人の生きる力を信じること
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ここに出てくるホームレスの方々は虐められ、傷つけられ、憲法で保障されている基本的人権を放棄させられている。
「どこに住みたいですか?」そう、住むところは自分で好きに決めていい。どう生きるかも。
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本当に、良い本。
これを読むと日本人はなんて薄情なんだ、と思ってしまいがちだが、
色んな事に知識や理解がないだけで、
薄情に対応している人はその人の正義に従っているだけ。
もっとホームレスの方々の人生や考え方に寄り添う事ができる人が増えれば、共存できる社会になるのではないか。
筆者も述べている通り、誰もが平等になる必要はないが、互いを尊重できる社会になれるといいと思うし、
自分もそうなりたい。
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講演を聞いてあと著書をほかにも読みたくなって手にした。
最初に伝えたのは「住む場所はどこがいいですか?」
どこで生きたいのか 何をして過ごしたいのか 将来どうしたいのか 本人が選ぶ
自分の人生は自分で選んでいいのだ
本人の人生の主人公性を奪ってはいけない
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路上生活をする高齢者について。
アルコール依存症、認知症、知的障害、統合失調症などのために、家庭や職場から断絶され、また窓口での対応や情報不足から生活保護にもうまくつながれないために「ホームレス」状態になってしまう。
最終章から読むと、精神科医の森川さんがなぜこのような視点が持てるのかが頷けると思う。
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日々の生活で、都市部に出て行くことが少ないというのもあるのかも知れないけど、昔に比べて、ホームレスらしき人を見ることがなくなった。でも、いなくなった訳ではない。段ボールハウスを撤去したり、ベンチは横になれないように1人分のスペースで仕切る手すりがつけられたりと、人の目につかない場所に追いやられているだけなのだろうか。確かに見て気分のいいものではないけど、もっと根本的な解決が必要なんだろうなぁ。またホームレスの中には知的障がいである可能性の人が少なからずいるということも初めて知った。