投稿元:
レビューを見る
キャッチコピーに惹かれて買ってみた。
原文で読めない自分がいうのも何ですが、不自然な文章にいちいち引っかかって物語に入るどころではなかったです。
訳が拙い。これに尽きる。
きっと良いストーリーのはずなのに、という想いだけが残りました。
結構いい値段しただけに期待値も高かったのですが、、
すごく残念。
投稿元:
レビューを見る
「朗読者」の作家の短編集。
小さな嘘や、秘密をもった人たち。それぞれのおかれた立場や環境は全く違うけれど、全体を流れる空気が同じで、ラクに読み進められる。
投稿元:
レビューを見る
常に問題作を発表することで有名なドイツのベストセラー作家による読み切り7編の連作短編集。
夏の終わりの避暑地や人里離れた山の中、あるいは都会の田舎などを舞台に、日常とは異なる空間で引き起こされる人間の不可思議な心理、そして行動が描かれる。
登場するのは基本的に著者を投影したかのようなドイツ人男性で、多くは米国人女性とのカップルとなる設定。このあたりの恋愛観はドイツの小説というよりは、米文学に近いテイストだ。
一番奇妙で心に残った作品は「真夜中の他人」。
ニューヨークからフランクフルトへ向かう飛行機のファーストクラスで隣り合わせた男との出会いを語っている作品。読み返してもなぜそんな行動をとったのか不思議に思う内容だ。
設定も絶妙で、どんでん返しが効いている。
投稿元:
レビューを見る
題名のとおり『夏』を舞台に『嘘』を題材にした短編集
個人的に好みなのは『真夜中の他人』
読後感がよかったのは『リューゲン島のヨハン・セバスティアン・バッハ』
日常を淡々と、心情を鮮やかに描きだしているのが好き
投稿元:
レビューを見る
本当のことを言いそびれただけでも、時間がたてばそれば嘘になる。
もちろん、もっと意識的な嘘もある。
嘘じゃなくてただの言い訳だと思っていることもある。
それぞれの短編が丁寧に描かれていてとてもよかった。
特に「森の中の家」「真夜中の他人」が印象的だった。
「最後の夏」「南への旅」もある意味ファンキー。
訳者あとがきで「優柔不断な男性が多くてイライラ」とありましたが、
人の心のなかなんて、こんなもんじゃないかと思います。
そして、この作者が映画「愛を読む人」の原作者だと知ってびっくり!
とてもいい映画だったので、原作も早速読んでみようと思う。
投稿元:
レビューを見る
解説にもあったけど、本当に優柔不断な男だらけ!でもとても印象に残る話になってて、忘れられない物語たち。「森の中の家」の崩壊感がしみじみ怖い。夏の終わりに読んで良かった。
投稿元:
レビューを見る
『朗読者』で有名な著者の短篇集。
自分はこれが同著者の初めての本。
いずれの短篇もおもしろい。
心理描写。
「バーデンバーデンの夜」がおもしろかった。
また、男性の登場人物が優柔不断さがなかなか。
投稿元:
レビューを見る
素敵な女性とイケてない男性の出会いと別れの短編集。村上春樹が好きな人にはいいかもしれないが、自分は苦手だった。表題作まで読んだところでギブアップ。
投稿元:
レビューを見る
フランス映画みたいな本なので、そういう気分の時に読むといいかも。ストーリーは淡々と進む、ずっと退廃的な雰囲気、意外とシュール、終わったのか続いているのかよく分からない、言葉で表現できない不思議な読了感。
著者が法律家だから?知的だけどおしゃれで、品のある小説世界だと思った。
最後まで読むと、バッハが聴きたくなるよ♪
夏の夜にはぴったりの本でした。他の作品も読んでみたい。特に、朗読者!
投稿元:
レビューを見る
久しぶりの短篇集。シュリンクの作品は『朗読者』から“ゼルプ”シリーズまでだいたい読んでいる。知識階級が主人公のルサンチマン、文章が洗練されすぎていて登場人物もスノッブばかりだがそれほど鼻につかないのは繊細な心理描写ゆえか。
・「シーズンオフ」
季節外れの海岸で休暇を過ごすフルート奏者。食事を共にした女性と気楽な付き合いが始まるが実は彼女は資産家、さらに子供を欲しがっている。裕福な彼女に、彼は引け目を感じながらも、諍いを乗り越え、関係を深めていく。休暇後に一緒になることを約束しながらも、戸惑いが残る男性。
彼の馴染んだニューヨークの雑多な生活を、果たして彼女が受け入れてくれるかどうか。でも知っていてほしい。つきあいはじめのふたりが抱えるぼんやりとした不安にリアリティがある。
・「バーデンバーデンの夜」
華やかな生活ながらも収入は不安定な脚本家。豪華なホテルで女性と一泊したかと思えば、長年のつきあいの女性がいる、しかもそれは嫉妬深いフェミニスト。じりじりと男を問い詰める女の行動、観念した男が彼女を信じさせるために嘘をつく。
・「森のなかの家」
作家を生業とする夫婦。夫は一作だけベストセラーになったが、その後は鳴かず飛ばず。妻の方は徐々に頭角を現して今や世界中に読者を持つ人気作家。彼女の成功に引け目を感じる夫は田舎暮らしを提案し、妻の創作活動をカンヅメにさせる。夫の狂気がゆるやかに高まっていく過程に身震いがする。
*最初の3作は全て女性の収入が多いか、もしくは教養が高いかで、男性が引け目を感じているがゆえに取る行動が切ないが、今の時代にこの設定はリアリティがありますね。
・「真夜中の他人」
ファーストクラスで乗り合わせた男性が語るエピソード。物語の中の物語。白人の女性が海外旅行中にさらわれて中東に売られるという話はここ近年ありそうな話で、現実感が身にしみる。(あと、巻頭のエピソードにて、ドイツでも読書会って流行ってたのかと思う)
・「最後の夏」
子どもたちに囲まれる満たされた人生のはずだった男、末期の癌におののき安楽死を選ぼうとする。自ら死を選択することは自分勝手な行為だろうか、その決断は家族を傷つける、実行する前であっても。
・「リューゲン島のヨハン・セバスティアン・バッハ」
これなんか読んだことあるなと思ったら、クレストの短篇集で既読だった。お父さん、バッハに詳しすぎる。ドイツのインテリって普通にこんな人がいるんだろうな。父と息子の分かり合えない葛藤というのはシュリンクの作風における一貫したテーマ。バッハの音楽を通じて和解するシーンが美しい。
・「南への旅」
幼なじみと結婚、優秀な子どもたち、大勢の孫に囲まれながらも夫の浮気により捨てられた人生に負い目を感じる老婦人。学生の時に関係した片腕の青年の思い出を孫に語ったことにより、真実が明らかになる。記憶はねじまがり、過去は変えられていく。それは人が納得して生きていくために。ちょっと泣いた。
アメリカにおけるドイツ人というのはシュリンクが好んで書く設定だ。ヨーロッパとアメリ��の環境の違い。家族の中における疎外感。それにしてもドイツ人みんな聡明すぎる。どきっとするような台詞、細やかな情景描写、手練れた文章だが、やはりそこにぐっときてしまう。シュリンク、短編もうまいなあ。
投稿元:
レビューを見る
20150925 山田太一の書評を読んで読みたくなった本。想像以上に引き込まれた。各ストーリーでの嘘について考えてしまうと感情移入し過ぎてしまう。良い本だと思います。
投稿元:
レビューを見る
この本が未読の状態でそこに存在していることが、たいへんうれしかった。
さまざまな愛の形、生き様、死に様、嘘。
女でも受け入れられる柔らかいタッチの、ナイーブな男性目線。
ほかの作品も読まなきゃ。
投稿元:
レビューを見る
主人公たちの程々な枯れ方に共感。
どの話もありふれたテーマのようだけど、独特の余韻を残して終わる。物語の切り方が好き。
投稿元:
レビューを見る
・朗読者の著者ドイツの作家シュリンクの短編集。ジュンク堂福岡店の数人で読む外国文学特集の棚で、みつけた。朗読者の本はまだ読んでないが、その映画 君に読む物語は衝撃の作品だった。
全編を通して感じる不安と不確かさ。不測の人生の物語。あのとき、どうして本当のことがいえなかったんだろう。
・シーズンオフ
甘酸っぱい。すれ違い。ときめき。
相手によく思われたいためについたほんの少しの嘘。微妙な感情のズレ。
お互いが住むところと習慣を譲れないってたぶん現実だろうなぁ。
美しい小説。
・バーデンバーデンの夜
彼にとって気軽なてれーぜと疑り深い恋人のアンはどういうバランスなんだろう。どっちも予定を、譲らない。
・森の中の家
人はどんな幸せでも永遠に続くことを望むのだろうか。
彼の彼女をしばるというか閉じ込めておくための猟奇的な行動はだれもがなり得る姿なのかな?作家という同業者って難しいのかな?
・真夜中の他人
ニューヨークからフランクフルトにいく便からはじまる。
つかのま隣の男の話すはなしがあんなことになるなんて。そんなことあるかな?という現実離れしてるはなし。
アラブ地方におけるヨーロッパ女性の売買。
・最後の夏
教授としてフランクフルトから毎年ニューヨークに招かれ男の晩年の話。
付属物の幸福のための付属物を集めただけの現実。
・リューゲン島のヨハン・セバスティアン・バッハ
ぼくの知らない噛み合ってなさそうな父の過去、バッハの好きな82の父。ピアノも弾けた。
人生のたがが外れてしまうとどんなことになるか。
父のことを何も知らないと思って知ろうとした作者。親が生きてるうちにその試みができたことがただ1つの真実だと思った。
・南への旅
彼女が自分の子供たちを愛するのをやめた日。世間的には、優秀な子供たち。
彼女の嗅覚や味覚が失われ、機能が突然ダメになる。それを知ってるのは医者だけ。
愛っていうのは感情じゃなくて、意志の問題なのよと、彼女の母は言ってた。
愛って、なんだろ。
朗読者を思わせた若いときの恋人との再開。なんてすれ違い。
投稿元:
レビューを見る
「嘘」にはいろいろある。
他愛のないもの、陰湿で堪えられないもの、
男女の嘘、親子の嘘、隣人の嘘、他人の嘘
思わず出てしまった「嘘」が予想もできないほどの事態を引き起こすこと
ついつい吐いた自分の「嘘」を、後で気がつくこと。
何も言わないことで成り立つ「嘘」のこと。
ベルンハルト・シュリンクの10年ぶりの短篇集には、かつてのナチスやユダヤなどの社会問題は影を潜めて、夫婦や親子間などで心の探り合いが繰り広げられる。
やや男目線で語る恋愛感情などは反撥を感じる人もいるだろうが、その描写は容赦ない。
そのうえで、読み手に委ねる余白を残すのが名手と言われる所以だろう。
ジイジイと耳にまとわりつく蝉の声
容赦なく照り付ける日差し
纏っているものを取り払い、すべてをさらけ出したい衝動に駆られる「夏」
そんな夏に吐く「嘘」とは、どんなものか‥‥‥。
お気に入りは
「シーズンオフ」
「真夜中の他人」
「リューゲン島のヨハン・セバスティアン・バッハ」
さあ、あなたが夏に吐く「嘘」は何?