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かつてサンリオSF文庫から出ていたものの復刊。国書刊行会の『アサイラム・ピース』に続き、立て続けにカヴァンが入手可能になろうとは……(しかしこの状況下でバジリコの〝氷〟は品切れだとか。何故……?)。
カヴァンの清潔に対する拘りは解説でも言及されているが、車に対する拘りも強く感じた。
『以前の住所』『メルセデス』『クラリータ』、そして表題作『ジュリアとバズーカ』が好きだ。
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この人の基本姿勢は、孤独、幽囚、憂い、さらには車への偏愛などに帰せられるが、
二カ所、大変美しいところがあった。
「英雄たちの世界」わたしは星を見ない、愛し愛されていたことを思い出してしまうから。
「山の上高く」山の持つどこかよそよそしい完全さがわたしを死にたい気持ちにさせる。人間は憎むべきものだ。かわいそうな月。
しかしやはり、集中随一なのは「ジュリアとバズーカ」。この雰囲気を出せる文章は、他にない。
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みんなが喜び、悲しみ、怒り、楽しんでいる世界への恨み、呪い。排除された私の正当性を虚しく叫び続ける15篇。1つ読むごとに、生きることへの辛さが増す。
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疲れている時にはいり込んで読むと何かを超越した癒やしを感じるか、精神が崩壊するかもしれない。とりわけ「英雄たちの世界」がすごかった。「メルセデス」も大概です。どのお話もこれといったあらすじはなく、あまりに率直なさびしいや寄る辺の無い不安や、虚無的な感情を共有することを余儀なくされる。その感触が色濃く残る。でも不思議と嫌な気はしない。本を閉じたいま、他作品がどうなっているのかとても気になる。
本物の気配に満ちていて、そうとしか生きられない人間の切実さを感じるところがかなり好き。
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生涯精神を病んでいたカヴァンの短編集。
「クラリータ」は、目覚めると体中にニキビができていた「私」が美しく意地の悪い「クラリータ」と対面するというものだが、その異様さが第3者の視点からでなく、精神を患う語り手カヴァン自身の視点から読むことができ、おもしろい。
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https://www.lib.city.kobe.jp/opac/opacs/find_detailbook?kobeid=CT%3A7200183225&mode=one_line&pvolid=PV%3A7200320365&type=CtlgBook
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悪夢なのに目が離せない作品群。著者の経歴と切っても切り離せない作品群。普通に暮らしていると思っていても、いつこちらの世界に引き込まれているかと思うと怖い。