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痛々しくて、痛くて、ページから目をそむけたのなんて久しぶり。
また酷なものを書くなぁ。
どの少女も愛しくてたまらなくなる、不完全という美しさ。
最後の頁のその後にある波乱も、彼女たちならたくましく乗り越えていくのだろう。
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見世物として生きることを選んだ少女たちの話。永遠をちょうだい、と不自由に、未熟に、不完全に、叫んでいる
「ブランコ乗りのサン=テグジュペリ」はやはり彼女しか居ないな、と納得して本を閉じた
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個人的には少し消化不良なところがあったかと思うが、面白くなかったわけではない。だからこそ、もう少し書いてほしいと思ったのかもしれない。
しかしやはり紅玉先生の書く"少女"は本当に好き。綺麗でもあり醜くもあり、弱くもあり強くもある。永遠を求める儚い少女たちの物語だった。
個人的にはハニちゃんが好きかな。
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未熟であれ。不完全であれ。
紅玉さんのかかれる少女たちは、いつも未熟で不完全で、だからこそいとおしいのだろうな、と思います。
19さい、という少女と呼ぶにはぎりぎりのおんなのこたち。
こどもではなく、おとなにもなれない。
そんな不安定な存在でいられるのって、実はほんのひと時のこと。
だからこそ少女たちは命を売るのです。
もがき、なやみ、苦しみながらも、永遠をちょうだい、と歌うのです。
不完全であることはけして悪いことではないのだと。不自由であることが時にはいとおしいのだと。
あと2ヶ月足らずでティーンズを卒業してしまうわたしは思うのでした。
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表紙のピンク色がこの物語のカラーだと思った。鮮やかで艶やかで、一瞬の美しさに命をかける彼女達の色。 あとがきが無かったのがちょっと残念かな。この物語をどういう想いでいづきさんが書いたのか、その片鱗だけでも知りたかったな(笑)
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不完全であれという言葉は、創作物全般に言えることであろう。
不完全であるがゆえに、描かれていない部分が気になるのであり
想像するたのしみがあるのだ。
と、それっぽいことを書いてみる。
あ、不完全すぎるのは勘弁な。
ラストは、やはりこれしかないだろうと非常に納得できた。
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すっごくよくわかる。と思ってしまった。
宝物のような一冊。
愛涙とアンソニーが特にすき!
涙海、カフカ、アンデルセン、チャペック。登場人物がみんなすき!!
続編があったらいいな!
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ワンフレーズのうつくしさ、がある作家なんだと思う。合わないひとには全く合わない、歪な癖のある文章。だけどその歪さがうつくしい。
アンチと信者を両方生み出す強烈な個性の、結晶のような本だった。
私は信者なので、このうつくしさに魅せられて満足感を得る。評価は、作品そのものではなくこの個性を持つ作者へ。
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不完全であるがゆえに美しい、少女たちのサーカス。
それぞれが、それぞれの覚悟を持つまでのお話。
とても、よかったです。
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少女サーカスの花型少女たちに纏わるお話。
ブランコ乗り:サン=テグジュペリ
歌姫:アンデルセン
獣使い:カフカ
パントマイマー:チャペック
文化人の名を関する少女たちなので、彼らの作品や作家像を少女に重ねて読むことができる。
表題を冠するサン=テグジュペリは、自身が飛びたくて飛びたくて仕方のないことが知られていて、ついに空から帰ってこなかった作家。
「墜ちた」ところから始まるこの物語は、それぞれの作家や作品を称する少女たちへ梢を揺らす風のようにふと触れて、そして空へと帰るお話でした。
涙の海を裡に溜める少女と、愛の涙を流す少女。
あらゆる名に意味があるようにも思えて、でもほんとうは意味がないのかもしれない。
けれど意味を探したくなるような、丁寧に作られたお話だと思いました。
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紅玉いづきさん。すき。笑。
少女が主人公のお話を書いておられると、いつも素晴らしいこと!今回も期待を裏切らない世界だった。
少女たちの輝きぶりがたまらない。触ったら崩れてしまうだろう、輝きが溢れていた。
どこか子供の頃の残酷さと純真さと、一瞬の輝きが同居している様は他にはない感覚。一本に思いつめている少女たちが揺らいだ瞬間が、もろくてそれでいて一番美しくいて。
今しかない、ということを分かっている時期の一瞬の輝きって青春だなーと振り返る笑。
一個言うならば、アンデルセンの一人称は、わたくしでも良いのじゃないかと思ったり。
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強く儚い少女達の物語。
サーカス団で刹那を生きる少女達の戦いの記録。
八代目サン=テグジュペリ、片岡涙海。
身代りとなる双子の妹、愛涙。
三代目カフカ、庄戸茉鈴。
五代目アンデルセン、花庭つぼみ。
キーマン、ブラックジャックディーラー、アンソニー・ビショップ。
各々の想い、願い、喜び、憤り、怒り、様々な感情が彼女達を舞台に立たせる原動力となる。
物語は彼女達が如何にしてサーカス団の舞台に立ち、日々戦っているのか。そしてサーカス団を巡る黒い背景にもスポットを当て、物語は動く。
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サーカスで演じることに全てをかける少女たち。芸人として長くはない彼女たちが、決して得ることの出来ない"永遠"をちょうだいと歌う。自分の全てを捧げ生きる姿が素晴らしい。紅玉さんの作風ならもっと洗練された文章の方が良いと思っていたのでようやくはまった。他の芸人やその後のサーカスの話も読みたい。
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"ここでしか息ができない場所"で生きる人たちをとても美しいと思ってる。「ここは私の場所だ」って傲慢になれる人も、「私はここでしか生きられない」って醜くてもすがりつく人も、みんな美しい。それがどんな形であれ人前に立つような人ならなおさら。
設定も世界観もストライクすぎて、図書館で偶然この本を手に取った自分を称賛したい。
ブランコ乗りのサン=テグジュペリ
歌姫のアンデルセン
猛獣使いのカフカ
パントマイムのチャペック
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輝かしく華々しいサーカスの舞台に立つ、少女たち。
彼女たちが見るもの、感じ考えるもの、その心理描写が繊細かつ丁寧に描かれている。息を呑むように作品の世界観に引き込まれ、夢中で頁を捲った。
少女たちの強さや決意が、とても眩しかった。そしてきらびやかな光があれば、同じように存在する陰のことも、物語を通じて胸の中に深く印象に残った。
読後しばらくの間は、涙が止まらなかった。