紙の本
笑った!
2016/03/29 07:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽんぽこ仮面 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は詩人くずれのイギリス人。アメリカでペット葬儀社で働いていて・・・もうこの設定だけでも面白いけど、いろんな人物が現れていろんな事件が起きて、腹を抱えて笑わされっぱなしでした。
投稿元:
レビューを見る
登場人物は一見コミカルだが、ウォー独特の皮肉な視線で描き出されていてかなり毒のある描写になっている。
ラストシーンはなかなかの衝撃。
投稿元:
レビューを見る
ハリウッドのペット葬儀社で働く元詩人の主人公と、人間専門(?)の葬儀社に勤めるヒロイン、彼女の上司の奇妙な三角関係を描いた辛口ブラック恋愛コメディ。
主人公の恋敵であるエンバーマーが、ヒロインの気を引こうとする方法が斬新すぎ&怖すぎ!個人的にはこういう ブラックな結末は好きだけど、あまりにも強烈な毒の効かせ方を受けつけない人もいそう。
登場人物の名前もジョイボーイ(能天気と訳せばいいのか)とかエイメ・タナトジェノス(死の一族)とか、ポーの命名センスに近いものを感じる。
イギリス人気質やアメリカの商業主義、社会のあらゆるものに対する強烈な違和感と皮肉が切れ味鋭く表現されている。
投稿元:
レビューを見る
タイトル買い。イーヴリン・ウォーは名前だけは聞いたことがあった。
「死」をテーマにしたブラック・ユーモア小説。
アメリカの商業主義を皮肉り、一方ではイギリスの上流階級も洒落のめしている。アメリカの葬儀業界からクレームが来たと聞くが、そりゃそうだろうな。
登場人物皆エキセントリックで誰にも感情移入できなかったが、そのお蔭でダメージも受けなかったのは結果的によかったのかもしれない。最後のカードの文面を読んで、とことんブラックだなとある意味感心してしまった。
しかし、葬儀は亡くなった人というより、後に残された人たちにとってのためのものだなとつくづく感じる。まあだからって「囁きの園」での葬儀はしたくないけどね。
投稿元:
レビューを見る
装丁の表紙が可愛い。どれも似たような表紙だと思っていた光文社の表紙に、こんなにインパクトがあるものがあったとは。
投稿元:
レビューを見る
アメリカ西海岸を舞台に、ペット葬儀会社で勤める詩人を主人公に配した風刺的なエンタメ小説。
作者の何ともいじわるな目線が溢れた、ユーモラスな小説。
やけに大仰な葬儀産業を通してアメリカの資本主義を皮肉り、プライドばかり高いが実力社会のアメリカで体面を保とうと汲々とするイギリス出身者、自分の理想の愛のために右往左往し挙句に完全に己が悩みだけで自分を追い詰め命を絶つ女性、アメリカ人が誇って止まない「アメリカ的な生活」に対する皮肉・・・
と挙げればキリがないが、著者はアメリカ滞在の経験でよほどアメリカのことが滑稽に見えたのだろう。
そしてそれをバカにしつつも、そうは言っても必死に生きていかねばならない同国のイギリス人をも滑稽に描いている。
ストーリー自体は、どうにもエイメ自体が死を選ぶ理由についていけないし、面白いけど格別というほどでもない良質なエンタメというところ。
著者のシニカルさを楽しむ一作だろう。
投稿元:
レビューを見る
なんとなくオチはわかっていたけど、気になってぐいぐい読み進められました。
本当にイギリスらしいブラック・ユーモアの利いた作品で、思わずにやりとしてしまいました。
投稿元:
レビューを見る
これは読んでないぞ!と買ったら新訳でタイトルが全く違うのでした。少しでも似ているタイトルだったら買ってなかった。The Loved Oneが原題で、確かに他の訳も少しわかりにくいのではあるが。なんか詐欺の出口にあった気分だけれども、ウォーはウォーで私は好きな作品なので、新たに手に取ってみるのも良い。
投稿元:
レビューを見る
アメリカ西海岸にてペット専門葬儀屋で働く、イギリス人のもと詩人が、高級霊園で死に化粧師として働く女性に恋した話。
粗筋だけ見て、死とか宗教とか、なんだかすごく重い話ではないかと思って読み進めてみたら、昔のテレビドラマみたいなブラックコメディでした。さすがイギリス人の主人公は皮肉屋。すげえ性格悪いです。
1948年に出版されたのに色褪せて感じないのはやっぱり新訳のせいなんですかね。軽くて面白かったです。映画化希望!とかいってもうされてました。観たい。
投稿元:
レビューを見る
鬱蒼と茂った木々から燦々と零れる日の光。キラキラ輝く湖面には水鳥が遊び、湖畔には百合の花が咲き乱れ蜜蜂が飛び回る。湖の小島は幸せなカップルたちのデートスポット。でもじつは墓地。首吊りでも事故死でもまるで生きているかのように活力あふれた姿に再現する遺体処理師と化粧師。〈心安らぐ死を半ば愛して〉焼かれ、退色する束の間の芸術作品。文学に死はありふれたテーマのひとつだが、遺体や葬儀をテーマにした作品は珍しい。イギリス人らしいブラックユーモアだ。英詩人たちやポーの詩の引用もよかった。
投稿元:
レビューを見る
ちょ、こいつら揃いも揃ってみんなアホ!ってな感じで笑っちゃったんだけど、解説読んだら「辛辣な諷刺とブラックユーモアの作家」とのことで。イギリス人のブラックユーモアって容赦なくてほんと恐ろしいな…。けらけら笑って読んでたけど、もし自分がこんな容赦ない人の視線に晒されたら…って思ったら震えた。
投稿元:
レビューを見る
図書館より借。
どこかでオススメされていたので読んでみました。
描写はとても好きでした。
登場人物が変わった人ばっかりなのも好き。
でもブラックユーモアだったんですね。
苦手なジャンルだったのでそこだけイマイチ。
投稿元:
レビューを見る
皮肉が強烈にきいていてとても好みの作品。葬儀会社もビジネスだから商業化するのも分かるのだけど、そこをユーモアのある視点で徹底的に皮肉っていて、その不謹慎さが面白さに繋がっているブラック喜劇。
投稿元:
レビューを見る
原題ザ・ラブド・ワンというのが「仏様」という意味があるそうだが、物語中では本来の意味も持つのである。男二人の間で何度も婚約解消を繰り返す女。思わせぶりな行動ではなくマジでやってるが、果たして(どっちが?)振り回される程の魅力があるんだか、よくわからない。新訳という企画で読みやすい。が作者の意図はなんだ?なぜだかペットの葬儀業界に勤めるのが恥みたいに書かれてるが、実際に自分の中でも偏見がなくなったのはごく最近かも。愛する人もペットもアメリカ人もイギリス人も死んだら皆墓に入るんだよ、と言う話なのかな。
投稿元:
レビューを見る
いわゆる「ユーモア小説」で途中まで、ウヒヒって感じで心の中で笑いながら読んでいたけれど、あるところから「まぢか」と気持ちが一転。
ユーモアもここまで突き詰めるのかと、本気のユーモアを見た気持ち。
そこには妥協も優しさもなくて、書いている人が登場人物たちを突き放している!!!と感じた。
でもその「まぢか」から先にそれまでいろいろ散りばめられていた伏線がすっと回収されていって、実は一番おもしろい。そして切ない。
短くて読みやすい。
ちょっとスパイシーな息抜きしたいときにおすすめの本。