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立ち読み:2013/5/2
購入:2013/5/2
「哲学」という名前がいかん。言語はピロソピアで、「知」への「愛」ただそれだけなのに、「学」とつけると、「ザ・科学」みたいに「ザ・哲学」という体系だった知識があるみたいに思える。
→ 「哲学入門」の本をあさると、たいていデカルトとかカントとかの哲学紹介から始まる。だれか、「哲学」ってなんなのか?を教えてくれないのか?と思っていたので、ちょうどぴったり答えてくれた感じ。
自分の「前提」を自覚する。
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哲学のやり方で倫理学的なテーマを考えることで、哲学にも倫理学にも入門しようという本。
哲学は「しりたい!」ではじまって、自分でするものだし、自由にやればいいものなんだけど、それだとなかなかうまくいかない。著者は、こうやってやるとうまくいくかもよというひとつのやり方を示してみせる。
そのやり方は、概念をつくったり、概念同士を比較したり繋げたり、概念を使ってみたり広げてみたりする。
「愛」について考えるとき、「愛」は人それぞれちがうイメージでとらえているから一見それ以上考えられないようにもおもえる。それでも「愛」の概念を考えこねくりまわす。なぜそんなことをするかというと、イメージから抜け出すためだ。概念的に考えたほうが現実をちゃんととらえられることがあるからだ。自由にかんがえられる場合もあるからだ。
実験や観察によって繰り返し確かめられるもの(科学)は確かめればよくて、でも確かめられるものは世界の一部でしかない。そもそもわれわれの人生は一度しかない、繰り返せないものだ。そして繰り返しせないものについても、かなりな程度まで考えることができる。
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読書猿さんと対談した: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2017/12/post-a3b8.html
『愛とか正義とか』はスゴ本: わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2018/01/post-3242.html
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平易な語り口で書かれていて、哲学を近寄りがたく感じていてもすっと読み進められる。
序章の「哲学は「私がする」もの」で、よりぐっと哲学を身近に感じたところで、デスノートやライアーゲームなどの漫画を題材に、考えさせながらもさくさく読み進めることができた。
途中、1755年に起きたリスボンの大地震を例に、避けがたい厄災について2020年のいまについて考える。
そこから一気に、自分の人生で受け止め切ず言葉にできなかったことが多いことに気がつく。
男女間の友情、脳死、愛とか正義について。
そして、それに対する倫理学が提示するもの。
しっかりと下地を作ってもらった上で、「自由」や「よく生きる」ことについてようやく考えられる。
そして補足と文献案内、あとがきまでたっぷり面白い!