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何度読んでも、この上下巻が一番好き。
全く別々の境遇で生きてきた3人が、それぞれ悩み苦しみ、迷い躓き、そして互いに出会い、互いに気付き合い、前に向き直り歩き出していく。
この成長ストーリーが素晴らしいのはもちろんだけれど、単なるフィクションにとどまるのではなく、そこには読者に訴えかけてくる確かな願いや希望があるように思うんです。
王とはどうあるべきか?
国とはどうあるべきか?
というストーリーとしての主旨の中には、
人とはどうあるべきか?
社会とはどうあるべきか?
が隠れている。既刊を読みながら(昔から)、ずっとそんな風に感じていました。
十二国記シリーズはまだまだ!続きますが、ここで陽子の物語はひとまず一区切り、というところですね。
次回は既刊順かと思いきや新作が入るとのことで、ますます目が離せません。
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十二国記の陽子、慶国編。
国王になったものの国の状況が全くわからない状況で日本に居た頃と同じ官僚の顔色ばかりが気になる状況で、とうとう国の本質を訪ね下野してしまった陽子。 そこにやはり明治の時代に流されてきた鈴、一方、祥えいは芳国の公主として生まれたが父が殺されてしまい、庶民に落とされてそこで苦労を重ねるが最後は楽俊に諭され、自分のおかれた立場を知って改め、成長していく。一方の鈴も卑屈であった自分が、清秀と出会って自分だけが不幸では無いことを思い知りこれまた成長していく。陽子は野に下った後、遠甫に教えを請いながら、その周辺での悪事に関わっていく。
最終的にはハッピーエンドのお話ではあるが、陽子が宮殿に戻った後の初勅が非常に印象的であった。拝礼を廃する理由が良かった。 拝礼は相手に礼を強いることで相手が壊れていく事が問題だと、また人は本当に感謝の気持ちがあれば、自然と頭が下がるものだと言うことが印象的。慶国の将来がどうなっていくか、非常に楽しみだ。次が読みたいが他の国の話もあり、次はまだまだ先だろうなあ・・・
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04/16/2013 読了。
人間がすごくきちんと書かれていると
毎回思う。
言葉に重みがあって、
胸に痛い。
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シリーズ通してこのお話が一番好き。
でも、こうして新潮文庫から新装版として出たのだから、
(講談社文庫からも出ていたのだけれど…)
また新たに十二国記の素晴らしさが世に広まるなら、これほど嬉しいことはない。
ホワイトハートの本を手にとったのが、いつだったかもう覚えていないけれど、
初勅のシーンはいつ読んでも心が震える。
これが、元々は少女小説だったというのだからレベル高すぎる。
この部分は、慶国だからとか、ファンタジーだからとか、
そんなこと関係ない。読んだ人全てに訴えかける言葉。
礼をもって相手に接すること。
困難に挫けないこと。
不正を糺すこと。
頭を上げて毅然と立ち向かうこと。
もし、タイミングがあれば、この部分はアニメーションで
見ていただくことをオススメする。
陽子が力強く語りかけてくれます。
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20年来の小野主上ファンですが、ホワイトハート版を愛読してたので新潮社版は初読です。
今回も美麗挿絵を楽しみにしながら読みました。
本文中変化した箇所も楽しみにしながら読んでいましたが……
私が好きな陽子の台詞が変化していて、それだけは残念><
何度読み返しても、変化した意図が読めないです;
回りくどいから、とかじゃないよなあ……
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新潮文庫で再読。
何度読み返しても、陽子の初勅シーンでは、背筋ののびる思いがします。
他者を尊重し、自分もひとりしかいない自分として胸の張れる生き方をしたいです。
このシリーズには、過去の自分の後悔やトラウマをざくざくえぐられることが多いけれども、この歳になって「そうだったよね」「そんな風に考えちゃうこともあるよね」と、目を逸らさずに読み進められるようになってきてるのは、最初に読んだ頃よりも少しはマシな人間になれているからだと……思いたいです。
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ようやく王として動き始めるか。終わってみればなるようになってよかった。それにしても、解説にも書かれていたように、どこの国も苦しんでいるようにみえる。マァ、そうでなくては物語にならないか
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女の子達がホントに素敵で。大好きな話です。そして虎嘯と桓魋のイケメン度が落ちてるところがグー。ハンサムばっかりじゃツマンネーよと思うのです!男は愛嬌!
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感想はこちらでひとまとめ。
http://booklog.jp/users/ohsui/archives/1/4101240566
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このシリーズはどれも最高に大好きなんですが、その中でもこの作品はもっとも好きな作品です。3人のとっても未熟な女の子たちがこんなに素敵なレディになっていく成長物語です。
もちろん陽子が一番好きですよ。
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2014.01.16
とにかく止まらない。
一気に読めちゃう本である。
鈴と祥瓊、陽子が徐々に集まっていく。
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陽子と祥瓊の悩みや悩み方には理解・同情(?)することができたのだが、鈴の悩みはよくわからなかった。また、陽子が、地位と違う目線に立つことによって成長していく様子や、祥瓊が楽俊と出逢うことによって、自分を恥じ、変わっていこうと心を入れ替えたところなど、面白いところが満載だった。
また、少し冷静に読んでみると、陽子は17・18歳前後で、祥瓊は30歳ぐらいで、同じことを悩んでいるのは、まぁいいとして、鈴は100歳以上じゃん!と突っ込みたくなることが。仙になると精神の成長も止まるの?と聞きたくなってしまった。
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景王になった陽子。たかだか十五、六の娘が国のトップを務めるのはなかなか無理がある。しかも生まれ育ったのではない世界で。
でも彼女は挫けない。知らない国を知ろうと努める。民衆に圧制を強いる郷長を倒そうとする人々を助けようと動きだす。その中で、鈴や祥瓊に出会い信頼するに足りる人たちと出会っていく。前向きな彼女は眩しいくらい。
「己という領土を治める唯一無二の君主に」と国民に望むその言葉には重みがある。自分を形作る気概を持っていなくてはと気持ちを新たにした。
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上巻ラストで感情を引きずり込まれたまま、とどめのように目の前で犠牲となる命。これでもう完全に読者と主人公達の思いが繋がれる。
王になる過程で陽子は強くなり、王になった事でまた強くなっていく。もうとにかく陽子がカッコイイったらない。惚れる。
十二国シリーズの他の本でも、主人公と共にその周りの人物もまた魅力的な人物がたくさん出てくるけれど、ここで戦った人々もまた、これからの慶の歴史を王と共につくってゆく人物となる。十二国記シリーズの高揚感とか圧倒される感覚とかは、この「歴史」を感じられる部分だと思う。膨大な時間の流れの中のほんの一時の事柄に、こんなにも多くの人達がこんなにも懸命に生きていたんだという事。
いつも最後にほんの数行書かれる史書の文がそれを象徴している。
歴史の途方も無い広がりの包容力と残酷さ。その中で必死に蠢きながらも、一瞬で散ってゆくような人間の儚さと哀しさと強さ。ファンタジーを読んで気付くのもどうかと思うけれど、改めて歴史の教科書の数行の重みを実感する。
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ホワイトハートの方を持っているので、今回の文庫シリーズは買わずにいたのに、表紙の美しさに負けてしまった(笑)
シリーズ中一番好きな話なので、再度読み返して、面白さを再確認。
そして、陽子の最後の台詞に何度も心を打たれます。