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農耕の発明とほぼ同時期に家畜の飼育も始まったと思われ、保存発酵食品であるチーズもその歴史は相当古く、現存する痕跡は紀元前6500年。西アジアを発祥とし、メソポタミア、地中海(ギリシア、ローマ)を渡り、ヨーロッパ全土、新大陸へと伝わっていく様、技術開発の変遷などを辿れる1冊である。本物のチーズとワインとともに楽しめば良かったかなぁ…、ちょっと失敗(笑)
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はじめに 文明史と交差するチーズの歴史
第1章 チーズの起源―古代南西アジア
第2章 文明のゆりかご―チーズと宗教
第3章 貿易のゆくえ―青銅器とレンネット
第4章 地中海の奇跡―ギリシャ世界のチーズ
第5章 ローマ帝国とキリスト教―体系化されるチーズ
第6章 荘園と修道院―チーズ多様化の時代
第7章 イングランドとオランダの明暗―市場原理とチーズ
第8章 伝統製法の消滅―ピューリタンとチーズ工場
第9章 新旧両世界のあいだ―原産地名称保護と安全性をめぐって
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9000年に渡るチーズから見た世界史とチーズの発展。
著者はアメリカのチーズの専門家。巻末の参考文献が多岐に渡るのも信用して良いか。
技術進歩や社会との関わりの中でのチーズの進化発展、各国のチーズ文化の盛衰からその国の成り立ちも垣間見える。最初の人間の乳糖耐性についての記述も非常に興味深く。
多分チーズに興味が無いと、なかなか手に取らないと思うけど、古代史か英仏蘭米辺りの歴史に興味があれば充分楽しめる筈。
最後は現代の地理的呼称保護の欧米の問題も取り扱う。アメリカ歴史背景というのはあまり考えたことがなかったけど首肯する面もある。
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たびたび章の頭が聖書のエピソードで始まるのが余分、かつ、古代の記述がなんとなく粗い気がしたが、それでも、着眼点は面白いし、現代の話まで連続した食の変遷が記されてるところがいい。今回は斜め読みで終わりにしてしまったけど、また改めて読んでみたい。
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著者は、ヴァーモント大学食物栄養学部の、ポール・キンステッド教授。チーズという食品を通して、西洋文明史をめぐる旅へと読者を誘います。
メソポタミア文明やエジプト文明でも製造されていたチーズ。そのチーズ作りの歴史を振り返ると、塩と人類の深いつながりも見えてきます。塩水でチーズの保存性を高める技術が、古代ローマ時代の書物に登場するのです。
この本の読者は、古代文明からスーパーマーケットの食品コーナーにいたるまで、チーズ作り九千年の歴史を旅することになります。政治や戦争の歴史とは一味違う、食の歴史です。
身近な食べ物を通して悠久の歴史を振り返り、古の人々の息づかいや食卓の賑わいに想いを馳せてみませんか。
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地理的表示を理解するための参考になる本を探していて、この本に出会った。EUと米国の間のチーズをめぐる考え方の対立を、歴史を通じて理解することができたような気がする。